幼賢者、元春
「我が名は吉川元春、龍王、白龍の嫡男にして……死後の箱庭の賢者だ!」
こんなっ!
こんな!幼くて可愛い女の子が春兄!?
「は、春兄…なの?」
「間違いなく、な?」
「モノマネとかじゃないよね?声も口調も態度も同じだし」
「はあ?」
「スイマセェン」
でも…こんなに驚いたけれど、内心とてつもなく嬉しかったのには変わりないんだよね
どんな形になろうとも、それが春兄であれば嬉しいのだから
やっぱり僕って春兄が好きなんだ
家族な意味で
そう、つまり僕はh
「まあ、まずは服を着ろクソが」
といって、着物をぶちまける
ああ、この春兄のプライドをぶっ壊してくる発言、変わらないなあ
マンボウメンタルになってもおかしくないよ
「ところで、ここはどこなんだい?
見た感じでは僕の知らないところだけども」
至って真面目な話をすると、春兄は宙に浮きながら寝転がった
正直、今日一日でビックリなこと多過ぎるよ
「そうか…おまえ、死んだことも自覚してないのか」
「死んだ?」
だから春兄は浮いてられるのかなあ?
ん?違う?
「ここは死後の箱庭って言って、死者が沢山出る時期にだけ扉が開かれる天国より少し下にある
いわば、第二の人生だな」
第二の人生!?
なんか壮大……
「それで…春兄はさっき、賢者だ!ってドヤ顔で言ってたけれど、それってどういうこと?」
また質問すると、春兄はけだるそうな顔をした
多分きっと、質問が多いなコノヤローとでも思ってるんだろう
こういうときの春兄って嫌気が丸出しになる
「箱庭の賢者ってのは、箱庭の事実上のリーダーってわけ
異変がどーのこーのとか、豊作になるかどーかとか、まあそんな感じ
正直、賢者っていう称号だけでかなりの優待が……」
「す、すごいんだね」
どうしてこんなにも口調も態度も悪い春兄が選ばれたかなんて質問したら
それこそ怒られて殺されかけそうだからやめておこう
こういうときに春兄にはおとなしく……
『やっぱり、春兄は凄いよ』
とでも言えば上機嫌になる
「やっぱり、春兄は凄いよ」
「………それで上機嫌になると思ったか?」
え?うそ、ありえないんだけど
ていうか!!春兄、今、心…読んだよね
てことは春兄に対しての想いもバレてしまう!!
どうする小早川隆景!
「で、これからどうするんだ?
おとなしく焼き魚になるか?
おまえ、なんか魚みたいだし」
や っ ぱ り ム カ つ く
「なるかーーー!
僕は正真正銘のにんげ…………」
「人間じゃなくなってるから言ってんだよ
いい加減わかれ」
「そういえば、タカ兄には会ったの?」
「何だ突然、……いや、会ってない」
あ、やばい
こんな話するんじゃなかった
春兄が若干俯いてる
「……はあ、隆元より先にお前に会うとは」
「それって酷いんじゃないの!?
それに僕が……」
『………を殺した』なんて言えないよね
本人は気づいてなさそうだけど
春兄は僕の顔をじっと見る
人の顔なんてこんなに見ない人だから珍しい
「なあ、隆景…私はまだ完全な賢者ではないんだ」
真剣な顔つきで告白した
「完全ではない…?」
「そう、賢者本人、賢者の監視官、従者、そして精霊が必要になる」
「僕がその従者だかになれってこと?」
春兄は岩に座り、僕の耳元に少し低めの声で囁いた
「お前になって欲しいのは、監視官でも従者でもない」
……………
「精霊だ」
あれ?どういうことなの?
→Go! next miniature garden story!




