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第三十二章

 俺が大黒蛇を倒しても、いつも通り湖の平原に出られず、師匠に会えなかった話からだ。

 大黒蛇の大部屋からは更にダンジョンが続いており、大きな百足の魔物と対峙した所だ。

 その話をした途端、マインは父ではなく祖父に俺を。

 そこで急に現れたセイラも父にと。


 考えても何も浮かばない。

 何やら俺の困惑をよそに、二人で会話を進めている。

 昨日まで話すのも億劫だと言わんばかりだった二人が、だ。


 「今から直ぐにでもひゅうごと大黒蛇を倒し、51層に向かうとするぞ。」

 「いえ、ルッセイラティ様。先程ひゅうごさんが大黒蛇を倒されたばかりですので、一緒に向かっても大黒蛇は現れず、51層も出てきません。」


 「そ、そうじゃったな。ところで小娘よ、大黒蛇はいつ復活するのじゃ?」

 「た、確か7日程だと聞いております。ルッセイラティ様。」


 「いちいちルッセイラティと、小娘も冒険者故、セイラで良いと言うたではないか。」

 「小娘では御座いません。セイラ様。マインです。」


 「セイラ様ではない。セイラで良い。マイン。」

 「はいっ。セイラさん。」


 「そうじゃ。ところでマイン。7日後にひゅうごと童とで大黒蛇を倒し、51層に向かう事に反対は無いのじゃな?」

 「は、はい。私にはまだ大黒蛇に対峙出来る程の力は御座いません。」

 「そうか。なら先を行かせて貰うぞ。」

 「あ、でも、セイラさん。毒息対策等は宜しいのですか?」

 「それは何じゃ?」


 「は、はい。大黒蛇が使う固有魔術でして、その毒息を吸うと体中がこわばり、あらゆる血管が割かれ、意識も無くなる。というものなのです。」

 「そ、その毒息の対策とは?」


 「はい。私は数日前から、その毒息を少しずつ浴びて、体に耐性を作っては解毒、というのを繰り返しております。ひゅうごさんがいずれ私と大黒蛇に挑む事を想定して、です。」


 「そ、それは、何という、、、童には無理じゃろうて。只でさえ蛇は好かんというのに、その蛇、しかも闇の主の蛇が吐く息を、体に入れようなぞと。」

 「それではどの様にして倒されると仰るのですか?」


 「それはこの後ひゅうごにも聞くとしよう。何か方法が有る筈じゃ。創国神様が同じ様な事をしたとも思えぬ。その息をひゅうごに任せても、童の動きで最大功労を得る事も出来得る筈じゃ。」

 「た、確かにそれはあり得るかも。」


 「それはそうと、マインはどの位で攻略出来る様になれるのじゃ?」

 「はい。そこなのです。私も頑張ってはいますが、流石に半月、一月で、とはいかないかと。」

 「それは困ったの。次の7日で童が最大功労を得たとしても、その次に挑んでみながらお主、いやマインが最大功労を得られる様に立ち回ったとしても、一月も先ではなぁ。」


 「それでも頑張ります。その一月の中で最大功労を得られるまでに。そうなれる様に努めていきます。そ、それでその後、光の試練が有りますが、セイラさんはそれを公表されるのですか?」

 「当然じゃ。闇の試練が成されれば、その次は光の試練じゃ。童はそれを知らぬが、それを伝える義務が有ろう。」


 な、なんで急に仲良しになったかの様に二人だけで、会話を矢継ぎ早と。

 いや、そこじゃない。

 聴き慣れない単語が幾つも有った。


 「ちょ、ちょっと二人共待ってくれ。二人が仲良くしてくれるのは嬉しいが、俺にも説明してくれ。いったい何が起きたというんだ?」


 「仲良くじゃと?」

 「仲良くですか?」


 「ち、違うのか。」

 「違うな。」

 「違いますね。」


 「じゃあ、そこから説明願います。」

 「そこからじゃと?」

 「なぁなぁ、今日は俺のトレーニングの日じゃなかったのか? 俺、そろそろ魔力回復するんだけど。」

 「あぁ、そうだったな。マイン、先程の続きをお願い出来るか?話の続きは今晩宿で行おう。」

 「はい。」


 「それとセイラ。今の話を詳しく教えてくれないか。俺はこの後街の北にある鍛冶屋に行って昨日作成途中の短剣を仕上げたいんだ。」

 「そうじゃったな。」


 「あぁ、明日男爵邸にお邪魔する前に、自身の作品を一本完成させておきたいんだ。」

 「うむうむ。」


 「それで今から北へ向かう道中に話が聞きたい。どうだろうか?」

 「それで良いぞ。」


 「そ、それで、会話はいつもの様に?それとも一緒に歩く?」

 「それも良かろうて。この街の者にひゅうごがマインといる所はかなり見られておるじゃろうが、童と一緒の所はさぞ珍しかろう。そもそも童が歩く姿を見せる事自体が無い故な。」


 「なっ。」

 今マインがこちらに振り返って嫉妬の様な、嫌悪の様な声を発した。

 やはり「仲良く」では無かったようだ。


 そんなマインに俺は肩をすくめて見せ、

 「くれぐれもハーデンを宜しくな。」

 「は、はい。お任せを。」


 そう言ってセイラと二人で踵を返し、街の北に向かった。


 「して、どこから話したら良いじゃろうか。」

 「・・・・・」

 俺は黙ってセイラの言葉を待つ。


 東門から離れ、北へと向かう大通りに差し掛かると、多くの人々が振り返り、俺達を覗き込んでくる。

 それ程セイラの姿は神々しく、珍しく、噂には聞いていたのか、その身分を知る者が膝まづいたりした。


 「な、なんか仰々しいな。」

 「童もこうなると予想はしておったがな。」


 「いつもはどうしてたんだ?」

 「うむ、姿を見せたとしても馬車の中じゃな。それ以外は姿を見せぬようにしておったのじゃ。童は人に姿を見られるのを好かんからの。」


 「今はいいのか?」

 「良い。むしろ心地良い。人々が平伏す姿もな。してお主と共におる事で、まるで許嫁を紹介して回ってるような。そうじゃな、披露宴とでも言おうか。」


 な、な、な、な、な。何を言っているんだこのお嬢様は? しかし、確かに真っ白なお顔が少しだけ頬を赤らめている。

 そして気品が溢れ、きりっとした表情から少しだけ笑みがこぼれた姿は、生前の天皇、皇后様を彷彿させる。


 それこそちらっと視線を周りに送るだけだ、手を振って笑顔を振りまいたりしても無いのに、気付いた者達がどんどん膝まづく。

 披露宴では無く、大名行列に近いんでは無いか。

 そう思った所でセイラが声を発する。


 「元々ここらはエルフの国じゃったのだ。大国と言っても過言ではない程にじゃ。」

 「え、エルフの国。」

 「そうじゃ。それがある時種族の中に闇のエルフが生まれ、国を二つに別けたのじゃ。」

 「や、闇のエルフって。ダークエルフの事ですか?」


 「そうじゃ。その者は王族であったが故、その代では裏方に徹し国を支えたそうじゃが、後に迫害の芽が出始めた為、国を別ける事でそれを治めたのじゃ。」

 「王族?国を別ける? なんて壮大な話を聞かされているんだ?」


 「ふふっ。もう数千年も前の話じゃ。それより、その者が神のお告げを聞いたそうでな。それが今回の話じゃ。」

 「今回の話とは?」


 「うむ。・・・そう、じゃな。その預言の言葉の真意は童でも知れておらぬが、かいつまんで言うなら、両国にある試練に隠れた先の試練の部屋を現した者が、両国の平定を成す。とある。」

 「な、なんか難しいし、かなり抽象的だな。」


 「本文はもっとかなり抽象的な表現じゃったからな。」

 「もっとなのか。それってまだこの段階では俺とは限らないのでは?」


 「いや、それは確かじゃ。この数千年にエルフの試練の塔にも、闇のエルフの試練の洞窟にも隠し階層が現れたことなぞ無い。」

 「そ、そうなのか。」


 「そうじゃ。預言が差す者はお主に間違いは無いぞよ。」

 「そ、そ、そうか。」


 ここまで話を聞いた時には、街の中央十字路というか、ギルド前に差し掛かった。

 ここはこの街で最も人通りが多く、俺達二人が東門からここまで、周りの街人がどんどん膝まづき、何事かと思わせるだけの雰囲気が広がっていた。


 ギルドの建物からも職員らしき人々が何事かを確認するように出て来ては、セイラの姿を見て納得する中、ギルマスの姿が見えた所でセイラが話をまとめはじめる。


 「して、お主が預言の救世主であろう事は紛れることなしじゃ。じゃがこの後するべき事は単純じゃ。」

 「そうなのか。」


 「そうじゃ。7日後に童と大黒蛇を童に最大功労を与えて倒す。その前に我が国王と闇の国王に謁見じゃ。」

 「二つの国王に謁見だとっ!?」


 「そうじゃ、それがマインが言っておったあ奴の祖父との謁見で、童の父との謁見とがそれじゃ。」

 「そ、そ、そうなのか。」


 「してこの両謁見は、現在の国王、人間の王には両国に盟約する事で協力してきたからの。全てにおいて優先されるくだんじゃ。誰にも抗う事は叶わぬ。」

 「そ、そんなにか。そんな大事が起きているのか。」


 「やっと理解したのか? してどう動くつもりじゃ?」

 「どうって、俺には出来る事だけしていくつもりだよ。今日はこれから短剣を完成させるし、明日は男爵との商談。それ以外は両国王との謁見は日程などセイラとマインに任せて良いんだろ?」


 「そうじゃな。今回が闇の試練での事じゃし、そもそもお主のメイン属性が闇故、マインの祖父から会う事になるじゃろう。その日時はマインと決めておこうぞ。」

 「それは助かる。」


 「そうか。では童はここらで失礼するぞ。」

 「あぁ、説明ありがとうな。」

 「よい。必要な事じゃからな。」


 そう言うとセイラは光となって消えた。

 残された俺と膝まづいたままの街人はぽかんとしている。ふと気付くと散り散りにそれぞれの動きに戻っていった。


 俺は梨花亭に寄って弁当を受け取り、ガイスの鍛冶屋に着いた。

 「ガイス、いや、今日からは師匠か、師匠! 今日も鍛冶場を使わせて貰えないだろうか。」


 「聞こえてるぞぉ。旦那ぁ。その師匠ってのはなぁ。俺は旦那に返しきれない恩がある中、師匠でもあるが刀に関しては旦那が師匠だ。」

 「そうだけどな。」


 「それでどうだ。この街では今まで通りガイスと旦那で。領都では調査も兼ねるって事だから師匠とひゅうごって事では?」

 「それが良いな。助かる。」


 「じゃあ旦那。今日も好きに使って貰って構わない。ギルドからの緊急依頼を受けて、それまでの受注に関しては期限延期して貰ったから余裕がある。が、明日の男爵からの依頼を受けたら忙しくはなるがな。」

 「忙しいとは良い事じゃないか。」


 「確かにな。だが今日は俺もお前さんの腕前をじっくり見られる良い機会だからな。存分に見学させて貰うぜ。」

 「それは構わないし、気になる事があれば随時指導して欲しい。」

 「指導出来る事があればだが、あればそうしてやる。」


 俺は肩をすくめて返事をして、昨日借りた物であろう槌を手に取る。

 「俺が使う槌や道具も自身で作った方が良いか?」

 「それは追々で良いさ。自身の腕に必要な物が見えてきてからでな。今の所それを使っておけ。」


 「それは助かる。それで、ここらの場所で邪魔にならなければ魔法で舟、水槽を作って良いか?」

 「それはどういった?」


 「あぁ、素材に魔力を込めるのに、魔力が篭った道具で行うと込め易いんだ。」

 「そういうことか。あぁ構わないさ。自由に使ってくれ。それもどいういったもんか見てみたいしな。」


 「そう言ってくれると助かる。」

 俺はそう言うと作業に支障が無く、他に邪魔にならなさそうな所に、昨晩同様に土魔法で水槽を作る。

 昨晩よりもっときめ細やかに。


 「んんんんっ。」

 水槽が出来上がると、次は魔力で作った水を張る。

 特に水温に気を付ける。みつかいさんに聞きまくりだ。


 それを終えると竈に新しい薪を入れる。

 その新しい薪に火魔法で作った炎で火を点ける。

 そのまま火魔法で炎を大きくしていく。


 今後は燃やす燃料にも魔力を込めた物を使っていきたいが、ガイスの竈に悪影響が起きたらまずいので、自身の竈が出来た後だ。


 炎が大きくなって竈の温度が必要温度まで上がる間に、昨日の形成で終わらせた短剣を荒砥で荒仕上しておく。

 その後先程ダンジョンで集めた土置きに向いた土を手に取り、魔法水で粘土にする。

 もちろんこの土も今後土魔法で作れる様に研究しながら。


 その後、綺麗な波刃の波紋にしたいが、どの位思う様にならないかを確認したいので、かなり均等に土置きを行う。

 そして必要温度になった炉に入れる。


 必要な温度、750°Cから800°Cまで熱し、一気に水槽へ放り込み急冷。

 じゅうじゅうと水蒸気を上げて短剣が冷えていく。

 その充分な温度に達した事をみつかいさんに確認して取り出す。


 自身が思った通りに近い反りを確認すると、もう一度炉に入れ、次は焼き戻し。

 150°Cから200°Cに熱してそれを冷やす事で、粘性を作る。


 焼き戻しを終えるとその刀身が淡く光り、魔鋼でもない普通の玉鋼から作られたこの短剣が、確実に魔力を帯びた魔剣になっていることを確信した。

 この魔剣は魔鋼を使って作った魔剣より、魔力は少ないがその刀身に均一に魔力が纏われていることが解る。


 「ほほぉ。これはまた、素晴らしい逸品が仕上がったではないか。」

 「そこまで言う程か?」

 「あぁ、そこまで言う程だ。」


 この刀身を使った剣を仕上げれば、確実に魔道具師の興味を引けるだろうと。

 その後は普通に刀の仕上げを行っていく。

 自然に冷えていく刀身の根元の柄に茎を作る。

 同時に鎺を作る。


 ここでは研ぎも同じ鍛冶師が行う為、棚にある砥石を借りて研いでいく。

 納得いくまで研いで、最後に鞘を作る。持ちこんだ乾燥させた木材で。

 一本の沿った杖の様に切った後、真っ二つに切った。

 その切先面に刃を当て、削る部分にナイフで跡を付ける。

 沿った刃を引き抜く際に刃に当たらぬ様に計算して。


 そうして削った二つに分れた鞘を、紐で固定して刃を入れて当りが悪く無いか抜き差ししながら確かめる。

 紐を解いて調整してそれを繰り返す。

 問題ないまで削ると膠を塗って貼り合わせ、紐を撒いて固定する。


 柄の方は同じく茎に合う様に削り、膠を塗って張り合わせ、茎目釘穴に合わせ目釘を打つ。

 このまま膠が固まれば、何の飾りも無い短い白木の杖の様な柄と鞘を持った短剣が完成する。


 満足だ。

 初めての製造、鍛造、刀造り、魔剣造りでここまでの物が出来得るなんて。


 ガイスに促され俺はお昼を全く食べる事無く作業にあたっていたことを知る。

 俺は持ってきていたアギレンに作って貰ったクラブハウスサンドのお弁当の包みを開いて食べる。

 既に陽は落ち始め、空は赤く、もう暗くなっている程だ。


 「ガイス、申し訳ない。すっかり没頭していて昼食の時間を気付かなかった。」

 「いいやぁ、俺もあんまりにも面白いから、止める事も、声を掛ける事も出来なかったぜぇ。いいもん見させて貰ったぞぉ。」


 「そ、そうなのか。それなら良かった。」

 「あぁ、確かに俺の師匠と言える振る舞いだった。だが、まだまだ技術的にも鍛錬が必要な部分が多くあるがな。」


 「そうか。それは自身の成長が楽しみだな。都度宜しく願う。」

 「あぁ、そうさせて貰うぜ。」


 まだ完成しきっていない短剣を手に取り、街の中央にあるギルドに向かう。

 ギルドに着くとまだマインとハーデンの姿は見えない。

 受付カウンターの女の子に声を掛け、今日狩ったフロアボスの素材も含めて換金したい旨伝えると、やはりギルマスが出て来た。


 折角ミイナの窓口を避けて話を進めたのに、結局はミイナに案内されてギルマスの部屋に。


 「ひゅうごよ。今回の換金に大黒蛇は有るか?」

 いきなりギルマスからの言葉である。


 「あ、あぁ、それも考えていたが、・・・いったいいくらで引き取ってくれるか?」

 「お前、大黒蛇の皮をどこかで市場に流しただろっ? 領主様がそれを知り、どこから流れたのか引っ切り無しだぞ。もう俺ではお前を庇い切れん位だぞ。」


 「そ、それは悪かった。 で、俺は何をすれば?」

 「大黒蛇の皮をギルドで引き取らせてくれ! お前が販売した額の2倍出せる。いや、3倍だ。お前はいくつか持ってると言ってただろ?」


 3倍なら反対する気も無い。マギーもまだ次を買える様子もなさそうだし、まだ残っている。しかし、

 「2体か3体なら売れるが、そんなに渡したら相場が崩れないか?」

 「そこは気にしなくても良い。こちらでそうならないように操作はするさ。」


 「そらなら結構。いくつ必要だ?」

 「皮だけか?肉や魔石も売ってくれるのか?」

 「それも任せる。」

 「そ、それなら2体だ。だが魔石は1体分だけで頼む。そこまで予算が出せん。」

 「それで結構だ。」


 そう言えば大黒蛇の魔石は回収して無かったことに気付く。

 アギレンからも内臓は処理方法が分からないと言われ、収納にそのまま入れていた。


 「大黒蛇の解体する所を見ていても良いか?」

 「あ、あぁ、それは構わないぞ。何かあるのか?」

 「あぁ、1体目の販売先も大黒蛇の内臓の処理は分からないと言われ、そのまま持っているんだ。処理方法を学びたいと思ったまでだ。」


 「おお、そうか、それならサービスでその分の処理もしてやっても良いし、自分で処理出来るようにレクチャーしてやっても良いぞ。」

 「そ、そうなのか? ならそれで頼む。 で、いつ行うんだ?」


 「今からだ! 下の解体場に来てくれるか。 今から解体するぞ。」

 「今から?」

 「あぁ、そうだ。 普段は部下に任せてるが、大黒蛇の解体なぞといったら、俺自身が行う! 滅多にない故な。」


 ギルマスに連れられ、上がってきた階段とは反対の方へ廊下を突っ切り、そこにある階段を降りると、裏庭の様な広い空間に、知っている言葉で言うと土間がある。

 その土間には大きな木製の台があり、壁には大小様々な包丁?があり、その他にも何か魔物を解体するのに使うのであろう、禍々しい道具が引っ掛けられている。


 「さぁ、この木台に出してくれ! 俺様が大黒蛇を解体してやるっ!」


 俺は言われるがまま、2体の大黒蛇を大きな木台の上に出した。

 マギーには初めて倒した大黒蛇を、ここには2回目に倒した物と、先程倒した物を。

 かなり殺し方に差があったので、ギルマスがどう反応するか知りたいからだ。


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