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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
六章 ビオミカ男爵領
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129 伯爵家のカウントダウン

クレハにとっては前世で使い込まれた詐欺の手段であったため簡単に詐欺であることが見抜けた。しかしながらこの世界ではたとえ詐欺が行われたとしてもその話を広める連絡手段が口頭などでしか行えない。


そのため、伯爵もまんまと騙されてしまったのだ。王妃などのような優秀なものであればそのような詐欺に引っかかりそうになっても詐欺師を怪しみ被害にあわないだろう。しかし、今回被害にあった伯爵は当然なことながら皆無である。


所詮は運よく貴族の家に生まれただけの運がいい人間。自らの力で爵位を得たわけでもなく、研鑽を積んだわけでもない。生まれながらの貴族という地位に胡坐をかいていた伯爵が詐欺師に騙されてしまうのは必然の出来事であった。


「常套手段なの?私は初めて知った手口だわ。残念だけどこの詐欺師はまだ捕まえることができてないの。まぁ、クレハはしっかりしているから心配の必要はないのかもしれないけど。」


「いえ、ご心配頂きありがとうございます。それで、今後、伯爵はどうなるのですか?」


「正直、貴族として生きていくのは難しいかもしれないわね。お金が無ければ屋敷の維持も行えないし、領地の運営も行うこともできない。普通はこういう時に知り合いの貴族からお金を貸してもらったりするのだけれど、伯爵には信用がなかったのね。


今も王都のお城で色んな貴族にお金を貸してほしいと頼んでいるけど、伯爵にお金を貸してしまえば絶対に返ってこないって言ううわさが広がっているのよ。


だから、誰もお金を貸してくれないわね。そして、お金が全くない貴族はお金を得ようとするために外国と結託して国を売ろうとする事件が過去にも起きたからお金が用意できない場合は爵位を返上しなければならないのよ。


流石に猶予期限はあるけれども、あの伯爵なら誰からもお金を借りることは不可能だし、自分で稼ぐにしても自分では何もしない人間だから不可能だと思うわ。つまり、貴族でいられるのは猶予期限までの話ね。」


「その期限とはどれくらいなのですか?」


「そうね、一概には言えないのだけれど今の伯爵の状況を考えれば1カ月くらいかしらね。それを超えてしまえば、伯爵は貴族でいられなくなるから平民となるわね。」


元々、今回の騒動の原因は伯爵がクレハに対して圧力をかけようとしたことが原因だ。そのため、クレハ自身は伯爵が平民になろうがどうも思わない。しかし、自身に対してここまでしてきた人間だ。


仮に、平民の位へと落ちた時に彼は無事に過ごせるのだろうか?もともとお金がないから貴族でなくなるのだ。生まれながらにして貴族であり、苦労もしたことなく自分でも働かない人間が平民となり生きていくために必要なお金を稼ぐことができるとは思えない。


「あの、今まで働いたことも、苦労したこともなさそうな伯爵がいきなり貴族でなくなって生きていけるのですか?」


「おそらく無理でしょうね。ですが貴族でなくなったのであれば、それは今まで努力を行わなかった結果です。自分の思い通りにならないのは、自分の努力が足りないからです。そんな人間を救う必要はありません。私の手は頑張っている人をすくい上げる為にあるのですから。」


「そうですね、そんな人を助けるのであれば、もっと頑張っている人を助けなければなりませんよね。さっ、王妃様、あんな伯爵の話よりも新作の料理のお話をしませんか?」


クレハが伯爵のことから新作の食べ物の話を始めると王妃の顔が笑顔で満たされる。先ほどから黙っていたサラも食べ物のことと言われてしまえば黙っていられない。興味津々でクレハに話しかけるのであった。


「あら、それはいいわね。」


「クレハ様、私にも、私にも食べさせてください!絶対に食べますよ。」


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