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168 悪いのは全部姉さんだ!

「そう言うことだったんですね。確かに、あの時は気が付きませんでしたがよくよく考えれば不自然なことが多すぎます。あれだけ甘いケーキなんですから、ケーキ一つに対して砂糖が使われている量なんてかなりのものです。


そのうえ、万博なんですから、来場者の数を考えばかなりの数を用意しなければなりません。そんな量を用意すれば普通の方法では私たちの国だって財政が危なくなってしまいます。」


「おい、どうしてそんな大事なことを今まで報告しなかったんだよ。くそっ、コーカリアス王国の国王め、今朝の話し合いでやけに弱腰な姿勢だと思えばそう言うことだったのか。


一応、確認しておくが、そいつのせいで帝国から逃げ出した人間というのが、その砂糖の製法を生み出したクレハという人間なんだよな?」


皇帝は、こんなことは何かの間違いではないのかという一縷の望みにかけるが、そんなことはありえない。


「お父様、現実を見てください。これのせいで逃げ出したクレハとクレハ商会のクレハは同一人物です!


ケーキを生み出す天才的な人間だと思っていましたが、まさか砂糖の精製の成功していたとは、それならケーキと言わずどんなお菓子も作り放題じゃないですか!この生ごみが!お前なんてさっさと火葬してしまえばいいんです!」


「おい姉さん、俺はまだ死んでいないぞ!人を勝手に殺すなよ!」


「どうせお前は今日処刑されるんだから一緒です!本当に生きているだけで人様に迷惑しかかけないような人間ですね。」


第四皇子は第一皇女に勝手に殺されたことに抗議をしているが、第一皇女の怒りは未だに収まりはしない。そんな二人の喧嘩を聞きたくもないと、皇帝が止めに入る。


「お前たち、やめないか!まったく、どうしてお前はそんなことをしたんだ。その貴族の女をそこまで自分の女にしたかったのか?」


「何を言っているんだよ、もともと、俺の女なんだから、別にどうしようと俺の勝手だろ!何をみんなして怒っているんだよ、姉さんがサンドラと婚約破棄をさせたのが原因だろ!悪いのは全部姉さんだ!」


その話を聞いて、ようやく皇帝は思い出す。クレハが第四皇子の元婚約者であったという事実をだ。彼は皇帝ということもあり、一日に顔を合わせる人間など、数えられないくらいなのだ。


だからこそ、今まで忘れていた、偉業ともいえる砂糖の精製をなし得たコーカリアス王国の秘蔵っ子がもともとは自身の国にいた人間だと。


忌々しいシルドラ家のせいで自国の貴重な人材がコーカリアス王国に流失してしまっていた事実を。


ここにいる第四皇子がクレハからサンドラに乗り換えていなければ、シルドラ家がまともな家系であればこのようなことにはなっていなかったと考えると、頭を抱えたくなる皇帝だった。


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