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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第二章
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ゲスの極みと乙女ですわ!

※ゲスな輩の登場と、乱暴な描写がございます。

苦手な方は読み飛ばし推奨です。







 ータッタッタッタッタッタッ。


 息が苦しい。どれくらい走ったのかしら。薄暗くて、埃っぽくて、何処を曲がっても同じような場所。古びたレンガは所々ひび割れ、欠けていて、人の気配もない。暗さと静けさが不安を増幅させる。まるで迷路よ。自分がいったい何処にいるのかも分からない。逃げてる筈が、追い詰められてる。


でも・・・でも立ち止まる訳にはいかないわ。逃げないと。


 レオニダスを探して、うっかり路地裏に迷い込んでしまいましたの。うろうろと彷徨っている所を、男二人に声かけられましたわ。見るからに怪しい二人でしたので、丁重にお断りしてその場を離れた筈なのに・・・・男達は、乱暴に私の腕を掴み路地裏の奥へと引き摺り込んだのですわ。隙をみて逃げ出し、今に至るのですけど・・・・。



 落ち着いて。落ち着くのよ。私。捕まらなれけば大丈夫。例え捕まったとしても・・・・幼い頃から体術など嗜んできましたもの。二人くらいどうってことありませんわ。とにかく、慌てず落ち着いて。逃げる事を優先して。この曲がり角を抜ければきっと・・・・


ーっ!



「そんな・・・行き止まり・・・・」


 路地裏なんかに入るべきではありませんでしたわ。このような危険性は予測できた筈なのに。いつもは・・・・いつもはハンスが傍に居てくれたから。危険な目になんて遭わなかった・・・・。ハンスが護ってくれていたから。


ー・・・・だめね。私、こんな風にいつもハンスを頼って。当たり前のように。ハンスが傍にいるのは、ハンスが私を護るのは・・・・それが仕事(・・)だからなのに・・・・。自分で考え、行動した結果なのよ?ちゃんと自分でなんとかしないと・・・・



目の前に立ち塞がる、薄汚れた壁。この道を引き返すしかないの?でも、今引き返したらきっと・・・・




「おい。お嬢ちゃん。なんで逃げるんだー。」

「迷子なんだろ?親切な俺らが送ってやろうって言ってるんだぜ?話も聞かずに逃げ出すこたぁねーだろぉ?」


ーやっぱり。追いつかれてしまいましたわ。私の事をずっと追いかけてきましたのね?狭い道を男二人が塞ぎ、じりじりと近寄ってくる。親切?どの口がおっしゃりますの?そのギラギラと血走った目。口角をあげ弱者を嫐ろうとニヤつく口元。


「結構ですわ。私、友人を探してますの。一人で平気ですから放っておいて頂戴。」


 襲われた時の対処法は頭の中にある。大丈夫。大丈夫。掴まれたら、その腕を捻りあげ、膝を蹴る。可能であれば、急所を狙う。倒す事じゃない。逃げる隙を作る。大丈夫。私、強いのですわ。怖くありません。



「くくく。威勢がいーねー。お嬢ちゃんは」

「いいとこのお嬢様ってやつだな。この状況がわかってねーみたいだ。」

「拐かして、どっかに売っぱらっちまうのもいーかと思ってたが・・・・この気の強そうな顔を、ぐちゃぐちゃにして泣かすのもそそられるな。」


ーっ。

下衆ね。こんな下衆な輩に、指一本だって触れさせませんわ!


「おら。大人しくしてたら優しくしてやるからよ。こっちにきな」


グッ。腕を掴まれ引き寄せられる・・・・


「お離しなさい!」


ーガッ!!!


「ってぇ!!!」


男の脛目掛けて蹴りを!よし!うまくいきましたわ!私の華麗な足捌きに、ゲス夫も、地面に平伏し悶絶していますわ。実践は初めてでしたけど、流石私!流れるような動作で一人目を撃破ですわ!オーッホッホッホッホッホ!



「調子にのってんじゃねーぞ。お嬢ちゃん。俺らが大人の男だって分かってるか?そんなか弱い足や腕で抵抗したところで、酷い目に合うだけだぜ?」


そう言って、ゲス夫Bが懐から何かを取り出しましたわ。



ーギラりと鈍く光るソレ。


ナイフ?



嘘でしょう?か弱い婦女子相手にナイフで脅すだなんて。


「ー卑劣ね。女、子ども相手にそんなモノ持ちだして・・・・恥ずかしくないの?」


どうすべき?対処法はわかりますわ。頭にありますもの。軌道は、殴るそれと一緒ですわ。目で見て交わして、反撃する。それだけの事・・・・。



でも。


「言葉は威勢がいいが。怖いんだろ?いい所のお嬢ちゃん?」



ニヤニヤと笑い、距離を詰めてくる男。じりじりと後退する私にねちっこい視線を投げてくる。下から上へと・・・・舐めるように。


不快。不快ですわ。気持ち悪い。


「ほら、その綺麗な肌に傷を残したくなかったら言う事ききな。」


掴まれた腕から、ぞわりと虫が這うような気持ち悪さが。だめよ。毅然となさい。大丈夫。なんとかなる。なんとかしなきゃ。


「へへへ。可愛いなーお嬢ちゃん。怯えちゃって」

「・・怯えてなんていませんわ。貴方達に嫌悪してるだけですわ。」


「その虚勢。いつまで持つんだろなー?」



肩を掴まれ、痛みが走る。地面へと押され、男が上に伸し掛る。


「さぁ。お楽しみといこうか?お嬢ちゃん。」









読んで下さり本当にありがとうございます。

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