第4話 ミンクーと現実世界
ちいはベッドの上にいた。またあっちの世界にいた。夢なの?なんだろう?しばらくすると、
ポケットがもぞもぞする。ブワッとミンクーが飛び跳ねた。
「うわぁ」ちいはびっくりしたが、すぐ嬉しくなった。夢じゃない。夢じゃなかったのだ。
ミンクーは部屋中、飛び回った。パニックになっている。本棚や置物をバンバンぶつかり、床におとした。
部屋はめちゃくちゃになった。下の部屋にいるママはドタバタうるさい音に苛立った。
「ちい、うるさいわよ!何しているの?」ママの声がした。ママが近づいてくる。
「ママに見られたらたいへん」ちいはミンクーを隠れさせようとする。暴れるミンクー。
ちいは掛け布団をバサッとミンクーにかぶせた。ミンクーは布団にくるまった。
ママが扉を開けた。ママは部屋がぐちゃぐちゃだったので、びっくりした。
「なにこれ?一体何が起きたの?」
「あ、あのね。窓からハチが入ってきて、追い出そうとして、ぐちゃぐちゃになったの」ちいは必死にうそをついた。
その時、ピンポンと音がした。来客だった。ママは慌てて玄関に向かった。ちいはとりあえず、ほっとした
ミンクーが苦しそうに布団から出てきた。
「そうだわ。またわたしが寝れば、あの世界に行けるわ。寝ましょう。はい、ポケットに入って」
ちいはミンクーをポケットに入れた。しかし、
「う~ん。眠くないなぁ」ちいがもぞもぞしていると、ママがまたやってきた。ぐちゃぐちゃな部屋にちいが寝ている。
ママは怒った。
「ちい、片付けなさい。それに昼間からそんなに寝ないの!」ちいは困ってしまった。
お城ではコングと魔女の気まずい空気がただよっていた。