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138 復讐の時!

「キエ~~~~~~~~~、サ~~~ラ~~~!きさま!よくも、よくも、よくも、私のプリンを!」


ついに王妃が壊れてしまったとクレハは直感的に感じてしまった。しかし、王妃の本心を知らないルークは突然の王妃の豹変に目を丸くして驚いていた。


「オ、オーナー、どうしたんですかこれ?」


クレハは今までのサラの行為に王妃の怒りがたまっていたことを説明する。


「それって不味くないですか?ていうかサラさん、この状況でどうして気にしないでプリンを食べていられるんですか!」


「ふふふふっ、プリン、プリン、プリン。」


壊れた王妃はサラに近寄り笑みを浮かべる。夢中でプリンを食べているサラは王妃の接近に気づきもしない。王妃はどこから取り出したのかロープを取り出し、瞬く間にサラを縛り上げる。


「んーっ、んーっ!」


王妃に縛り上げられてようやくサラは現状に気づく。サラを縛った王妃はようやくプリンを食べられるとプリンを捜すが既にサラのお腹の中に納まってしまっている。


「サラ、また私のプリンを食べたのね。今日という今日はもう許さないわ、あなたにはとっておきの罰を与えてあげる。ふふふっ、ふふふふっ。ねぇクレハ?」


王妃は振り向きクレハに話しかける。クレハは生涯忘れることはない、それほど王妃の顔は恐ろしかったのだ。


「は、はい、なんでしょう?」


「あのね、クレハにはプリンなんて比べ物にならないくらい素晴らしいスイーツを作ってほしいの。プリンなんて霞んで見えるほどのものよ。できるかしら?」


王妃の目からは光が消えているのにもかかわらず、その表情は笑みを浮かべている。人間がこんな顔をできるのもなのかとクレハは生唾を飲んでしまう。


王妃はクレハにお願いしているように聞こえるが実際にはお願いではない。商売において百戦錬磨のクレハでさえも今の王妃に逆らう気は起きなかった。


「も、も、もちろんですよ。プリンなんて鼻で笑うくらい美味しいスイーツを用意出来ます。ルーク、手伝ってください。」


「そうですね、僕も手伝えばすぐに用意できます。」


二人は一刻も早くこの空間から逃げ出したいのか、ささくさと部屋を飛び出す。




それからしばらく経ち、クレハとルークの二人はあるスイーツを王妃の元へと持参する。部屋に帰ってきた二人が見たものは今回の騒ぎの原因となったはずのサラがロープで縛りつけられているのにもかかわらず、床でのんきに眠っている姿だった。


そんな姿を見た二人はサラのせいで自分たちがこんな目に合っているのに、ここまで無邪気な姿は何なのかとイライラし始める。サラの姿を見た二人も何か変なスイッチが入ったのだろう。二人は向かい合い意味ありげな笑みを浮かべ、王妃を見つめる。


その含みのある視線に王妃も気づいたのだろう、ニヤリと良い笑みを浮かべる。この瞬間、1対3の対サラ同盟が完成したのである。


「王妃様、こちらがプリンなんて足元にも及ばないスイーツであるケ~キです!」


「王妃様、以前オーナーから聞いたのですが、このケーキというものはスイーツの頂点らしいです。ぜひ、召し上がって下さい。」


二人の思惑通り、ルークのスイーツの頂点という言葉を聞いた瞬間、眠っていたはずのサラは目を覚まし、体と口に縄を巻き付けられながらキラキラした目でケーキを見つめている。


そんなサラを見て三人は腹黒い感情が押し寄せるのであった。


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