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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第二章
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イケメンとヒロインと私と

「何?コイツら」


愛らしいフィロスの口から、刺々しい言葉が吐かれますわ。


ー貴女、仮にもヒロインですのに攻略対象(イケメン)への態度でそれで宜しいの?


「俺様は、ヴィクトリアの婚約者だ」


噴水の傍に座り込む私達を、グレイ様とオズワルド皇子が見下ろしますわ。


「婚約者では、ありませんわ」


どさくさに紛れて、何を仰ってまして?


「うん、候補でしかないからね。残念だねオズ」

「煩い。いずれ俺様の嫁になるからいいんだ」


良くありませんわ。私、貴方の嫁になんてなりませんわ。


 なるとしたら、こちらにいるフィロスの方でしてよ?

何をとち狂った事を仰ってるのかしら?相変わらずオズワルド皇子は、私を屈服したいと執念を燃やしていらっしゃるのね・・・・。その情熱を別に向ければいいのに、本当に残念な方。


ーあら!?これってヒロインと攻略対象のイベントですわね!?


私ったら、うっかりその現場に立ち会ってしまっていますわ!!


あぁ。ヒロインは一体どちらに恋をするのかしら。グレイ様もオズワルド皇子もヒロインの愛らしい姿に一目惚れを・・・・。


一目惚れ・・・・を?


「聴こえなかったか?そこの女。ヴィクトリアは、俺様の婚約者(候補)だ。あまりベタベタと触れるな。燃やすぞ」


「そうだね。いくら女同士といっても・・・・僕もキミがヴィクトリアにベタベタするのは、正直不快だな。離れてくれる?フィロス・インカ?」


険しい顔で、フィロスを睨みつけるオズワルド皇子。


そして、冷やかな視線でフィロスを刺すグレイ様。

いつもの貼り付けた笑顔を、また何処かに落っことしていらっしゃるわ。


「何?コイツら。ヴィーちゃんの知り合い?」


唸るような声で、フィロスが二人を睨み付けましたわ・・・・

バチバチと火花が散って・・・・


「うわっ!?急に冷気が!!」

「熱っ!熱風!?なんで!!」

「眩しい!目がっ目がァ!!」


てっ天変地異!?

嫌ですわ!私達の周りで冷気と熱風と閃光が渦を巻いていますわよ!?

他の生徒達も巻き込んで、大事になっていますわ!?


えっ?乙女ゲームのヒロインと攻略対象のご対面ってこれが通常ですの???


過剰演出すぎませんこと!?

とんだ、世紀末なんちゃらな絵面ですわ!


「ちょっと!貴方達!魔力がダダ漏れしてましてよ!」


これだから思春期は!!なんですの!

運命の出会いで、お互い興奮でもしてらして!?


興奮するのは勝手ですけれども、それに私を巻き込まないで頂戴!


このままでは、ここら一帯が乙女ゲーム演出被害で悲惨な事になってしまいますわ!!

ここは、私がなんとかしなければ!



「貴方達!!いい加減になさって!これで頭を冷やしなさい!」


ありったけの魔力を込めて、水魔法を展開しますわ。

水でも被って、頭を冷やせばきっと冷静に!!ええ!冷水で冷静に大作戦☆ですわ!!


ーバッシャーン!!!


「うわっ!」

「ひゃっ!」

「冷たっ・・・・」

「きゃあっ!?」


あー忘れてましたわ。私も傍にいたんだった。

冷たい・・・・。


また、びしょ濡れですわ・・・・ぶるるつ



「ヴィクトリア・・・・この方法はあまり関心しないな。頭からじゃなく、顔を狙うだけでも良かったんじゃない?何も君まで濡れなくても・・・・」


顔を顰めながら、グレイ様が私に上着を掛けますわ。


「上着?なぜ?」

「いいから着て。まったく、この場を収める為といえ・・・・君の考え無しの行動には呆れるよ」


ヤレヤレとため息を付き、濡れた髪をかき揚げますわ。

くっ!水も滴るいい男って奴ですの!?


いちいち行動が嫌味ですわ!このドS美人!

私だって、濡れて滴るいい女ですのよ!



「酷いよー。ヴィーちゃん。私はローブを着てるからまだいいけど・・・・」


同じく濡れたフィロスが、困った顔でこちらを見ますわ。

貴女、顔が真っ赤よ。鼻から血もでていますわ。ヒロインの癖に鼻血流してどうしますの!女の子なのよ?貴女。


「もう。フィロス・・・・ほらじっとなさい。鼻から血がでてましてよ」

「それは、ヴィーちゃんが」


ハンカチでフィロスの鼻を押さえますわ。

世話の焼けるヒロインですわね。


それにしても・・・・何故私の胸元を凝視しますの?



って、ああ!

また(・・)濡れて制服が透け透けですわー!?



「・・・・ヴィ…ヴィクトリア…おまっ…おまえ!?」

「あーオズ。落ち着いて?頼むからこれ以上興奮しない。」

「こっ…興奮!?おっ俺様がこいつのこの(・・)姿で…こっココココこここ」


「頼むから、落・ち・着・い・て」


「煩い!興奮などしていない!!!」


ーぼフッ!!!

叫ぶと同時に火の手があがる



「うわっ!オズ!鎮火!鎮火させてヴィクトリア!!水魔法をオズに!!」



・・・・その日

オズワルド皇子が発火した事は、ちょっとした騒動になりましたわ。




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