前へ目次 次へ PR 29/49 荒廃 歩き続けること、約3時間。 やっと俺たちは広いところに出た。 「ここは……」 「うむ、300年前には宿場町だったのだがな。旧道と言われている通り、こっちは人も通らなくなったんだろうな」 犬が俺の横であくびをしながら話をしてくる。 「とはいって、どこぞに泊れるところはあるのか。野宿は嫌だぞ」 「なに。荒廃した建物がいくらかあるから、そこに泊ればいいだろう。夜露はしのげるだろうからな」 犬が俺に言ったが、それで俺の心が晴れるわけはなかった。