表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/84

17:救いと約束②



呼び止められる前にリオンがいることには気づいていた。

けれど4年の学年長と話をしていたので声をかけるのはなんとなくやめておこうと気づかぬふりをしていたのだ。


何を話しているんだろうか、とふと思った。誰が誰と何を話そうが自分には関係のないことだ。そうカイは思っていた。

けれどもその時だけは思ってしまったのだ。



彼女のことだ。きっと勉強でも教えてもらってるのだろう。

それにリオンとはそもそも生きる世界が違うと思っていたのだ。だから自分には関係のないことだと思いそのまま通り過ぎようとした瞬間に、リオンに呼び止められた。


一緒にいた4年生の学年長の表情はきっとリオンには見えていなかっただろう。

随分と険しい、睨みつけるような明らかに嫌な顔をカイに向けてきた。


何故そんな顔を向けられるのかは全く心当たりがないので自分は何もしてないと言いたくもなったが、リオンの言葉と少し困った表情に何か都合が悪いことでもあったんだろうと理解し、カイは頷きだけ返したのだ。



「既成事実作るために今度の休み、よろしくね」


そうリオンに言われ、やはりリオンはカイに「次のこと」を約束してくる人間なのだなと感じる。当たり前に、遠慮もなくこちらの都合など聞かずに言われるのは案外気楽で悪いものではないと思う。



「あ、魔法植物よりも魔法陣の方が良いかな?あーでも、調薬も捨て難いし、魔法史もやりたいなぁ」


図書室へ向かう途中でリオンは相変わらず喋っている。最初こそその話のテンポについていけなかったが慣れれば割と楽しいもんだ。

その言葉たちは思っていること以外きっと言えないのだろうと感じるような素直なものだからだ。


(生きる世界が違うと思ってたけど、魔術や魔法に関しては気が合うからな)


そう次から次へと横で喋るリオンを見て、カイはまた小さく笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ