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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第一章
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身に降りかかる不遇2


「嫌だ。」


オズワルド皇子は、腕を組むと、私の前に仁王立ちし胸を反りましたわ。


「俺様は、お前を俺様のモノにして、屈従させるつもりだ。お前くらいだからな!まったく俺様に媚びず靡かぬ愚か者は!俺様の魅力がわからないお前に、俺様自ら教えてやると言っているんだ。身に余る光栄に、心が歓喜で震えているだろう?」


ー…身に降りかかる不遇に、心が怒りで震えていましてよ?


「嫌がらせの為だけに、私を婚約者候補にするなんて…私…一生かかっても、貴方には屈従なんて致しませんわ!!」

「ふん。吠えていろ。いずれお前は、俺様に屈服し自ら望んで嫁になる。」

「なりませんわよ!」


 例え婚約者になったとしても、嫁になんて絶対なり得ませんわ!


貴方は、私を断罪し、ヒロインと結ばれるのでしてよ!?

何をおかしな事をおっしゃってるのかしら?


「貴方は、私でなく他の運命の方と婚姻されますわ。私を婚約者にする意味などありませんことよ?」


呆れた顔で告げる私に、オズワルド皇子はムッと顔をしかめ怒鳴りましたわ。


「運命の相手なら、既に出逢っている!」


あら?そうなの?もう既にヒロインとは、お会いになっていらっしゃるのね?なら尚更、婚約者候補   (ワタクシ)など、不要でなくて?


「お前だって…その…既に出逢っているだろう?」


あら、皇子ったら。知っていらしたのね?そう!ハンスは、私の運命の相手でしてよ!ただし…今はまだ、一方通行ベクトルですが…


「ええ。そうですわね。」


 お互い。運命の相手とちゃんと結ばれるといいですわね。そう願いを込めて微笑みましたの。


  私の言葉に、皇子は口元を緩め笑顔を見せましたわ。その笑顔に、周りのご令嬢が きゃあっと色めき立ちましたの。そう、たくさんの黄色い喜声…気付けば、私達の周りには人だかりが…


ーしまったわ。入学早々、オズワルド皇子に絡まれたせいで…私…とんでもなく目立ってなくて?


 悪目立ちなんて、したくなくってよ!? 何よりこの、きゃあきゃあと騒ぐご令嬢達を静めなければ…どうしましょう!?得意の水魔法で、水をぶっかけ、冷水で冷静にさせるべきかしら!?


「オズ…君は、何をやらかしているんだい?」


その凛と通る涼やかで、気品溢れる声に、ざわめきが静まり返りましたわ。ああ、良かった。


「こんな所で、騒ぎを起こして…ほら、君達も早く教室へ。」


皆、その声に素直に従い居なくなりましたわ。

他の生徒を捌けさせた後、1人の人物が現れましたの。


薄い紫色の混じる銀髪。長い睫毛に灰紺の瞳。

美しく整った顔は、まるで…人形のよう。


えーっと。この方…何処かで会った記憶がございますわね。


何処だったかしら…っと眉間に皺を寄せたまま、凝視していたら


「ふふ。見つめてもらうなら、できれば頬を薔薇色に染めて、潤んだ瞳でお願いしたいな。」


っと歯の浮くような台詞を呟かれてしまいましたわ。柔らかく微笑みかけてくる癖に、まったく目は笑っていませんわ。この方…要注意人物ね…。賢いヴィーちゃん、危うきに近寄らずですわ。



「まったく。君のフォローに回る僕の身にもなって欲しいものだね。オズ。」

「ふん。将来の宰相候補が、これくらいの事で音をあげていたら、俺様の補佐など務まらないぞ?グレイ。」

「そうだね。君が問題を起こした後でなく、起こす前に対処できなかった僕の失態かな?アクヤック侯爵嬢が入学した時点で、予測のできた事だからね。君の暴走は…。」


グレイ?

宰相候補?


んんん?


「はじめまして。っでいいのかな?」


冷や汗が、つつつと頬を伝うのを感じましたわ。


「僕は、グレイ・ミステリューズ。オズワルドの友人で、将来の宰相候補だよ。」


そう言って、にこやかに(張り付けた)笑みを湛え、右手を差し出してきましたわ…。


嫌よ…嫌だわ…何故なのよ…。


この男…攻略対象の一人じゃないの!!

腹黒どSとなんて、関わりたくありませんわー!!


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