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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の快美

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76/99

#1



放課後の学園内は賑わっている。普段ならせいぜい数人の生徒が雑談をしてるだけの教室も、ここ数日は半数以上の生徒が暗くなるまで残っている。

一年に一回の大イベント、文化祭が近いからだ。どのクラスでも展示物や出店の準備に取り掛かっている。

それはもちろん、自分達のクラスも例外じゃない。


「文化祭、楽しみだなぁ! 俺らはただの喫茶店だけど、逆に良かったかもな。休憩いっぱい取れるから他のクラスを見て回れるし!」


放課後の教室で、智紀は指を鳴らした。必要な物品をリストに上げながら、隣に立っている夕夏に笑いかける。


「喫茶店って言えば聞こえはいいけど、ただの休憩所だよ。ベンチ用意して、適当にペットボトルを渡せばそれで良いんだ」

「文化的要素一切ないな……もうちょっとテンション上げろよ、夕夏。お前のモチベの低さは周りに悪影響を与えるぞ」


キスをしようが何をしようが、相変わらずのやり取りだ。周りにクラスメイトがわんさか居れば尚のこと。

智紀がため息混じりに諭すと、夕夏は両手を叩いてドアの方へ向かった。


「そういえば用事思い出した。生徒会室に行ってくる」

「……大丈夫か?」


生徒会室と聞いて、智紀の顔がわずかに強ばる。

夕夏はそれに気付いたものの、あえて触れずに軽く手を振った。

「仕事だよ、仕事。クラスの方をサボろうとしてるわけじゃないから。……すぐ戻る」

そう言うと彼の表情が和らいだ為、こっちも安心して廊下へ出る。夕夏は狭い歩幅で生徒会室へ向かった。ドアを開けると、ソファに寝っ転がっている少年がひとり。


「……お。おつかれ、夕夏」


真弘だ。プリントを高い位置に翳しながら読んでいる。ドアを閉めて奥へ進むと、彼はゆったりとした動作で上体を起こした。

「夕夏。文化祭の開会式のプロモーションビデオどうなってる? 綿貫が主演なんだろ?」

「あぁ、先生達をもっと知ってもらおうってスタンスのインタビュー映像な。順調に進んでるよ。綿貫が失礼な質問ばっかりしてどやされてる」

「えぇ……?」

真弘は苦い顔で持っていたプリントをテーブルに置く。しかしその反対に座った夕夏は、脚を組んで彼を睨んだ。間に流れる空気も冷ややかな色に変わる。


「それは何とでもなるよ。それより、綿貫で思い出した。この前はあいつを使って俺をハメようとしたみたいだな?」




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