賢者と精霊
※微細なグロ表現あり
「精霊って……どういうことなの!?」
率直に疑問をぶつけた
だって、等身的にもいろいろなことに関しても僕は精霊なんて……
「うるさいなぁ、詳しく説明するから大人しく聞いてろ」
慌てる僕を春兄は制して
また宙に浮きながら話を始めた
「賢者という役職における《精霊》というのは、 忍とかそういう存在であって、
イメージにあるモノとは違うんだ。
メルヘンチックな事となれば…
従者や監視官と違って賢者が呼べばすぐに召喚される
くらいかな」
小姓みたいな感じなのかな?
まあ、そうやって理解しておこう
「ちょっとこれは過ぎた話かもしれないのだが……」
「なに?」
「週に3回、精霊に魔力補充をしなくてはならないのだが……その方法が少し斬新でな」
すると、春兄は僕を抱きしめ、顔を近づけた
…………
「待って、顔近いよ!?」
「んー………あ、まだ精霊になってないから意味ないか」
驚かせないでよ…
こんな積極的な春兄見たことない
実の兄にこうされたことよりも
素で茶髪ふわふわロングの女の子に抱きしめられたと勘違いしそうになったのが恥ずかしかった
こうみえて童貞(女性に対してのみ)なんで
「今、私のこと女だと思っただろ」
「はは、バレちゃうよね」
「そういえば、精霊ってどうしたらなれるんだい?」
「あー、そういえば伝え忘れていたな」
春兄は腕どころか手すら隠れた袖で口元を隠しながらあくびをする
「ふにゃ………えーと、
確か……精霊になるには…………
なんかと融合して………zzz」
寝た
寝やがった
「重要なときに寝るなよ……」
「あ、ごめんごめん…賢者になってから疲労がすごくて……
で、融合したら…一度この槍で心臓を貫く」
「え、この如何にも殺傷力抜群の槍で…?」
春兄が持っているその槍は尖端から付け根までが紅く染まっていた
それは、何百人ものの量の血を浴びたように
ていうか、だいぶひん曲がってるんだけど大丈夫なのこれ
「じゃあ、自害しろ小早川」
「違うと思うけど!?
ふがぁぁあっー!!!」
見事に腹に刺さったよ……
もうこれ抜けないんじゃないかなあ
ていうか……
「あれ、痛くない」
「てことは、精霊として認められたってコトだな」
あ、そんなあっさりなんだ
ふと疑問に思ったんだけれども
……僕、融合した覚えないんだけど
これは一体…どゆこと?
「……おまえ、もしかして…………」
春兄が緊迫の表情で見つめてくる
若干声も震えてる
「元々……人間じゃなかったのか………?」
「アイエエエエ……………!?」
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