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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の苦心(決心)

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91/99

#1



「文化祭って何で二日間しかないのかな。もう一週間ぐらいやってもいいよなぁ」


雨が降りそうな曇り空を窓から見上げる。この空模様はまさに自分の心を表している。夕夏は密かに思った。高校最後の文化祭は、先週終わった。何も問題なく、本当に綺麗な思い出として幕を閉じた。

楽しかった……から、まだその余韻に浸っている真弘の気持ちもよく分かる。


「そうだな。さすがに一週間は長いけど、後一ヶ月はやっても良かった」

「何で期間伸びてんだよ! 流れおかしいぞ!」


真弘は青い顔で振り返った。さらに心配そうに近寄って、俺の額に手を当ててきた。

「大丈夫か、夕夏。お前がそんな馬鹿みたいな間違いするなんて、熱でもあんじゃないか?」

「……」

「いや、熱じゃないな。須賀君と付き合ってからのお前はとにかく変。浮かれてるとも違うけど、何かなぁ。ボーッとしてる」

パッと手を離し、彼は大袈裟なため息をつく。


「今さらだけど、お前らどこまでいったの?」

「どこって? どこも行ってないよ。あ、そういえばどこにも行ってない。まだまともにデートしたことなかった」

「あーっ、俺が言ってんのはそういうことじゃなくてぇ……お前ら、キス以上のことはシた?」


キス以上。意味を理解し、想像するまでに数秒かかった。どう返していいのか分からずに俯くと、真弘は再びため息混じりに肩を竦めた。

「まだみたいだな。しょうがないか、恋愛引っ込み思案と鈍感転校生のコンビじゃ」

「何だよ。早けりゃ良いってもんじゃないだろ!」

「そりゃそうだけど、マンネリになんないよう頑張れよ」

目の前に人差し指が迫る。真弘は切れ長の眼をさらに鋭くして、俺のことを指さした。


「お前が平気って思ってても、向こうは分かんないぞ。気を遣って、我慢してる可能性もある」

「我慢って、まさか……と、智紀が欲求不満ってことか?」

「無きにしも非ず。皆が皆お前みたいに、健全なお付き合いをしたいとは限らないだろ」


確実に馬鹿にされてるけど、一理あるため言い返せない。そもそも智紀は俺を気遣って、キス以上のことはしてこない。今の関係が発展しない理由はそれだ。

原因は智紀じゃなく俺にある。彼に我慢させていたのかもしれない────。


「……って、冗談はともかく良い機会じゃん。デートぐらいして来いよ」




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