表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
番外編【 キスの日】
PR
102/107

此処にキスしたい

本日3話更新してます。

前話の続きになります。

息抜き代わりに、気軽な感じで読んで下さいませませ。





◆◆◆


「キス・・・・」


 BMRの部室で、魔道具の修繕をしていた手を止め・・・・ふと昨日の女子会を思い出す。キスの場所だなんて、意識した事がありませんでしたわ。昨日は唇にして欲しいだなんて言ったけれど・・・・他の場所にもされてみたい。ハンスにたくさんキスされたい。ああ、私ったらはしたない。頭の中は、キスの事ばかり。


 妄想で体が火照ってきますわ! だめよヴィクトリア! クールダウン! ソークール! 汗で濡れたらそれこそアウトですわ!


 そう思うものの、目は対面に座るハンスの唇を追ってしまう。緩く弧を描く口元。薄く形の良いソレ。ハンスは一体どんなキスをするのかしら。フレンチ? ディープ? 甘いの?それとも苦いの?


そういえばハンスの・・・・


「キスしたい場所って・・・・どこなのかしら・・・・」


「ん?どうしたの?ヴィクトリア」


 右横に座っているグレイ様が不思議そうな顔をして、私の方を覗き込んできましたわ。しまった! 隣に悪魔が居たのをすっかり忘れていましたわ! 今の言葉・・・・聞こえてませんわよね?ね? 大丈夫よね?


「・・・・なんでもありませんわ。おほほほほほほ。さぁ~修繕修繕~。魔道具解体って面白いですわねー。うふふふふふふ」


 いけないいけない。キスだなんてはしたない事を考えていただなんて・・・・腹黒にバレたら、何を言われるかわかったもんじゃありませんわ。反応ないからセーフよね? 悪魔だからって地獄耳な訳ではありませんのね。あー良かった。


「ふーん。キスの場所なんか気にしてるから、誰かにキスでもされたのかと思ったけど・・・・。というか、修繕しなきゃいけないのに、解体してどうするの? それ。スクラップは頼まれてないよ? 」


「動揺しすぎ」


ーくっ! やはり聞こえてましたのね! しかも、くすくすと底意地の悪い笑顔を浮かべてますわ! 何か思い付いたのね!全ヴィクトリアに告ぐ! 配置につけ! これより対グレイ(悪魔)陣形をとる! 悪魔の奇襲に備えよ! さぁ! 悪魔! 心構えはばっちりですわ! ばっちこーいですわー!



「そんなに興味あるの?キスに」


「別にありませんわ! 昨日、フィロス達とそんな話をしたのを思い出しただけですわ! 」


「ふーん。でも、目はハンスの唇に釘付けだよね? 」


 がフッ!


 ば・・・・バレてる・・・・。


「何処にされたいとか・・・・妄想でもしてたの? ・・・・やーらしぃ。」


「ひゃうっ!! 」


 唐突に耳元で囁いてきましたわ!! なっ・・・・ななな何をなさるの!? このドSセクハラ!! し・・・・心臓が抉られる!! この悪魔・・・・的確に心臓を止めにきていますわ!



「ちなみに僕がしたい場所は、手首かな。あっ・・・・ヴィクトリアには耳を攻めたい」


「はい!? 」


 にこにこと、何を仰ってるの? このセクハラ悪魔は!



「だって君、此処弱いでしょ。反応良すぎてすごく愉しい」


「はあぁあ!? 」


 私の知らない私の弱点を悪魔に把握されてますわ!! ヒィィ! 無理無理無理! 全員退避! ヴィクトリア緊急避難よ!! あっ丁度よい所にレオニダス(生贄)が!!


「レオニダス! 貴方ちょっとこちらにいらっしゃい! 」


「ん? お嬢どーした? 俺、これから壊した壁の修繕に行かなくちゃ・・・・「いーからきなさい! 」・・・・はい! 」


 レオニダスは、慌てて私の方へと駆け寄ってきますわ。よーしよしよし! いい子ね! 賢いですわ!


「レオニダス、私が修繕に行くから貴方は此処でグレイ様と一緒に・・・・」

「壁の修繕は、オズがルビアナ嬢とインカ嬢と行ったから大丈夫だよ。レオニダスは、魔道具の修繕を手伝ってくれるかな? 」


 にっこり笑い、レオニダスを私の左横に座らせるグレイ様。


 ジーザス! 身代わり作戦が失敗しましたわ! 新たにレオニダスという不発弾を抱えてしまいましたわ!! お馬鹿わんこに魔道具の修繕って・・・何を考えてますの!? グレイ様!! 危険よ! 物理的な危険が伴いますわよ!?



◆◆◆


「キスの場所?んなもん聞いてどーすんだよ」


 何故か部室で、何処にキスをしたいか・・・・そんな話になっていますわ。うう。なんだか居心地が凄まじく悪い。メンバーが私以外、男性というのが精神的にきますわね。ルビアナとフィロス・・・・早く戻ってきて! 私・・・・針のアルマジロですわ!


「手の甲にでもしときゃいーか? 」


 グレイ様の質問に、面倒くさそうに答えるレオニダス。貴方、こういった話題は、興味がないのね。あら? でも好きな方がいるって仰ってたわよね?


「手の甲? 」

「騎士がするなら、そこだろ」


「好きな相手の場合でも? 」


グレイ様が、尋ねる。私も同じように思いましたわ。


「あ? 好きな奴にか? するなら口だろ? それ以外何処にすんだよ」


 その言葉に、グレイ様はふふふと笑いましたわ。悪魔の微笑・・・・貴方・・・・レオニダスに何を吹き込む気?


「そこだけじゃないよ。キスする場所は・・・・ねぇ。ハンス? 」


対面で作業をしていたハンスは、悪魔の呼びかけに一瞬顔を顰め口を開く。


「あーそーだな。恋人同士なら、色んな場所にするんじゃないか? 」


「そうなのか? 例えば? 」




「頬や額・・・・」




「ハンス。親兄弟でもする奴だろ。それ」


レオニダスは、ハンスの答えにつまらなそうな顔をし呟く。ええ。それは恋人同士じゃなくてもする場所よ。


「大体・・・・場所なんて何処でもいーだろ」


 そう呟いたレオニダス。一瞬、その顔に陰が差したような・・・・。


「できるならそれで。する相手がいるならそれで。何処にするとか・・・・そんなのする相手がいなけりゃ、考えたって仕方ねーよ」


 投げやりな態度ですわね。確かに、好きな方とできるなら・・・・それで十分ですけれど・・・・相手の此処にしたい。とかないのかしら?それに先程から酷くイラついてるようですわ。レオニダスらしくない。



「ハンスはどうなんだよ。好きな奴(・・・・)の何処に、キスするんだ? 」


 不機嫌な声で、レオニダスがハンスに振りますわ。


 ああ! レオニダス! 貴方、ナイスよ! ナイス! グッジョブですわ! ハンスは、好きな相手の何処にキスをするのかしら? 唇? おでこ? それとも・・・・髪?



「時と場合による」


「あ? 時と場合によるって? 」


 きょとんとした顔をするレオニダス。んん? どういう事かしら? 私もきょととんよ?


「その時にならないと何処にするかなんてわからないし、感情次第でする場所なんて変わる」



 ハンスが、そう言いますわ。


「流石、大人は言う事が違うね。経験則からの言葉かな? 因みに、今まで何処にキスを? 」



 ぱちぱちと手を叩き、関心したように言うグレイ様。


ー経験則? んん? どういう事かしら? ハンス・・・・まさか・・・・キスの経験があって??


 思わずギロりと睨み付けると、ハンスがサッと視線を逸らしましたわ。左眉がくっと下がる。ハンス・・・・なぜ狼狽えてますの? んん? 正直に仰って。ふふふ大丈夫よ。キスくらいで嫉妬なんて致しませんわ。ハンスは大人ですもの。経験のひとつやふたつくらい、ありますわよね? ねえ? ハンス?


「お嬢・・・・殺気が漏れてる・・・・」


「ふふふ。何を仰ってるの? レオニダス。殺気? そんなの木の精、森の精ですわ。オホホホホホ」



◆◆◆





「・・・・一般論を語っただけだ」


 私から目を逸らしながら、ハンスが答えますわ。なるほど。一般論ね。でも・・・・


「僕は、ハンスの個人的な意見を聞きたいんだけどな」


 私もですわ。気が合いますわね。グレイ様。不本意ですけれども、同意見ですわ。


「だから・・・・それは、その時による・・・・」


 手元の魔道具をカチャカチャと弄りながら、ハンスはもごもごと呟きますわ。


「ふーん。なら、状況によって色んな場所にしちゃうんだね」


「・・・・そういう事になるな」


「脚を出されたら、そこに口付けるって事? 」


「そうだな」


「ふーん。因みに脚なら何処に? 」


グレイ様・・・・妙に脚を推しますわね。貴方、もしや脚フェチ? その銀糸の髪をかき揚げ、白く長い指先で貴婦人の脚を持ち上げ、そこに口付けをするグレイ様・・・・。やだわ、絵になり過ぎ!


「ふともも? 脛? 足の甲? つま先? 」


机に肘をのせ、両手を組み小首を傾けハンスに質問(尋問)をするグレイ様。


「・・・・足の・・・・甲? 」


ハンスは、困惑しながら答えましたわ。


「なるほどね。ふふふ。ハンスにぴったりだね」


ニコッと笑い満足そうに頷くグレイ様。えっと・・・・グレイ様(腹黒さん)? 一体何にご満足されたの? 私にも教えて下さらない?


窺うようにグレイ様を見ると、悪魔の微笑がそこに! あっ目が合ってしまいましたわ。呪われる!


「僕は、ふとももにしたいかなー。うん。脚の場合はね」


だーかーらーその含みのある言い方は、なんですの! 聞きたい! 聞きたいけれど、薮をつついたら蛇がでてきそうですわ! ああ、何かで聞いた事がありますのよ! 蛇は悪魔の化身だって! 蛇=悪魔=グレイ様! つまり、そういう事ですのね!!



「ヴィクトリア・・・・僕に対して、何かとんでもなく失礼な事考えてるよね。うん。ご期待に添ってあげてもいいんだよ? 」


ぞわわ


「いいえ! 何も! 私、何も考えていませんわ! 」

「あーうん。確かにお嬢は、何も考えてないだろなー」


隣で相槌を打つレオニダス。ちょっと貴方。それ意味が微妙に違ってません?



「おい。何を騒いでるんだ、お前等。煩いぞ」


扉が開くと同時にオズワルド皇子の不機嫌な声が。ルビアナとフィロスも戻ってきたのね。良かった。これでこの話は、おしまいね。



「あーん。疲れたー。ヴィーちゃん、癒して~」


戻ってくるなり、私に抱きつくフィロス。


「スキンシップが過ぎんるんじゃない? 」


グレイ様、もっと言ってやって!


「いーの! 同性なんだから!ヴィーちゃん成分補給しないと、私死んじゃうんだからー」


「なら死ねば? 」


さらりと笑顔で言い捨てる超絶美形ドS男!容赦がない!


「ふふ。私が死んでも、第二第三のフィロスがヴィーちゃんを襲うわ」


ドSの口撃にびくともしないフィロス! ヒロインったら、鋼のハートでできているのね! 流石だわ!


「それは、面倒だね。根絶やしにできればいいのに・・・・」


「そう。私を一人みかけたら、30人はいると思ってもらわなくちゃ! っというわけで補給でむぎゅー! 」


「何が【というわけ】ですの!? 私、納得してませんわ! あとフィロス、貴女、G的な何かなの!? 離しなさい、このおバカーーーーー!! 」


どさくさに紛れて私に抱きつくフィロス。オズワルド皇子が、その首根っこを捕まえ、ぺいっと引き剥がしましたわ。まさか、オズワルド皇子に助けられるなんて・・・・


「騒ぐなと言っただろうが。・・・・消し炭にするぞ」


皇子の手元で炎が揺れる。あっ違う、まとめて消されますわ。これ。


「ちょっと、オズ。嫉妬は抑えて」

「嫉妬などしていない! 怒っているだけだ! 」


メラっさと怒りを具現化させるオズワルド皇子。うんざりとしながら、グレイ様は氷でその頭を冷やしますわ。ああ。いつもの光景ね。


「そういや、オズワルドは何処にキスしたいんだ? 」


レオニダス。その話題は、先程終わったのよ?蒸し返す必要なくってよ?


「ああ・・・・さっきまで、好きな相手の何処にキスをしたいかって話をしてたから・・・・」


「なっ好きな奴に・・・・・・キス・・・・だと? 」


「オズ・・・・あくまで仮定の話だからね? ヴィクトリアが興味深々だったから話てただけで・・・・」


グレイ様が、私を主犯に仕立てあげますわ。ちょっと! その言い方だと私、破廉恥娘じゃありませんの!


「オズワルド皇子・・・・違いますのよ? 私は別にキスだなんて・・・・オズワルド皇子? 」


顔を真っ赤にして、小刻みに震えるオズワルド皇子・・・・不味いわ・・・・これ、本気でお怒りのよう・・・・


「オズワルド皇子。あの・・・・」


怒りを鎮めようと、肩に触れた瞬間。


ーぼフッ!


「あっ! また、オズワルドが発火した! 」

「ええええ!? 」

「お嬢様! 水魔法を! 早く! 」

「ええええ!? 」

「今のはヴィクトリアが悪いよ。早くオズに水をぶっかけてやって! 」

「ええええ!? 」

「ヴィー! 早くしないと引火しちゃう! 」


あーもーなんですのー!? 私、オズワルド皇子専属のぶっかけ要員ではありませんのよ!? 不安定すぎですわよ!? オズワルド皇子!! 早く、精神的に大人になって下さらないかしら!? 私の為にも!!





「皇子が発火だなんて・・・・冗談でも笑えませんわ」


びしょ濡れになった部室と私とオズワルド皇子。


ええ。例に漏れず私まで濡れ濡れですわ。




「なんだ。いつものパターンか」



ぽたぽたと滴り落ちる水に、透け透けの制服。血塗れの皇子。黙って上着を私にかけるハンス。この惨状を目にして呟くレオニダス。


ふふふふ。そうね。

確かにいつものパターンですわね。ふふふふふ。



レオニダス・・・・・その台詞・・・・一体どれに対してかしら? 何処から何処までが、一セットなのかしらー?



返答によっては、私、武力行使も辞さない所存ですわよ?







■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□





おまけ


ハンス

足の甲→【隷属】


グレイ

ふともも→【支配】


おっ・・・・おおう・・・・コメントに困る内容で申し訳ございません。



キスの日に因んだお話でした。

少しでも楽しんでいただけますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ