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1話 幼少期1

 どうぞよろしくお願いします。

 2話もですが、シリアス成分が含まれておりますので、苦手な方は読み飛ばし可です。


 こんにちは。

 時刻は深夜3時過ぎ。下半身の不快感により目が覚めました。

 自分ではどうすることもできないので、大きな声で人を呼びます。でも深夜だから、近所迷惑にならない程度にね?


「……はいはい、もう少し我慢してなさい」


 声を聞いてやってきたのは、まだまだ若い20代ほどの女性。眠そうな声ながらもおむつを変えるための準備をして、不快感を取ってくれている。


「あやさなくてもいつか寝るだろうし、このままでいいか。……ふぁぁ」


 そういって離れていく。


 はい。お気づきかと思いますが、ただいま乳児となっております。はいそこ、介護されてるご老人ではないやい。


 え、わかってた? それならよろしい。


 いつからこうなってたかは分からないし、言ってしまえば自分の名前も分からない。

 ただ分かっているのは、先ほどの女性がたぶん母親であり、自分が過去……前世の記憶を持っているということ。

 前世と言っても、自分や周囲の人間の名前を全く思い出すことができないけども。

 ただそれが前世の記憶だと分かるのは、今の状態じゃ知ることのできない知識と、前世で死んだときの記憶が残っているから。


 そう、何を隠そう一度死んでいるのである。たしか18とかそこいらで。

 死因? 自殺である。トラックに轢かれていれば異世界に行けていたかもしれないね。ただ自殺である。転生ものの小説はかじったことはあるが、まさかそれが本当に起こるとは……人生は小説よりも奇なり、とはよくいったものである。

 あれ、なんか難しい言葉使ってかっこいいと思った? あ、思ってない? そうですか。


 あ、そういえばなんで独り言が多いのかと言うと。単純に寝れないからである。普通なら親が抱っこしてゆーらゆーらしてくれるんだろうけど、この体になってから誰かに抱っこしてもらったことはほとんどない。

 というか、おむつ変えとミルクあげ以外は親との接触すらない。母親は見たことあるけど、父親らしき人を見たことがないのと関係があるのかもしれない。


 なんか重そうな空気になりそう? まぁ、そんなこんなで暇すぎるから、IF……イマジナリーフレンドみたいなものでも作って話そうかな、と。

 はいそこ、可哀想な目で見ない。赤子だから自然に寝れると思っていたけど、全く眠れないのだからしょうがないじゃん。転生してから1週間は経ったけど、今までも寝るというよりは限界に達するというようなものなんだから。


 とまぁ、そういう訳だから、イマジナリーフレンド君……長いからレン君、今後ともよろしく頼むよ。


 それでだね。考えたんだよ、せっかく転生したんだから、そのアドバンテージを十全に活かそうじゃないかって。天才かな?

 うんうん、レン君もそう思うよね。

 とりあえず、今できること……体をじたばたさせることと声を出すことかな? いいね、将スポーツ選手になったり、来声の仕事で食べていくのとか。

 そうと決まれば早速実行! 声を出し……たらまた母親が起きるかもしれないかな。じゃあじたばた……も今寝てるベッドがギシギシいって起きてきちゃうかな。


 むむむ、困ったよレン君。できることがないよ!


 ……ん? なるほどね。肺活量を上げるべき、かぁ。深呼吸とか息止めたりすればいいのかな? なるほどね。

 でも、息を止めるとかまだできないよ? なにせ赤ちゃんなんだからさ。え? 何事もやろうとすることが大切?

 ……たしかにそうだね。よっし、やってみよう! 


「ーーん!…………っぷぁ」


 なんかちょっとだけ息苦しくなったようななってないような? まぁ、なにもせずに独り言が呟いてるよりは良いのかな。昼は声を出してじたばたして、夜はこれをしようか。なにもしないでいるよりは暇じゃないだろうしね。



――――――――――――――――――



 よし! 60秒は持った! 体感だけど!

 すごいなぁ、するって決めてから3ヵ月は経ったけど、本当に成果が出るなんて思わなかった。


 あ、どうもこんにちは。ななしのごんべーです。未だに母親から名前で呼ばれたことがないから名前も分からずじまいですね。本当なら、小さい頃から名前を呼んだりして自分の名前を認識させたり、話したりしていろんなことを学ばせる必要があるはずなんだけどね……いやまぁ、これも前世で読んだ本の知識であって、自分で体験したことではないんですけどね。

 はいそこ、独身とか言わない。18は行き遅れてない……はず。周りの子は……うん。子どもだからわかんない!


 あぁ、それと、母親の職業がわかった。看護師らしい。前に、看護師免許が取れた、みたいなことを一人で喋っていた……たぶんあれは電話かな。

 それ以来、母親が家にいることがかなーり少なくなった。大体3.4時間いなくなって、戻ってきてミルクとおむつ交換。それが終わるとまたすぐにどこかへ……という感じだ。

 たぶん仕事なんだろうなぁ。長めの休憩時間のときに家に戻ってきているっぽい。


 それ以外は前と変わらずで抱っこがなければお喋りもない。まぁ、いない時間を使って色々とできるわけだけども。


 毎日のようにじたばたしたり声を出したりしていたからなのか、遺伝なのか。少しだけ体が動かしやすくなってきた気がする。なんと寝返りもできるのだ! すごいぞ! さすが! 天才!

 手の指はまだ感覚が鈍いけど、それなりに動かすことができる。なので疲れるまでグーパーして休んで、というのを繰り返している。


 ふふふっ……これぞ前世持ちのアドバンテージ。今世は楽にいけそう! と思っていると自然とモチベーションも沸いてきて、続けていられる。

 ただ、ひとつ不安なのが栄養だ。ミルク……粉ミルクなので、栄養は調整されているだろう。でも、日光を浴びないと作れない栄養もあると聞いた気がしないでもない。


 転生して今まで、一度も外に出たことがないのだ。大丈夫だろうか? お風呂も入ったことがない。精々体を拭くくらいだ。はいそこ、汚いって言わない。……自分でもそう思うから、傷つく。


 全く、我が母親は大事な子どもをどうしたいのか。あ、父親はいないらしい。一度も見たことがないどころか、その存在の気配すら感じられない。となると、母親一人で育てているわけだ……あまり責められない。


 それに、辛いとは思わないのだ。前世も似たようなものだったし、名前を呼ぶ、喋りかける、寝かしつける、ここら辺はあかちゃんに必要なのであって、中身が18超えの自分には必要ないのだから。そういえばレン君もいたね。ト・モ・ダ・チ。


 まぁ、こうやってほぼ放置するくらいなら保育園とかに預けてくれても……と思いはするけど、そんな余裕もないのだろう。きっと母親は、自分の養育費や将来のための教育費を稼ぐために頑張っているのだから。

 普通なら親族に頼るだろうけど、その親族にも頼れない状況……親族がいないか、仲が悪いかだと思うけど。


 でも、仕方ないものは仕方ない。大人な自分の力で補えば良いのだ。実際、前世の記憶のおかげでなんとかなっているのだし。


 そんな変化があったけど、それ以外は何も変わらないだろう。当面の目標は基礎体力、肺活量の上昇。それとお座りだ。

 そして自分で歩けるようになりたい。お座りはいはい立っちは通過点に過ぎない……自分で歩いて、トイレにいけるようにするのだ! 慣れはしたけど、やっぱりお漏らしはつらい。母親が帰るまでなにもできないから尚更だ。

 あぁ、はやく帰ってこないかな……つらいです。ぐすん。


 あとがきには、読んでも読まなくても本作品に関係のないことを書いていく予定ですので、読み飛ばしてもらっても大丈夫です。


 文章への指摘や改善点などがあれば、教えていただけると助かります。教えていただいたことは今後に活かせるように頑張ります!


 ちなみにレン君は、イマジナリーフ「レン」ドから取っています。

 主人公の性別は女性ですね。一人称視点の書き方を忘れかけていたので、あまり私や僕と言った言葉を使わないようにしています。今後、作品が進んできたらどこかのタイミングで改稿すると思います。


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