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【完結】ジュメレと毒華  作者: アレン
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第116話

美澪『…という結果になりました』



翌日、場所は純桜寺本家




星蘭へと行き、華惏の今後が決まると疲れてるだろうからと、とりあえず今日は早く休めと帰された



もちろんまずは無事に帰ってきてくれた事に怜月や式神達は泣きながら喜んでくれた


妖界で何があったかは早く聞きたいところだがそれよりもやはり我が子の身を案じるのが親というものだ


このまま泊まっていくでも良しだし自分の家が良いなら車を出させると怜月は言ったが流石に色々とくたくたなのでそのまま実家に泊まることにした颯清と美澪



そして起きて身支度が整い、親族もいるので大広間に集まり妖界で起こったことを説明した、もちろんそこに式神達もいる




??『ふざけてるのですか…!?華惏を生かすだと!!?』



老人の男が一人、怒りのあまり立ち上がり怒鳴り声をあげた



颯清『言った通り話し合いの結果、華惏は監視の下これからも生かすことになりました、それに一度は死んだ身、それをまた再度殺すというのは私情を捨てて考えてみれば華惏より我々の方が残虐かと』




一度、華惏は死んだ


言い換えれば死んで今までの華惏がやってきた行いの罪を償ったとも言える


それに平等に見て考えれば華惏にも同情の余地がある、千年もの間苦しみながら生きてきたのだ


殺したくて殺してきた訳ではない



その結果、華惏は明楽や柊菜に涼成、茜璃の監視の下生かすことになった


危険性はきっともうないだろうと


それに華惏が一度死ぬ前に言っていた言葉は嘘偽りないとも見えたのだ




美澪『…惰殺は滅びた、平和になった、華惏も争いたくて争っていた訳ではない、……もう、終わりにしましょう?』


??『……ッ』



惰殺が滅びた今、もう陰陽師側は争う理由がない



怜月『……そうだな、これ以上の犠牲をもう出したくはない、当主命令だ、純桜寺家は今日をもって戦いを終わりにする』


『…仰せのままに、当主様』



いっせいに頭を下げ、怜月の命令を受け入れた


当主が終わりと言ったのだ、もう終わりだ



??『…それはそうとして、美澪様、明楽とはもう関係は切ったのですか?切りましたよね?』



また始まった親族の要らないお節介という名のただの妨害行為



怜月『おい』



声を低くしやめろとでも言いだけな表情を怜月は浮かべる



美澪『………』


??『普通に考えて人間と妖、我ら祖先や昔いた他の一族の者の事を考えてみて下さい、元の原因はどうであろうと明楽に変わりはない、絶対におやめください美澪様』


??『美澪様にはもっと相応しい相手がいます、一度お見合いでもして話を……』


美澪『うるさい!!!』



あれやこれやと話が勝手に進んでいくのを見て美澪は一括をいれスッと立ち上がる



美澪『もう、もう私の事は放っておいて!言われた通り私はお兄ちゃんを命をかけて守ってきた!!ちゃんと言われたことを覚えてきた!!進路だって言われた通り如月に就いた!!お前らの言うことばっか聞いてられないもう放っておいて!!』




ゼーゼーと激しく肩を上下させながら親族の人間達を睨みつけた



美澪『ぜっっっったいにこれだけは嫌!!誰が顔も何も知らない他人なんかとお見合いなんかするもんか!お断り!!!私は自分で相手を選ぶ!お前らには関係が一切ない私の未来にこれ以上介入してこないでうんざりなの!!!』



今までの不満を爆発させた様に美澪は怒る



颯清『……ね、ねぇ……まって……待ってよ、命をかけて守るって…何……?ねぇ、僕聞いてないよ……』



顔面蒼白になりながらどういう事だと周囲に聞く



??『颯清様は次期当主様、それを守るのはそばにいる美澪様の役目、だから美澪様は貴方様が死なぬようにと自分の命を犠牲にしてでも颯清様を守るのが役目なんですよ』


颯清『……美澪、ねぇ……何それ…ほんとなの……?』



冗談だと言ってくれと泣きそうな顔で颯清は美澪を見つめる



美澪『…お兄ちゃん泣かないで、お兄ちゃんは悪くないの』



だからこの話はやめて、と首を横に振る


全ては終わった話だ



颯清『で、でも……!!』


美澪『…お兄ちゃん、お兄ちゃんも私をいっぱい守ってくれたでしょう?だからこれでお相子、ね?』


颯清『……美澪…』



にっこりと笑う美澪に颯清は「優しすぎる」とどこか苦しそうに呟いた



美澪『もう私の事は放っておいて、もう自由、私が誰とどうしようが私の勝手』


??『ですが……ッ』


青龍『…黙れ、黙らないなら発言したことを後悔させてやる』



まだ更に反論しようとする男の前にフッと青龍が目の前に現れる



青龍『これ以上美澪を苦しめるな、美澪の幸せを奪うな、これ以上美澪を苦しめ幸せを奪うなら俺も同じ様にお前の事を苦しめ幸せを奪ってやるぞ』



脅しとも言える発言を青龍は男に突きつける



青龍『お前ら一族は本当昔から変わらないな、屑の塊か?お前らみたいな奴がいるせいで何人が傷ついて涙を流してきたと思う?知らないだろ?自分のことを最優先に考えてたもんなぁ?困った時だけ守ってもらい、鬱憤などが溜まったらこうやって美澪達を傷つけて、他人の不幸は蜜の味とも言うもんなぁ?まぁ良いもう一度言う、黙れ』



ジッと男の瞳の奥を見つめる青龍



騰蛇『……もう良いじゃん、そろそろ美澪の好きにさせてあげなよ、…まぁ別に…俺としてはお前らがどうなろうがどうでも良いはどうでも良いけど……、颯清の事もあるし…俺は別に純桜寺家全員に仕えてるわけでも無ければ全員に忠誠を誓った覚えもないし……』



だからこれが最終忠告、とため息をつきながら騰蛇も続けてそう言う



式神達にとって人間は皆守るべき存在だと思っているがロボットなわけじゃないもので各々意思はある


大事な存在である美澪や颯清、過去に遡れば怜月や陽向、そして陽向の父親であり美澪達からすれば叔父で怜月の弟である純桜寺 蛍路(けいじ)が傷つけられれば良い気持ちになるはずがない


しかも度が過ぎている、こうなるのも仕方がないは仕方がないのだ



??『……ッ』



流石の式神相手には人間が勝てるはずがなく、何かまだ言いたげにしながらも黙った



青龍『……美澪、お前が明楽と共になることがお前の幸せなら、俺達はそれを応援する、もう戦いは終わった、美澪や颯清、それに怜月達もよくここまで頑張ってきたと思う、だからもう、自由になれ』



最初から最後まで見守ってきた式神十二天将、その言葉に他の十二天将や八将神達も頷く



貴人『…ここまでよく頑張ってきたね人間達よ、そして、我ら式神十二天将及び式神八将神の今後は…?』



式神十二天将、八将神



元は惰殺に対抗するために生み出された戦闘兵器


戦いが終わった今、もう戦闘兵器は要らない



そう感じているからこそ、自分達は今後どうすれば良いのだと貴人は問う



貴人『颯清や怜月達が望むなら札に還ろう、呼び出されなければ私達は勝手には出てこれないからね、…それで、どうすれば良いのかな?』


颯清『この先もずっと一緒にいよう、貴人』



何の躊躇いもなく颯清はそうキッパリと言い切る



颯清『そんな寂しい事言わないで、一緒にいよう?』


美澪『今まで一緒に戦ってきてくれたのに、それが終わった今用済みですなんて言わないし私はもっとみんなと一緒にいたい』


怜月『……だそうだ、貴人。こちらの願いとしては今後も共に過ごしていきたい、後はそちらがどうするかだが?』



答えは分かっているがな、という様な表情を怜月はしているが「どうなんだ?」と微笑みながら貴人に問いかける



貴人『…ふふっ、怜月分かっているくせに、…ああもちろんだとも、私達も君達と共に過ごせるのは、幸せな事だよ』



ふんわりと微笑み返し、平和で穏やかな空気がその場に流れた



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