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第二十一章

 本日、突然魔物に襲われ、何とか命を取り留めたものの、数日間に渡って監禁されてた環境から解放され、自由となったご婦人とそのご子息。

 その二人の心境は正反対。

 ご婦人は落ち着き、現実を認め、そのまま日常に戻ろうとする。

 しかしそのご子息は、その先。

 失った家族との時間の中に、大切なものを見付けたのだ。


 「ど、どうしたというのですか? あなたが人様の前でその様に取り乱すとは。 何があったのですか?」

 「す、すみません。母上、お父上の想いを知り、と、取り乱しました。」


 「ご主人様の想い?」

 「コルテ様、突然に申し訳ありません。」

 「何ですの?ひゅうご殿」


 「はい。ヴィルテス様は先程、レソルザット男爵様から10歳の誕生日に送られる筈であった剣をお振りになられたのです。」

 「そうですか。それで?」


 「はい。その剣は大変に、レソルザット男爵様からヴィルテス様への愛情と、ヴィルテス様の安全と、ヴィルテス様の成長を願って作られた事が、ヴィルテス様ご本人様がその事にお気付きになり、この様に取り乱された訳です。」


 「まあ、あの時依頼した物がそこまでヴィルに?」

 「はい。母上、お父上様のご厚情に感謝しております。」


 「そこまでの物でしたら、ハーデンさん、若しくはひゅうご殿にご無理を言ってでも引き取らせて頂くのは・・・」

 「いえ、それより私に考えがございます。この後の御帰還にご同行頂く許可を頂けませんか。」


 「勿論最初からひゅうご殿にはご同行願う所でした。構いませんよ。」

 「ひゅうご、俺からも指示するところだ。お前は同行決定だ。」

 と、ギルマス


 そして、そのまま続けてギルマスが

 「レソルザット夫人様、馬車のご用意が御座います。レソルザット男爵邸へお送りいたします。」

 「お願いします。」


 「レソルザット男爵邸へ同行するのは、俺にギデル、ジゼル、ダン、ひゅうごとする。」

 「車内には俺とギデルがレソルザット夫人様達にご同行しても宜しいでしょうか?」


 「構いませんよ。」

 「はい。それでは・・・」

 と、ギルマスの想定通りに事が運ぶと思った矢先。


 「俺はジゼル達と同じ車外だ。」

 と、ギデルからいつもの訳の分からない決断。

 「お、そうか。」


 「それでしたら、ひゅうご殿を車内へお願いできますか。先程の続きを聞きたいのです。」

 「そ、そうですか。ギデルはそれで良いか?」

 「構わない。」

 「ひゅうごもそれで良いか?」


 「は、はい、それでは失礼します、コルテ様。」

 「してひゅうご殿、息子を泣かせた剣を引き取らせて頂けない理由をお教え頂けますか?」


 「はい。それではその前に、遅くなりましたが、ヴィルテス様、10歳の誕生日おめでとうございます。」

 「あ、う、うむ。ありがとう。」

 「そ、そうですね、ヴィル、おめでとう。」

 「ありがとうございます。母上。」


 「突然どういたしましたの?」

 「いえ、先の質問の答えの前に、必要と思ったまででございまして。」

 「そうですか。それでは続きをお願いします。」


 「はい。それではその前に、ムンハルド氏にこの話の経緯を簡単に説明する事をお許しいただけますか?」

 「勿論です。」

 「恐縮です。」


 俺はレソルザット男爵様がヴィルテス様の10歳の誕生日にと作られた剣を俺が買い取っており、それを生存しているから買い取らせて欲しい事を断る理由を説明する所だと掻い摘んで説明する。


 「それではコルテ様、ここからは先程の質問に対するお応えです。」

 「はい。宜しく願います。」

 「はい。私があの剣をヴィルテス様に買い戻される事を懸念するには、大きく3つの理由がございます。」

 「はい、その3つとは?」


 「はい、一つ目には私の弟子であるハーデンにとって、あの剣は見事に必要不可欠な存在であり、手放したくはない、という感情がある、事。です。」

 「ま、まあ!」

 「な、なんとっ!」


 「ま、まぁ、落ち着いて下さいませ。私は自分の感情を伝えたまでです。それが失礼に値するかもとは承知しながらの発言にございます。」

 「は、はぁ、それで?」


 「はい。その前にお伝えしなければならないことがありまして、私は、この世界で言う、「バルカの迷子」なのです。」

 「えっ?」

 「ばっ、バルカの迷子っ!?」


 「はい。このことはこちらのムンハルド氏にも確認頂いた事になります。」

 「は、はぁ」


 「その上で私がお貴族様との慣習を知らず無礼な事を言っているかもしれない事をお許し願いたい。」

 「そ、そ、そいうことなら。」


 「ありがとう存じます。それでは二つ目の理由ですが、そこには更に二つの大きな要因がございます。」

 「続けて。」


 「あの剣がヴィルテス様の鍛錬になるように作られた点にございます。」

 「それは?」


 「はい。それでは先ず一つめの要因ですが、あの剣がわざわざ属性を抜いて無属性になっている点です。」

 「ええ、続けて。」


 「それはヴィルテス様が風属性に続き土属性まで習得されたことで、まだその先に他の属性を修得為されるかもという思いからだと伺いました。」

 「確かにその様に聞いております。」


 「はい、そこで鍛錬用としてはとても良いとして、そもそも、3つ目の魔法適性が生まれた場合どうでしょう?」

 「どうとは?」


 「はい、そもそも3つ目の魔法適性が得られた場合、大剣使いである必要があるでしょうか?」

 「あ、え、た、確かにそういう考えもありますね。」


 「はい、これが一つめの要因にございます。」

 「そ、それでは二つ目の要因をお聞かせ願います。」


 「はい。二つ目の要因ですが、あの剣が魔力を剣に留める事に特化させていて、魔力を放出する事が出来にくい点にございます。」

 「それは存じておりませんでしたが、それが?」


 「はい、恐らくこれも鍛錬に向けた仕様で、魔力を放出する風属性のエアーカッター等は出しにくくして鍛錬させ、新しく修得した土属性で剣に重さを持たせるのでは、と想像しました。」

 「そうですか。私にはそこまでの意図は分かり兼ねますが。」


 「そこで、です。私は考えるのですが、この事件が起こる前でしたらあの剣が最適だったかもしれませんが、今となってはあれではいけないと思うのです。」

 「と、言いますと?」


 「はい、鍛錬が目的であればヴィルテス様が望まれ、コルテ様が承認し、この後レソルザット男爵様から許可を頂けた場合、私がヴィルテス様を指導する事となります。」

 「えぇ。」


 「そうなりましたら、あの剣はいくらでも鍛錬用に使う事が出来ましょう。」

 「そ、それは今買い与えられた者が困るのでは?」


 「もしヴィルテス様を指導する事になりましたら、持ち主のハーデンより先にいっているヴィルテス様の鍛錬の姿を見せる事で本人にも貴重な教鞭となります。あの剣を買い与えた私が文句を言わせません。」

 (買ったのが自分だから無理矢理という訳じゃなく、ハーデン自身の為にヴィルテス様に剣を振るわせる事に意味がある事を説いていくつもりだが)


 「それに、です。」

 「はい?」

 「先程も少し触れましたが、今回の事件を経験なされたヴィルテス様に鍛錬用の使いにくい剣を帯剣させても安心出来ましょうか?」


 「そ、それは確かに、、、」

 「はい。折角鍛錬用は鍛錬用として使用できるのであれば、帯剣するには自身や大切な人を一番安心して守れる業物にして、更にその先の成長を与えてくれる。そういう物が必要かと。」


 「確かにそうですね。理解しました。それでは最後の理由をお聞きしましょう。」


 「はい。これが本命でございますが、私はあの大剣を前金を含めて購入している事にございます。」

 「前金を含めてとは?」


 「はい、本来なら購入を解除した時点で前金の返却は不要、それで問題はないのですが、あの剣の製作者店主のガイスは、前金の大銀貨50枚を遥かに超えて、金貨1枚以上の出費をしてあの大剣を仕上げたにも関わらず、依頼主の不幸からただ一方的にキャンセルされ、更には風評被害で先の依頼も断られ、店を畳むのを回避する為に金貨1枚だけでも取り戻したいと願ったのです。」

 「まあ、そんなことが」


 「はい。それでも私は元々の金貨2枚から2割だけ引いた、金貨1枚と大銀貨80枚という価格で私が買い取り、前金の大銀貨50枚分をレソルザット男爵様にお返しする様に言い伝えました。」

 「そ、それは何故ですか?」


 「はい、それはあの剣がそれだけの価値があったこと、店主ガイスの名誉を保ちたかった事、それにレソルザット男爵様へのお悔みの為でした。」

 「そ、それは大変な過ちを犯す所でしたね。それならそうと、最初にこれを話して頂ければ、文句も一つも無かったですのに。」


 「それには失礼致しました。この3つ目の理由の前に私の思う所を聞いて欲しくてこう言いました。」

 「それは確かに理解致しました。この後主人には、私からひゅうご殿の趣旨がどうにか届くように説明致します。」

 「それは大変助かります。」

 「ふふふっ。しかしひゅうご殿は面白いですね。」

 「な、何がですか?」


 「あなたが成し得たことは存外に難儀なこと故、相応の願いを通せる立場だというのに、まるで自身の事は願わず、周りの他人の都合ばかり考える。そこが理解出来ず、面白いと言いました。」

 「へ?」

 「なんじゃその返答は。そういうところだ。ひゅうごよ。その周りが理解出来んという所を理解しろ、と言うてるのだ。」


 「ムンハルド卿、この者は何者ですか?まさかあの冒険者に連なる者とか?」

 「いいえ、レソルザット夫人様、ひゅうごは本当にただのバルカの迷子です。」

 「はぁ。」

 「えぇ、それは門の真実の部屋でも証明されております。」

 「そうですか。」


 「はい。それに私の方でも確認致しました。が、ただ、なんと言いましょう、そ、その、ただのバルカの迷子ではない、と言いましょうか、いや、バルカの迷子すら初めて会ったのでどう言って良いか、私の個人的な感覚を、独り言として聞き流して貰えますか?」

 「えぇ、構わないわ。」


 「この後男爵邸に着きましたら、私の知る事実の部分は本人の許す限り説明は致しますが、私自身は、この者が神の御使い、若しくは精霊の代理人、そう思っております。」

 「えっ!?神の御使いか精霊の代理人??」

 「はい、これは独り言です。あくまでも。でも私にはそういう感じです。」

 「そ、そうなのですね。そ、それならこの先は問いません。」


 「そうしていただければ助かります。」

 「は、はい。」


 いやいやいやいや、神の御使いさんにそれは失礼だよ。俺はその御使い様に色々助けて貰ってるしね。

 いや、そもそも精霊の代理人ってのもどうなの、そんなの居るの、そんな訳ないよ。

 俺は確かに妖精王様の不詳の弟子ではあるけど、それだけだ。

 皆が黒魔虎様と呼んでいる者と友達なのには鼻高くしてたけどね。

 ちょっと転生した際にチートを貰っちゃったからおかしくなっちゃってるのかも。


 確かに落ち着いて考えてみると良く分かる。

 俺はチート能力によってこの国の平均を遥かに超えているのだと。

 しかし、前世の記憶が殆どである自分が、これで安心だと思えるかといえばそうではない。

 今までだって、絶対死なない、と、そう言われたから、そう聞いたからとそうそうべらぼうに命の危険をさらけ出してきた訳でもない。

 それでもそれ相応に命を懸けて来たからここまでこられたのは紛れもない。


 今ここで、この街で、この状況から、普通に冒険者として生活をしようと思えば、それは確かにチートのお陰で、何も苦労せず生きていけるだろうと確信できる。


 しかし今は、この能力によってこの国に、今までに無い新たな恐怖がやって来ることが確定しているのだ。

 一難去ってまた一難。更に大きな災害が起こる可能性の方が高いのだ。

 それはしかも恐らく自分と同じ境遇の者の手で。


 それはかなりの難敵になるだろう。

 想像も出来ない。

 

 自分より数年、もしくは数十年前からこの世界に居て、俺には想像出来ない方法で街を襲わせた。

 その事実だけは本物だ。

 そう思考を巡らせていると、馬車はレソルザット男爵邸に着いた。


 屋敷の外に出迎えた男爵やその家族その従者達が、到着するやいなや馬車を囲む。

 それ程までに二人の帰還が喜ばしかったのが見て取れる。

 嘆き悲しんでいた心に、生存の歓喜の喜びが溢れている。


 一通り皆が感情を吐露した所でギルマス、ムンハルドが周りに告げる。

 「大変に喜ばしい事は解りますが、これまでの経緯の把握と今後の対策も大事に御座います。ここで一旦落ち着き頂けますようお願い申し上げます。」


 この言葉で周りが一瞬で静まり返る。が、

 「そうではあるが、屋敷に案内する前に一言だけ申し上げたい。」

 と、レソルザット男爵。


 そのまま男爵が俺の正面に来て立つ。

 「其方がひゅうご殿ですな。」

 「は、はい。」


 「私はこの地で男爵を務めているヴィーリル・レソルザットと申します。」

 「わ、私はしがない冒険者のひゅうごといいます。そ、そんな私に対して畏まらないでください。」


 「いいえ、そういう訳にはいきません。」

 「え?」

 俺は貴族の頭首様が、こんないち一般の冒険者にその態度を崩さない姿に思わず声が漏れる。


 「此度は息子の為に注文した剣を、その息子が亡くなったからと中々引き取れなんだ所を、ほぼ正規の額で買われたと武具店主から前金の返金があり、その者に儂からも礼が言いたいから引き合わせて欲しいと願い伝えてあったのだ。」

 「そうだったんですね。」


 「だが、その時聞いたその者の名が、今度はゴブリン討伐戦の最中に、実は生存していたその息子と妻を救出してくれたと聞いた。」

 「は、はあ。」


 レソルザット男爵は突然俺の目の前で頭を深々と下げ。

 「貴殿には返しようの無い程の恩が出来た。この家を取り潰すようなこと以外であれば、何でも望むものを差し出そう。本当にありがとう。」

 「そこまでして頂かなくても私は結構です。」


 「いや、それ程に私は貴殿に礼がしたい。貴殿が望めば家督を息子に譲り,

私が貴殿に付き従うことも厭わない。」

 「な、なんと。」

 「まぁ、あなた。そこまで。」


 「いやいや、男爵、ここでその様な話は。ひとまず落ち着いて下さいませ。」

 と、俺はとにかくこの場を納める。


 「そう言われるのでしたら。」

 男爵はその場で後ろに付き従う従者達の方を向き、言う。


 「皆様を我が家の客間へと案内してくれ。」

 「はっ。」

 レソルザット男爵の言葉に、執事長みたいな方が周りの執事やメイドに指示をし、それを受けたその従者たちがこちらの面々を個別に対応して屋敷の中へと案内していく。


 全員が客間のそれぞれの席に案内され、腰掛け落ち着いた時、誰がこの場で最初に口を切るのかという雰囲気の中、最初に言葉を発したのはまさかのヴィルテスだった。


 「父上!先程ひゅうご殿に父上が私の為に作らせた剣を振らせて貰いました。」

 「そ、そうだったのか。それはかたじけないことをひゅうご殿。」

 「いえいえ、そんな。私事もありますので。」

 「そうなのですね。してヴィルよ、それがどうした。」


 「はい。あの剣を振り、ひゅうご殿の助けもあり、父上が私にとても沢山の愛情と期待と信頼を与えてくれたことを知り得ました。」

 「なんと。」


 「父上、誠にここまで私を育てて頂き、感謝致します。」

 「それに、この言葉を父上に伝えられる機会を得られたひゅうご殿には、最上の感謝を致します。」

 「うむ。」


 「それで父上、そのひゅうご殿からの提案もあり、ひゅうご殿から師事を頂く許可をください。」

 「ほぉ。」


 「母上には了承済みです。それにひゅうご殿に、私を含めた彼のメンバーの育成に関わる提案があるそうで、聞いて頂きたいのです。」

 「そうか。」

 「それには私から話しますわ。」

 と夫人。


 「ひゅうご殿はヴィルに師事することで、パーティーメンバーのヴィルに年近い男の子の指導に充てたいと。」

 「ほほぉ、そこには貸し借りは無いと。」


 「えぇ、命の恩人という立場からその様な申し出、その先が何かを貴方様から聞き出して頂きたく思うのです。」

 「ほぉ。」


 「ひゅうご殿には返しきれない恩をお売りになられておいて、対等な用件だけ出されておきながら、その先の要望を推し量れ、と申しておられるのかな。」

 急に家族の会話が、重大な内容を自分に向けられたと認識した自分には、どう対処していいか分からず。


 「え、あ、と、その様な思惑など全くございません。」

 慌てふためく自分に、落ち着いた言葉でレソルザット男爵が付け加える。


 「それでひゅうご殿は、息子を師事すること以外にお望みがあるのでしょう?」

 「は、はい。いくつかございます。」


 「それはなんでしょう。」

 「はい。先ずは私が購入した剣はこのまま私に権利を頂きたい。」

 「それは勿論です。あの剣が仕上がったと聞いたのに、後金を支払えないまま過ごしてた矢先、妻と息子を亡くしたその悔やみを、前金の返却と花を持って工房主のガイスが訪ねて来たのだ。まさかそんな配慮がなされるとは、とても感じ入った次第だ。それを今更自分が頼んだ物だと主張するなど、恥に等しい。」

 「それなら良かったです。」


 「して、これはガイスが前金の返却をされた時点で決めてたこと故、要望とはいえぬ。その他には?」

 「あ、はい。ここまででも私にとっては十分でしたけど、もし可能であればというものがございます。」


 「是非お聞きしたい。」

 「はい。ヴィルテス様を師事させて頂くうえで、領都の道場に私のパーティーメンバーのハーデンを一緒に通わせたいのです。」


 「ほほぉ。それは?」

 「はい。私の剣術は師匠は居りますが殆ど我流でして、ヴィルテス様に師事する上で、その基礎の部分である道場での教えを、ハーデンを通して実態を、私がその道中護衛として同行することで見学することを道場長様にご同意願いたいのです。」


 「それはひゅうご殿がヴィルが領都に向かう際に一緒に護衛して頂けるということでしょうか?」

 「はい。そうして頂ければ助かります。あ、ただ、道場の費用が余りにも私には支払われることが難しいのであれば、この話は無かったことに。」


 「いや、これは私、レソルザット家の頭首として、どのようにしてひゅうご殿にこの礼をお返しするか、という話。私が道場主様にハーデン君の入門許可を願い入り、その月の支払いと通う道中の護衛費を支払うことで、今回のお礼とさせてください。」


 「そ、そんな、そこまでは望んでいません。」

 「いや、ひゅうごよ。今回のお前の功績はレソルザット男爵家としては、その位が妥当だぞ。」

 と、ギルマス。


 「その道場とはシュツルタウト道場であるな?」

 「は、はい。そうです。ジーゼルシュタック様。」


 「それならひゅうごの連れの者の道場への入門許可は、私から祖父君に取り付きます。其方はその者の月の支払いと領都までの護衛費を支払う事で、今回の礼とするということ。それで良いな?」

 「はい。」


 な、なんでそうなるの!?と、一人焦ってる中、それと同時にみつかいさんの「ピン」によってこれがこの世界のお貴族様のやり取りだと分かる。


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