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戦闘終了
傘の留め金を外す。
何かあるのではないかと、彼らは身構える。
確かに、何かあった。
俺は傘を一気に広がらせ、広げた状態にする。
「妖術だっ」
向こうの様子はわからないが、どうやら慌てふためいているらしい。
「そうら、そらそらぁ」
傘を向こうに向けながら回しつつ、どんどんと近寄って行く。
バタンと誰か倒れた音がすると、バタバタと走る音がした。
「よくやったな」
犬が、俺を褒める声が聞こえ、やっと傘を畳む。
1人、泡を吹いて倒れていた。
「驚かせすぎたかなぁ」
「いや、あれくらいで上等」
犬はいいながらも笑っていた。