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166 第四皇子、クレハの正体を知る

「ちょ、親父冗談だよな。流石に処刑なんてジョークだよな。」


第四皇子は皇帝のまさかの発言に、冷や汗をかき、必死に抗議をしている。まさか、実の息子を処刑するなどということがあるはずもないが、今までそのようなことを言われたことがなかったから、少しだけ、少しだけ、第四皇子も恐怖しているのだ。


「うん?あぁ、安心しろ。苦しまないようにしてやるから、ギロチンでいいだろ?」


しかし、第四皇子の願いはあっけなく、散ってしまう。皇帝はなんと具体的な処刑方法まで提案してきたのだ。苦しまないようにしてやるとか言っているが、そう言うことではないのだ。


「お父様、よくご決断なさいました。それでは関係者各位に本日は第四皇子の処刑を行うと通達してきますね。」


「よくやったクネ、これでこそ、ライスオット帝国の皇帝クネ。見直したクネ!」


皇帝の発言に第一皇女とテクネー王妃は満足し、第一皇女に至っては第四皇子の処刑の通達をするために部屋から出ていこうとしてしまっている。


「ま、待ってくれよ。どうしてそんなことで処刑なんかされなくちゃいけないんだよ。たかだか、平民を連れて行こうとしただけだろ。それの何が悪いって言うんだよ。」


第四皇子はこの場に及んでまだ、クレハの正体を正確に理解していなかったのだ。彼の中ではクレハは未だに平民であり、誰もが認めるクレハ商会の会頭、コーカリアス王国のビオミカ男爵という肩書を把握していない。


「何を訳の分からない事を言っているの?クレハが平民?あなた一体いつのことを言っているのかしら?彼女は既にコーカリアス王国の男爵位を受け取っている正式な貴族の身分よ。」


「そうクネ、それにただの貴族じゃないクネ。クレハは誰にもなしえないような高い技術力を有している商会の会頭も務めているクネ。


それだけで私の国に来てくれたら私の権限で伯爵くらいまで一瞬で与えることが出来るくらいの技術力クネ。せっかくそのことに関してクレハと話す機会を設けようと思っていたのにお前のせいで全部水の泡クネ。」


こんなテクネー王妃の発言に待ったをかけたのは皇帝だ。テクネー王妃のオリクト王国は高い技術力を有している国として知られている。そんな国の王妃が直々に話を持っていこうとするくらい高い技術力を有しているとなると、国を治めるものとして皇帝が気にならないわけがなかった。


「テクネー王妃、そのクレハが高い技術力を有しているというのは一体どういうことなのでしょうか?良ければ教えて欲しいのですが?」


本来であれば他国の人間に今から引抜きをかけようとしている人間の情報を渡すなど、愚の骨頂と言われるようなことだが、クレハは砂糖の件に関して特に秘密にしているわけではない。そうであれば調べればすぐに分かることなので秘密にする必要などないのだ。


そんなことよりも調べてわかるような情報を教えるだけで恩を売ることが出来るのであればそれこそ、有意義な情報の使い方と言えるだろう。そう言った理由から、テクネー王妃は砂糖のことに関して語り始めるのであった。


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