00 Prologue
―ダンジョン。それは、数多くの冒険者が挑み、夢を見る特殊な洞窟である―
―ダンジョン。それは、数多くの魔物を生み出し、瘴気漂う危険な場所である—
―ダンジョン。それは、数多くの謎が存在し、全容が分からない未開地である—
迷宮内にある安全階層とよばれる階層。世界各地に点在したくさんの階層がある迷宮の中でも、魔物が沸かず瘴気もない平和な階層。そんな安全階層のどの階層にもある煙突のついた木造建ての平屋。湖付近にある階層もあれば、森の中にある階層、何もない平野にポツンと立っている階層もある。
入り口には店の名前が書かれた看板が掲げられている。木のドアを開けると「カランカラン」と昔ながらの木製のベルが鳴り響く。中は、木製のテーブル席や椅子、カウンターテーブルなどがあり明るめの橙色のライトが照らす。ところどころ、植物などもあり居心地のよい空間が広がっている。
中では様々な人が食事を楽しんでいる。カツカレーを豪快にむさぼる褐色肌の女。刺身をつまみに日本酒を楽しんでいる和装の男。奥の方で大宴会をしている数十人の男女や、カウンターで大きなジョッキを片手に大声で笑う白髪の老人など、様々な人がいろいろな料理を楽しんでいる。普通なら言語も違う人たちも、会話が通じるのか楽しそうに話をしている。
「ごめん!少し待ってて~」
カウンター奥、キッチンと思わしき場所からさわやかな男性の声が聞こえる。声の主は少ししてからキッチンから姿を現した。短髪の黄色い髪にどこか幼げを感じる若い顔立ち。青色の羽織を身にまとった低めの背丈。どこか親しみやすさを感じる男は、入り口付近へと向かい元気のいい笑顔で入ってきた人を迎える。
「いらっしゃい!迷宮内食堂へようこそ!」




