2. 孔子VSソクラテス
二人は向かい合って座っていた。膝が膝に触れる。一人は九尺六寸。一人は五尺余り。巨人と小人。竹簡と裸足。
そして孔子が立ち上がった。
彼が立ち上がろうとしたのではない。向かいの男が立ち上がったのだ。ソクラテスはヒマティオンの砂粒を払い、肩を動かした——その肩にはポティダイアの槍傷、デリオンの剣痕、幾度となく死人の中から這い上がってきた記憶があった。
「座って話すのは、結構だ」と彼は言った。「しかし私の身体——それは動く必要がある。静かにしているのは慣れていないのだ」彼は孔子を見た。「あなたもだ」
孔子は否定しなかった。九尺六寸の軀は、杏壇に座って講学しているだけで育つものではない。彼は若い頃、乘田として倉庫を管理し、委吏として牛や羊を管理した。車を駕し、弓を引き、城門の閂を引いたことがある。その両手は、竹簡を握ったこともあれば、弓を握ったこともあった。
彼は立ち上がった。
二人は向かい合って立つ。三歩の黄砂を隔てて。
「どこまで話したかね?」とソクラテスが訊ねた。
「あなたが、私に何を知っているのかと訊いたところまでだ」と孔子が言った。
「そうだ。あなたはまだ答えていない」
「吾に知有りや。無知なり」
ソクラテスは笑った。玩具を見つけた子供のような笑いだった。
「それからは?」
「鄙夫の我に問う者有り。空空たり。吾其の両端を叩きて而して竭くす」
ソクラテスは首を傾げた。彼は『論語』を読んだことがなかった。しかし理解した。耳でではない。すべての言語に共通する、その場所で。
「両端を叩く。両端から真ん中へ問う。問題から答えへ問う。無知から知へ問う」
彼の目が輝いた。
「私はこれが好きだ」
そして彼の右拳が孔子の胸を打ち抜いた。
予兆はなかった。構えもなかった。ただの一発の拳だった。ポティダイアの戦場で鍛えられた拳。勝負の拳ではない。人を殺す拳だ。短い。速い。重い。狙いは胸のど真ん中。
孔子は半歩退いた。
打たれたのではない。退いたのだ。九尺六寸の軀が半歩退き、そして左手が外側からその拳を払い除けた。防いだのではない。払ったのだ。ドアを押し開けるように。ドアが開き、拳は脇腹をすり抜けた。
「あなたは挨拶をしない」と孔子が言った。
「戦場に挨拶はない」とソクラテスが言った。
左拳がもう後を追っていた。狙いは脇腹。ヒマティオンの布地が拳風に揺れた。孔子は二度目の退避をしなかった。彼の右手が下から上へ、ソクラテスの左肘を支えた。防いだのではない。支えたのだ。今にも倒れそうな人を支えるように。
ソクラテスの左拳は高く支え上げられ、孔子の肩をすり抜けた。
「あなたは私を打ってはいない」と孔子が言った。声は平穏だ。講学をしているかのように。「あなたは問いを発しているのだ」
ソクラテスは両拳を引っ込め、一歩退いた。彼は孔子の手を見た。彼の肘を支えたその両手を。大きく、穩やかで、そして——温かい。
「その通りだ」とソクラテスが言った。「一発一発の拳が、それぞれ問いなのだ」
彼は再び突進した。
今回は一拳ではない。連続する三発の拳だ。左。右。左。第一の拳が問う:あなたは誰か?第二の拳が問う:あなたはなぜここに立っているのか?第三の拳が問う:あなたは私を止められるか?
孔子はそれを防いだ。彼の防ぎ方は奇妙だった。打ち払うのでもなく、かわすのでもなく——受け止めるのだ。彼の手は側面からソクラテスの拳に貼りつき、拳の勢いに沿って横へ導く。拳の方向を変えるのではない。拳の帰属を変えるのだ。その一撃を、もはやソクラテスの拳ではなくする。それを一陣の風に変える。それを自分のそばを通り過ぎさせ、何も触れさせない。
三発の拳。三陣の風。
「あなたは答えていない」とソクラテスが言った。彼の呼吸はまだ乱れていなかった。ポティダイアの戦場で、彼は重装備のまま、敗走する軍勢の中でただ一人殿を務め、敵を近づけさせなかったことがある。この程度の拳など、何でもない。
「私は聴いている」と孔子が言った。
「何を聴いているのか?」
「あなたの問いを」
ソクラテスが止まった。彼は拳を下ろした。飛び出たような目を真夏の日差しに細め、孔子を見つめた。
「では、別の問いにしよう」
彼は拳を出さなかった。彼は一歩前に進んだ。二歩。三歩。孔子のところまで歩み寄った。膝がまた触れ合わんばかりの距離まで。そして彼は顔を上げた——彼は顔を上げねばならなかった。九尺六寸対五尺余り。顔を上げる角度は大きい。しかし彼は自然に上げた。
「あなたの国」と彼は言った。「あなたの夢見る国。それはどのようなものか?」
孔子は手を下ろした。
「吾は周に従わん」
「周?」
「周の徳、是れを至徳と謂うべきかな」孔子の声が変わった。闘技場での声ではない。杏壇での声だ。弟子たちの中での声だ。「郁郁たる文かな。吾は周に従わん」
「周とは何か?」
「天子、諸侯を封じ、諸侯、卿大夫を封じ、卿大夫、士を封ず。君臣父子、各々その位に安んず」孔子の右手が上がり、空中に金字塔の形を描いた。「君は君。臣は臣。父は父。子は子」
ソクラテスはその姿なき金字塔を見つめた。
「つまり、生まれながらに君である者があり、生まれながらに臣である者がある」
「名正しからざれば則ち言順わず、言順わざれば則ち事成らず」と孔子は言った。「名を正すこと、これ天下に道有るの始めなり」
「名を正す」ソクラテスはこの言葉を繰り返した。彼の舌はあまり慣れていなかった。しかし彼はこの言葉の重みを気に入った。「あなたは言っている。人は自分が呼ばれるべき名に従って行動すべきだと」
「然り」
「では、もし臣として生まれた者は、生涯臣であるべきなのか?」
「礼と徳を以てす。君臣は義を以って合う。君は臣を使うに礼を以てし、臣は君に事うるに忠を以てす」
ソクラテスは答えなかった。彼は孔子の周りを半周歩いた。裸足が黄砂の上に半円を描いた。そして彼は止まった。
「我々のアテナイでは」と彼は言った。「天子もなければ、諸侯もない。君臣もない」
「では何があるのか?」
「我々には公民がある。民会がある。抽選で選ばれた役人がある。陪審法廷がある。五百人の公民が、一人の人間を審判する」ソクラテスの声が変わった。闘技場での声ではない。アテナイの広場での声だ。彼を裁いた法廷での声だ。「彼らは私に死刑を宣告した」
孔子は何も言わなかった。
「彼らがなぜ私に死刑を宣告したか、知っているか?」
「いや」
「なぜなら私は問いを発するからだ」ソクラテスは苦笑した。快活な笑いではない。苦いものだった。「私は彼らに問うた。正義とは何か。美徳とは何か。知識とは何か。彼らは答えられなかった。彼らは答えられないことを好まなかった。だから——彼らは私を殺した」
彼は向き直り、孔子に向き合った。
「あなたの周礼、あなたの君臣父子。もし誰かが問うたなら——なぜあなたが君で、なぜ私が臣なのか? あなたはどう答える?」
「天命」
「天命とは何か?」
「天は言わず、行いと事とを以て之を示す。徳有る者は天命を受く」
「つまり、君は徳を備えていなければならない」
「然り」
「もし君が徳を失ったならば?」
孔子は一拍沈黙した。短かった。しかしソクラテスは捉えた。彼はアテナイで最も沈黙を捉えることに長けた男だった。
「湯武革命は、天に順い人に応ず」と孔子は言った。
「革命」ソクラテスはまたこの言葉を繰り返した。彼の舌はやはりあまり慣れていなかった。しかし彼はこの言葉をより好んだ。「つまり、あなたの周礼は——臣が徳を失った君を殺すことを許している」
「殺すではない。伐つ(うつ)のだ。征伐。道有るを以て道無きを伐つ」
「その違いはどこにあるのか?」
「名正しければ、則ち言順う」
ソクラテスは笑った。今度は本当に笑った。苦いのではない。良いものを見つけたときの笑いだった。
「つまり、あなたの周礼は——名の体系だ。君。臣。父。子。各人は自分の名の中に立つ。もし誰かが間違って立っていれば、あなたは言う——名正しからず、と。もし君が徳を失えば、臣は彼を伐つことができる——しかしあなたはまず名を正さねばならない。殺すとは呼ばず、伐つと呼ぶ」
彼の左手が突然探り出た。拳ではない。掴みだ。孔子の手首を掴もうとする。ポティダイアの戦場で、彼は倒れた戦友をこうやって掴み、死人の中から引きずり出したことがあった。
孔子は避けなかった。彼の手首が掴まれた。
「あなたは私を掴んでいる」と孔子が言った。
「私はあなたに問うている」とソクラテスが言った。「あなたの周礼は、人を掴むことができるか?」
彼の右手が同時に孔子のもう一方の手首を掴もうとした。孔子の左手がそれに応じる。掴まれるのではない。握るのだ。二つの手が空中で出会う。十本の指が絡み合う。格闘ではない。格闘よりももっと深い何かだ。
「礼とは、人を掴むためのものではない」と孔子が言った。彼の声はなおも平穏だった。しかし彼の手は力を込めている。九尺六寸の力が、肩から腕へ、腕から手のひらへ、手のひらからソクラテスの指の間へと流れ込んでいく。「礼は、人に自ら立たせるものだ」
ソクラテスはその力を感じた。圧迫ではない——安定だ。大地のように。彼の足元のこの黄砂のように。彼はその上に立っている。立たなくてもいい。しかし彼がその上に立つとき、それは彼を支える。
「自ら立つ」とソクラテスは言った。「もし彼が立たなければどうするのか?」
「教える」
「もし彼が学ばなければどうするのか?」
「誨える」
「もし彼が聴かなければどうするのか?」
孔子は一拍沈黙した。先ほどの沈黙よりも長かった。
「有教無類」と彼は言った。「しかし——君子は器ならず」
ソクラテスは手を放した。振りほどかれたのではない。自ら放したのだ。彼は一歩退いた。自分の手のひらを見た。そこには孔子の温度があった。
「君子は器ならず」彼はこの言葉を咀嚼する。「君子は道具ではない。彼は使われるべきではない」
「然り」
「だからあなたの周礼は——臣を使うためではない。臣を君子にさせるためだ」
「君は君。臣は臣。父は父。子は子。各人が、各人があるべき姿になる」
ソクラテスは顔を上げた。飛び出たような目に一筋の光があった。
「我々のアテナイでは」と彼は言う。「統治とは一つの技術だ。航海のように。医術のように。誰にでもできることではない。だから、誰にでも統治させるべきではない」
「誰が統治すべきなのか?」
「統治の仕方を知っている者。哲人が」ソクラテスの声は確信に満ちていた。まるで一生考え続けてきたことを語っているかのようだった。「哲人王」
孔子はこの小柄なアテナイ人を長い間見つめた。
「あなたの哲人王は」と彼は言った。「礼を解しているのか?」
「彼は真理を解している」
「真理とは何か?」
「それは——」
ソクラテスは止まった。彼の人生で、滅多にないことだが、止まった。答えを知らないからではない。答えが多すぎて、どれから始めればいいのか分からないからだ。
「正義だ」と彼は最後に言った。「善だ。美だ。知識だ。あらゆる事物がなぜあらゆる事物であるのかについての知識だ」
「つまり、あなたの哲人王は——すべてを知っている」
「彼はすべてを知ることを追求する」
「彼は追求する。だからまだ知らない」
ソクラテスは反駁しなかった。反駁できなかった。なぜなら彼の生涯で最も重要な言葉は、ただ一つ——自分が何も知らないということだけを知っている、というものだからだ。
「では」と孔子は言う。「すべてを知らない人間が、さらに少なくしか知らない人間を、どうやって統治するのか?」
「なぜなら彼は少なくとも自分が知らないことを知っている。他の人々はそれさえも知らないからだ」
孔子はうなずいた。ごく軽く。しかしソクラテスは見逃さなかった。
「だから、あなたの哲人王は——教えるのか?」
「教える?」
「知らない人々に教え、彼らに知らせるのだ」
ソクラテスは考えた。
「哲人王は統治する。教えるのではない。それは——」
彼は突然止まった。なぜなら気づいたからだ。
「あなたの周礼は——教えるものだ」と彼は言う。
「礼は、民を教えるものなり」と孔子は言う。「君は臣を教えるに礼を以てし、臣は君に事うるに忠を以てす。父は子を教えるに義を以てし、子は父に事うるに孝を以てす。各人が、教えている。各人が、学んでいる」
ソクラテスは一拍沈黙した。先ほどよりも長かった。そして彼は突然拳を繰り出した。先ほどのような探りの拳ではない。全力の拳だ。ポティダイアの槍。デリオンの剣。アテナイの広場での問責め。牢獄の床板の上の毒酒。彼が経験してきたすべてのものが、この一撃に込められている。
孔子はそれを受け止めた。
手ではない。胸でだ。
その一撃が孔子の胸のど真ん中を打った。九尺六寸の軀が揺れた。しかし退かなかった。素色深衣の布地に、一つの拳痕が刻まれた。
ソクラテスは顔を上げた。孔子の眼を見つめる。
「なぜ防がなかったのか?」
「あなたは問いを発している。私は聴いている」
「この一撃は、何を問うているのか?」
「あなたは問う:あなたの『教え』は、私の拳を防げるのか、と」
「その答えは?」
孔子はうつむき、自分の胸に刻まれたその拳痕を見た。
「教えは、拳を防ぐためのものではない」と彼は言った。「教えは、人に知らせるものだ——なぜ拳を繰り出すのかを」
ソクラテスの手が、孔子の胸の上からゆっくりと下ろされた。
「なぜ拳を繰り出すのか」彼はこの言葉を繰り返した。
そして彼は笑った。苦い笑いではない。良いものを見つけたときの笑いでもない。それは——彼の人生で滅多に見せない笑いだった。本当に対話する価値のある人間に出会ったときの笑いだった。
「私が拳を繰り出すのは、問いを発するからだ」と彼は言った。「私が問いを発するのは、知らないからだ。私が知らないのは、知りたいからだ」
彼は拳を引っ込めた。一歩退いた。そして彼は誰も予想しなかった行動を取った。
彼は座った。再び座った。黄砂の上に。両脚を組んで。入場したばかりの時とまったく同じ姿勢で。しかし今回は、見知らぬ人間の前に座っているのではない。自分が認めた人間の前に座っているのだ。
「あなたは言った。鄙夫があなたに問うた、あなたは空っぽであり、その両端を叩いて尽くす、と」
彼は自分の隣の砂を叩いた。
「さあ。座れ」
孔子はこの小柄なアテナイ人を見下ろした。長い間。
そして彼は座った。九尺六寸の軀が、再び折りたたまれ、黄砂の上に座った。五尺余りのアテナイ人と向かい合って。膝が膝に触れる。
「私にはまだ多くの問いがある」とソクラテスが言った。
「吾道は一以て之を貫く」と孔子が言った。
「何の道だ?」
「忠恕のみ而已」
「忠とは何か? 恕とは何か?」
「己を尽くすの謂われを忠と為す。己を推すの謂われを恕と為す」
ソクラテスは一拍沈黙した。そして彼の目が輝いた。答えを聞いたときの光ではない。問いが始まるのを聞いたときの光だ。生涯をかけて追及できる問いを聞いたときの光だ。
「つまり、あなたの周礼は——名の体系ではない。関係の体系だ」
「然り」
「君と臣。父と子。各人は関係の中にいる」
「然り」
「関係は、人を縛るためのものではない。それは——」
彼は止まった。言葉を探している。
「全うすること」と孔子が言った。
「全うする?」
「君は臣を使うに礼を以てし、臣を全うする。臣は君に事うるに忠を以てし、君を全うする。父は慈しみ、子を全うする。子は孝み、父を全うする。各人は、他者を全うすることによって、自己を全うする」
ソクラテスは何も言わなかった。彼はこの言葉を口に含んだ。全うする。彼はそれを長く含んでいた。そして彼は顔を上げた。
「我々のアテナイでは」と彼は言った。「哲人王が統治する。全うするのではない。それは——」
彼はまた止まった。
「統治することだ」と彼は最後に言った。「舵取りが船を統治するように。医者が身体を統治するように。知識ある者が知識なき者を統治する」
「統治する」と孔子は言った。「全うするとは、人に自ら成らせることだ。統治するとは、人に成らされることだ。あなたの哲人王は——舵取りだ。船に乗っている人々は、乗客だ」
「然り」
「乗客は、航海の仕方を知る必要はない。目的地に連れて行ってもらえればそれでいい」
「然り」
「だから彼らは永遠に航海の仕方を知らない」
ソクラテスは答えなかった。彼の飛び出たような目は、真夏の日差しの中で、ゆっくりと細められた。光を遮るためではない。彼がこれまで一度も考えたことのない問いによって照らされたからだ。
「あなたの周礼は」と彼は最後に言った。「臣は、どのようにして君になるかを知っているのか?」
「いや。君は君。臣は臣。各人は、その位を守る」
「だから、臣も永遠に君になる方法を知らない」
孔子は一拍沈黙した。これまでのどの沈黙よりも長かった。
「然り」と彼は最後に言った。
ソクラテスは笑った。勝利の笑いではない。二人が同じ井戸の底に閉じ込められていることに気づいた笑いだ。
「つまり、あなたの周礼と、私の哲人王は——」
「異なる道も、同じ所に帰結する」と孔子が言った。
「異なる道も、同じ所に帰結する」ソクラテスは繰り返した。
二人は同時に沈黙した。黄砂は真夏の日差しの下で灼けついている。五万人の呼吸が、この二人の沈黙に押さえられた。誰も話さなかった。誰も話す勇気がなかった。なぜならその瞬間、誰もが感じ取ったからだ——彼らは対話を聴いているのではない。二千年後の人々が議論するであろうすべての問題が、この砂の上で初めて、二人の人間によって向かい合って語られるのを聴いているのだと。
そしてソクラテスが立ち上がった。
「私にはまだ一つ問いがある」
孔子も立ち上がった。
「問え」
「あなたの周礼は、もう死んでいる」
孔子の目じりが動いた。
「アテナイでは、民主制もまた私に死刑を宣告した」とソクラテスは言った。「だから、我々は共に死んだ。あなたの周礼も、私も。共に死んだ」
彼は一歩前に進んだ。
「では——」
彼は手を差し伸べた。拳ではない。掌だ。手のひらを上に向けて。孔子の方へ。
「——我々はなぜここにいるのか?」
孔子はその手を見た。手にはタコがあった。武器を握ってできたものではない。鑿を握ってできたものだ。無数の追及を握ってできたものだ。アテナイの広場の石を握ってできたものだ。
そして彼はその手を握った。
「我々がまだここにいるからだ」
ソクラテスはうつむき、自分を握るそのより大きな手を見た。
「そうだ」と彼は言った。「我々はまだここにいる」
五万人の中から、誰かが突然立ち上がった。命令されたのではない。もっと古い何かに促されて。そして二人目。三人目。ますます多くの人が立ち上がる。彼らは自分がなぜ立つのかを知らない。しかし立った。闘技場に、五万の人影が、真夏の日差しの下で、一本の森となって立った。
二人は手を離した。
孔子は西へ歩く。ソクラテスは東へ歩く。
三歩歩いて、同時に止まった。同時に振り返った。
「次は」とソクラテスは言う。「あなたが私に問え」
「何を問うのか?」
「私が知らないことを」
孔子はうなずいた。ごく軽く。しかしソクラテスは見逃さなかった。
そして彼は背を向けた。九尺六寸の背中が、西側の鉄格子へと歩いて行く。素衣。竹簡。胸には一つの拳痕。
ソクラテスは東側の鉄格子へと歩いて行く。ヒマティオン。裸足。手にはもう一人の人間の温度。
黄砂の上に、二筋の足跡。それぞれ西と東へ。
五万人はその場に立ったままだった。誰も去らなかった。
なぜなら彼らは同時に気づいたからだ——この対決に、勝敗はない。あるいは、すべての者が勝ったのだと。




