68話 ココの成長
水曜日。
メイクスキルが生えた。ナチュラルメイクは以前からやっていたのに今になって生えたのは予想外である。
化粧や調髪ではなくメイクやヘアメイクという名前から、異世界にはもともとなかった美容スキルが何らかの仕様変更で生えたのか、私のメイクスキルの完成度が上がったせいなのかは分からない。
地球の専門的な技術を異世界に持って行ってスキル化できるなら、もっともっとしたいと思う。
「唯芽、来週の土曜の深夜に部下と釣りにいくよ。僕が教えられるくらいに覚えたら、唯芽も連れていって教えるから。それまでは留守番してくれるかな?」
夫からこんな事を言われるのは初めてだった。
「なんで?一緒に始めようって言ったのは律樹さんなのに。」
相手が仕事の関係の人だから私を連れて行けないのかもしれない。交友関係にうるさい女だとは思われたく無いけれど、私1人に丸投げして新しい趣味を考えさせておいてこれはちょっと納得がいかない。
「2人で行く約束をしたから、君が行くと相手も困るよ。僕がちゃんと覚えてくるから聞き分けてくれないか。」
部下は村瀬さんというらしい。飲みに行って意気投合して、連れて行ってもらう事になったとか。私は浮気など何も疑っていないのに、メッセージ画面や連絡帳を開いて「やましいことは絶対しないから信じて欲しい。」と交友関係を見せてくれた。
そこまでしてくれたのにわがままを言いたくないから引き下がったし、夫が友達と遊びに行く事には何も文句はない。ただ、新しい趣味を2人で一緒に始めようと誘ってきたのは夫の方なのだ。何故予定が変わったのか、この先どうなるのか教えてほしい。今まででこんな事は初めてで私も戸惑っているのだ。
口論が聞こえていたのか、夫が出掛けてからキッチンでただ座ってぼーっとしていた私に息子が言った。
「俺だって彼女がよその男に手取り足取り教えてもらってたら嫌だわ。ただでさえ母さん何でもできるのに、たまには父さんに主導権譲ればいいじゃん。父さんきっと母さんに自分で教えたいんだよ。」
「和樹は若いからそうなんでしょうけど、父さんはそんな嫉妬する人じゃないよ。大人の男はそんな事で妬かないんだよ?」
本当に悔しいくらい余裕があって、大人の男って感じだから、私なんて常にあしらわれっぱなしなのだ。
息子はいつもの呆れ顔でため息を吐いて
「母さんマジで分かってねえー。自覚なさすぎ。父さんが可哀想だわ。」
と言い捨てて自室に戻って行った。
「えぇ……。律樹さんに置いてかれるし、和樹は私の事下に見るしで私の方がずっと可哀想だよ。」
異世界。
落ち込んでいる私の横に、ココが来てくれた。
最近コココと鳴くようになって、私にタックルしなくなった。感情が落ち着いてきたみたいで、受信するばかりだった念話で、時々思念を飛ばしてくるのだ。ココからは心配そうな気持ちが伝わってきた。
「大丈夫だよ。ありがとう。ココは優しい良い子だね。」
私はココを抱きしめた。
ココは見た目も鶏っぽくなってきた。
まだトサカはないけれど。
鶏がこんなに早く育つ訳がないから、魔物だからなのかも知れない。1メートルくらいある。もう唯花を乗せて走れるだろう。
ココに乗れるのはちょっと羨ましい。
最近は自由にしている事が多いので、大人になっても私のそばに居てくれのかちょっと不安になる。私が不安に思っていると、コココと鳴きがながら寄り添ってくれた。
ココは本当に優しくて思いやりがある。
作り直したばかりの収納バングルが小さくなってきて可哀想だったけれど、なんとココにアイテムボックスのスキルが生えていた。
大人になって大きさが安定したら、何かステータスの上がるお守りをあげたい。
ココは、HP自動回復とMP自動回復が増えていた。そんなスキルが増えるなんて無理してるみたいで心配だけれど、私より強いココに1人で外に出るななんてとても言えない。
「ココ、外で狩りしても良いけど無茶や危ない事はしないでね。絶対だよ?」
名前 ココ レベル39 唯芽の従魔
ビッグジャングルフォールの大雛 メス
HP 1496
MP 1170
力 408
体力 748
素早さ 684
器用さ 291
魔力 585
運 52
特殊スキル NEW!
浄化 念話 飛翔 水泳 HP自動回復 MP自動回復
解体
アイテムボックス
探索系スキルNEW!
索敵 隠密 気配察知 魔力感知 罠感知
戦闘系スキル
身体強化 体術 挑発 威嚇
魔法スキル
水魔法 風魔法 土魔法
光魔法 治癒魔法 植物魔法
空間魔法




