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いや違うんです。本当にただの農民なんです  作者: あおのん
第4章 魔人討伐! 〜初心者編〜
59/120

第53話 恥将ディアルガス #2

誤字報告ありがとうございます!!

20190724 密 → 蜜

文章の書き方をところどころ修正(文法レベル)


「ば、ばかもの!!

戦闘中に"武装"を解くバカがどこにいる!!

は、はやく武装を身につけろ!」


「いいえ、できません。

この武装をつけたままではマトモに喋る事もできないので」



まるで衣替えするかのような手軽さで、

その分厚い巨大悪魔の"体"を脱いだ。


すると中から現れたのは、それはまあエロエロな、エロエロ悪魔女の登場である!


勇者から『悪魔の本体は女の悪魔』だと聞いてはいた。

聞いてはいたが、それでも驚きは隠せない。

俺は舐めるようにその女の背格好を観察する。



(やたら露出度が高えなぁ、おい)



分厚い悪魔の体の中は暑いのかもしれない。

そんなことを想像させるほどのクールビズな出で立ち。

胸、尻、太ももは「さぁもっと私を見なさい」と言わんばかりの露出度だった。


エロエロ悪魔の肢体を見つめながら、俺はあの日を夢想する。


子供の頃に行った遊園地。

悪戯心で楽屋裏の方を覗き込ぎこむと、

俺の大好きなキャラクター。くまの着ぐるみプー太郎さんが椅子に座っていた!


プー太郎さん!と話しかけようとした俺だが、

言葉はすんでで止まってしまう。


なんと、くまの着ぐるみの中から

タンクトップの薄手の格好をした巨乳の姉ちゃんが出てきたのだ!


その肌はしっとりと汗で濡れている。

汗で透ける胸元、そして髪を汗で額に貼り付けたまま、

その姉ちゃんは「ふぅ」と艶めかしい声を上げていた。

ウォータードリンクを飲むその口元すらも妖しくエロい!


「あ、ぁぁぁ!」

その妙なエロさが頭に焼き付いて離れない!

その日は寝付けないほどに興奮したのを今でも覚えている……!!!


「ふぅ…」


悪魔女の額にうっすら浮かぶ汗。

悪いが俺はあの日以来の生粋の汗フェチだ。

俺のエロエロセンサーはアラームを鳴らしっぱなしである。

女悪魔は暑そうに手で顔を仰ぐ、その一挙手一投足がエロく見えて仕方ない。



「話を続けなさい」



惚けて見つめていたのもわずかな間。

悪魔女はキッとこちらを睨んだかと思うと、

偉そうに俺に命令してきた!


(このやろう!偉そうに命令するんじゃねえよ!

俺が素直に従うとでも思ったか!)


と、思いはするものの……。


「イエス、マイロード…」


考えとは裏腹に、頭が勝手に下がってしまう。

ししおどしのように腰は自ずとカコンと曲がる。


「イエス、ユアマジェスティ……」


そして気づけば俺は、

深々とお辞儀をしている有様だったのだ!


(はっ…!俺は一体なにを?!)


ハッと我に帰る。

い、いま俺は何をしていた…?

完全に無意識の行動だった。

む、無意識のうちに俺はこの悪魔女に服従したいと思い、

思わず、頭を地面に擦り付けていた…!!


蜜に群がる蜂を止められないのと同じように。

俺の視線をあの乳袋から離すことも叶わない。


ブルンブルン、とはち切れんばかりに揺れる悪魔女の乳袋。

目を離したくても離さない。

俺は完全に、そのパイ乙に魅了されっぱなしであった!!



『はぁ…』


そんな時である。


『君は本当にさぁ…』


突如脳裏に聞こえるその声に、

俺の意識はまたもや「ハッ!」と我に帰された!


『ほんとーーーに、サナ・アルカナに感謝した方がいいと思うよ?』


勇者の声だ!

女の蠱惑的なエロさに夢中だった俺だが、

勇者の腹立たしい声を聞いて、ハッと我に帰る!


(はぁ!?いきなり喋り出したかと思ったら何言ってんだァ?お前。

なんでいきなりサナが出てくるんだよ!死ね!)



『……君って本当にびっくりするくらい魔力のセンスないね。

気づいてる?君の周りにずっと防衛魔法が張られてるの。』



(気づいてねーよ!わけわからんこと言って俺の邪魔しないでくれ!

今おっぱい見るので忙しいんだ俺は!!!)


…と思っていたのもつかの間、

どこかで聞いた指の音が再び頭に響く。


【パチン】


その途端、俺はまるで夢から覚めたような心地に包まれる。

……おや?

目をパチクリさせて、己の胸に手を当てる。


はて。なんだろうこの感じ。

先ほどまでは胸の奥底で燃え上がっていた情念が、

今やすっかり消え去ったのだ。


唐突に訪れる賢者タイム。

まるで今までが嘘かのよう。パッと開くは悟り道。

神か仏か釈迦か修行僧か、

その瞬間にバシンと寺の坊さんに棒で叩かれるがごとく、

頭の中から色欲が消え去った。


「お、おお?」


そのあまりの感情の変化に俺は困惑一色。

確かめるように、悪魔のデカメロンを改めて見つめてみる。


(……うむ。ただの脂肪の塊だな)


先ほどのような燃え上がる情動は湧いてこない。

そうだ、俺はヒンヌー教の民だったのだ。

おっぱいなど脂肪の塊。真に尊きはわずかに浮かぶ胸骨。

貧乳三角ビキニこそ至高。そういう男だった俺は。


パチン、という指の音とともに、

俺は悟りの境地RTA最速タイムを叩き出す。


先ほどまではエロくてエロくて仕方なかった胸や尻も、

今やそれほどエロくは感じなくなっていた。


そんな俺に勇者が心底呆れたように語りかける。

『サナ・アルカナがずーっと

精神魔法で君の精神状態を守ろうと頑張ってくれてたんだよ。』


あらそうなの?


『君、あの子がいなかったら、

魔人にも、あの"サキュバス"にも洗脳されてたからね。』


じゃあもしかして、

今、欲情が綺麗さっぱりなくなってるのはまさか…?


『サナアルカナのおかげだね。

君はさっきまで、サキュバスの催淫効果の虜になっていた。

サナ・アルカナがまさに今、防衛魔法を貼ってくれたおかげで、ようやく状態異常が解けたんだ』



じゃあ、さっきディアルガスと会話してた時に

ピリッとしたのはまさか…。


『それもサナ・アルカナのおかげだね。

あの時の君の体の周りには、それはもう色んな防衛魔法が飛び交ってたよ。』


そして勇者は語り出す。


『僕との会話の内容、完全に忘れてるよね?きみ。』


忘れてます。


『えぐい悪魔の化け物がいたら、大概の場合は中に"サキュバス"が入ってる。

彼女達はナチュラルに魅了魔術使ってくるから

気をつけて、……って前も言ったよね?』



そういや言ってたなぁお前…。完全に忘れてたわ


『とにかく!

サナ・アルカナが守ってくれてるとはいえ、油断してると

あっという間に洗脳されるよ?

絶対に誘惑に負けないように!おっぱい見ちゃダメ!気を引き締めて!』


わーってるよ!もう気をつけるって!

報告ご苦労。そんじゃーな。


プツン、とそこで信号は途絶える。



正常な精神状態に戻った俺は、改めて悪魔女に視線を向けた。


「なんですか?さっきから口をぽかんと開けて

私の体ばかり見て。……いやらしい」


身をよじるように女悪魔は手で自分の体を隠す。


「そんな格好してるお前が悪いんだよ。

無駄な贅肉胸につけやがって。」


スカートを後ろ手で隠しながら

階段を上るミニスカ女子を見るたび思う。

見られたくねーならそんな格好すんじゃねーよ、と。


俺は手のひら返しでその痴女悪魔を貶していく。

ペースが狂わされたがもう大丈夫だ。

ここからは誰にも俺の邪魔をすることは許さない。


「さて、智将ならぬ恥将ディアルガスの過去の過ちについてだったな」


気を取り直して再開する。


「お前らの愛するディアルガス様は

過去に一度、その眼力と権力を悪用して社会から追放されてるんだよ」


そして俺はありのままにその罪状を箇条書きする。


「めんどくさいから並べて一気に言うぞ?


女子更衣室の壁を見通して、着替えを覗くのはもはや当然。

権力を使って城内にお風呂を作らせたかと思えば、

専用の自分の部屋を作って風呂を覗き見する。

自分の目のいくつかを外して道路に埋め込んで下からパンツを覗く。

彼氏のいる部下には特別に自分の目をつけて、四六時中、主に夜の時間帯を覗き見る。

魔王城を高くしようと進言して、階段を増やし覗きスポットを増やす権力濫用。

会社の椅子に自分の目を忍ばせて、部下の尻に自分の目を踏ませる上級プレイ。

女子トイレの便器の中に自分の目を貼り付けて、

何とは言わないが何かを目に浴びせて喜ぶ変態プレイ。」


一呼吸で全て言って、そして最後の一言でまとめる。


「社内の託児所にもコイツの目の一部が見つかった。

守備範囲の広さは一級品の変態だよ、このディアルガス様は」

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