014話
『装備に関してですが、地球から情報は取得できました。ただ、材料の入手は技術的には可能でも、現実的にはかなり難しい状況です。
そのため、転生先の資源を加工して、いくつか試作品を製作しました』
神(仮)の言葉と同時に、テーブルが出現し、数丁の武器が整然と並べられる。
『第一希望であるアサルトライフルですが、単機能の武器ではなく、複合機能を持つ形で再設計しました。
M14ライフルをベースに、銃剣と射撃の両方で最適なストック形状と重量バランスに変更し、さらに軽量化。
マウントベースを追加し、モジュール式武器としての汎用性を確保しています。
また、整備性と操作性も構造面から改良し、ストック部分には反動吸収機構を搭載しました』
テーブルの上の一丁を手に取る。M14をベースにしているとのことだが、形状は大きく異なる。
しかし、握った感じや取り回しは驚くほど自然で違和感がない。
何よりも――軽い。
マガジンを装填した上に、光学サイトらしきもの(おそらく1〜6倍の可変スコープ)まで載っているのに、軽い。
しかもこのスコープ、広い視野を持ちながら異様に明るい。まるで反則だ。
「……これ、明らかに元より高性能化してる。
取り回しがすごく良いし、全備重量でも……5キロくらい?
それにグリップじゃないのに、握った感触が、まるで吸い付いてくるみたい……」
『重量はほぼ正解です。5.25kg弱ですね。
ストックの木材部分には、まだ半分生きている素材を使用しています。
この素材は周囲の魔素(=魔力の元)を吸収して仮死状態を維持します。
特別な栄養補給は不要です。
さらに、手に触れた部分が微細に形を変えてフィットする構造になっており、
表面には微細吸盤構造があり、軽く吸い付くような触感を実現しています』
……なんと。生体素材だと!?
地球ではまだ実現していないような夢のマテリアルを使っているのか。
なるほど、これは握りが良いはずだ。
(……まあ、見た目がキモくなくて本当に良かった。もし見た目がナマモノ感満載だったら、多分その場で投げ捨ててた)
だが――問題が発生した。
「あれ……? マガジンが……え、ない? リリースボタンもレバーも見当たらない。
……ってことは、もしかしてクリップ装填式?」
『違います。これは空間収納と連動した自動装填式です。
弾薬が空間ストックにある限り、自動で装填され続けます。
ただし、基本設定のフルオート(連射速度)では、装填処理がやや追いつかない場合があります。
連続使用をお望みでしたら、発射レートを450発/分程度に下げて運用するのが適しています』
「うーん……でも、発射レートを下げると冷却の暇がなくなるから、銃身加熱が問題か?」
『銃身および薬室の素材には、発生した熱を微量の魔力に変換し、
その魔力でストックの生体素材へ供給する魔術回路が組み込まれています。
したがって、よほど長時間連射しない限り、過熱による性能低下は発生しません』
……素晴らしい。グレートだ。パーフェクトだ。
問題を探す方が難しいくらいに、完成度が高すぎる。
『さらに補足ですが――
銃全体に、回復魔法を応用した冶金魔法術が施されています。
消耗や破損があっても、ストックの生体素材が保持している魔力を使って、
空間ストックから材料を自動補充し、常に最高の状態を保つよう設計されています。
このため、射撃時の熱変形による弾道ズレも、理論上はほぼ発生しないはずです』
……神(仮)、こいつ、想像以上に有能すぎる。
こちらが言葉にせずとも、「欲しいであろう性能」を勝手に推論し、完璧に作り上げてくる。
――やはり、人類とは違う。上位存在というのは、こういうことなのだろう。




