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「じっとなどしていられません。ニコロ様と合流し、捜索に行かないと。助けないと」
「無茶です!」
「いいえ。無茶でもわたしは行きます。同行願えるひとはいますか」
集まった皆を見回すロズリーヌに真っ先に手を挙げる者がいる。
「俺が」
ウィリアムが体を起こす。ロズリーヌは驚いた。
「まさか。あなたは休まないと」
「なにも分からない者が行くよりもいいです。俺が一番役に立ちます。食事もしたし、擦り傷だけで平気です。体力だけが自慢で、ニコロさんにもよく褒められます」
胸を拳でドンと叩く。確かに元気そうではあるけれど。
まわりから止める声もあったが、ウィリアムは聞き入れなかった。
「いますぐ起つと……休まず走って明日の明け方には到着できると思います。テオドール様を、助けないと」
午後で、まだ太陽の位置が高いが数時間すれば日が暮れるだろう。火を灯しながら走らねばなるまい。
「恩があるのは分かります。でも」
「いいえ。奥様、ご一緒します。俺も助けたい」
言っても利かないだろう。ロズリーヌが頷くと、ウィリアムが立ち上がる。すると、俺も、俺もと、次々に手が挙がった。
「フォルチュ領警備兵にもすぐ連絡を。わたしたちは先発でいますぐにサンタンへ向かいます」
ロズリーヌは急いで着替えを済ませると、すぐに馬へ跨った。ウィリアムをはじめ数人の者たちがロズリーヌを囲むように隊列を組んで走り出す。
「辛くなったらおっしゃってください」
「平気です! わたしよりもウィリアムを頼みます」
テオドールに会うまでは、無事を確認するまでは、休んでなどいられない。
蹄の音を重ねるごとにテオドールの無事を祈る。前へ、前へ。
(お願い、無事でいて)
とにかく馬を走らせた。
手綱が手の皮を破っても、血が出ても、かまわず走った。




