23:学校と城②
翌日、来ていた王子たちを見送った後、
着替えやメイクをし直し学校へ戻った。
授業がないよく晴れたその日は、みんな外に遊びに出かけているのだろう、学校は随分と静かだった。
部屋で休もうかと思ったが、外の気温が随分と高く心地よいので、カイに教えてもらった小さな広場に行くことにした。
城に行く前と同じように芝生にごろんとして目を閉じた。
昨日あったこと、思ったことが頭の中をぐるぐると巡る。
思い出すと、王子にキスをされた首元が気持ち悪くなり思わず手で擦ってしまった。
そこに何かがあるわけではないのに。
両手を広げ目を開き空を見上げると、柔らかな日差しが気持ちが良く、麗かな空が広がっていた。
その様子を見ているとなんだか切なくなって涙が目に溢れてきた。
(なんか、駄目だな。ここが好きになればなるほど、城での仕事が嫌になる)
「あれ?お帰り」
その声にはっとして起き上がるとカイが立っていた。
「……なんか、タイミング悪く来たみたいだな」
そう言われて涙が流れていることにリオンは気づいた。
「あ、ごめん、大丈夫」
そう言って溢れた涙を手の甲で拭き取った。
「天気良くて、ここ今日すっごく気持ち良いね」
そうなんてことないように、リオンの隣、少し離れたところに座ったカイに言った。
「そうだな」
静かな時間が、流れた。
足をかかえ、顔を埋めるようにしていればカイからは顔は見えないだろう。
じっとリオンはそうしていた。
「珍しいな、そんな小さくなってるの……嫌なこと、あったんだろ?」
そう聞かれたので、嘘はつけない。
顔を埋めたままコクンと小さく頷く。
「……無理、しすぎないようにな」
その言葉に胸の奥がギュッとなった。
「……いつも通りっちゃ、いつも通りだったんだけどさ。なんか急に、嫌になっちゃって。でもちょっとしたら平気」
そう答えると、そっか、とだけカイは言ってくれた。
「リオン」
少しして名前を呼ばれると、また胸の奥がギュッとした。けれどもそれと同時に何か温かいものに包まれるような感覚があった。
なんだろうと思ってカイの方を向くと、カイは続けた。
「昨日、家からまたクッキー届いたから、食べる?」
その言葉にコクンと頷いた。




