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69話 和樹の持つスキル

最近息子がそわそわしている。

「この家何かを感じるんだ。誰もいない部屋から、音とかする訳じゃないけど何かを感じる……」

さすがに鋭い息子である。それはきっと唯花だ。だけど唯花は隠密や認識阻害を持っていたのになぜ分かるのだろうか。

「まさか……この家に霊が?」

「いや怖すぎるわ」

とは言っても息子には予想で神聖魔法があるらしいから本当に霊なのかも知れない。

「あの懐中時計、厄除け祈願してあるからいつも持っていてよ?」

「冗談抜きでやめろ。マジでビビらせんな」

と言ってバイトに出掛けていった。


「唯花、認識阻害で誤魔化せないってよくあることなの?」

「マスター、和樹さんのステータス確認をした方が良いです。恐らく何らかのスキルがあると思われます」

ステータスか。子供のプライバシーを親が覗き見するのはポリシーに反するから避けていたけれど、仕方ない。見るしか無いか。



バイトから帰ってスナック菓子を食べながらテレビを見ている息子を後ろから鑑定する。

「何?ジロジロ見て」

息子が冷ややかな目をして振り返った。

「あまりお菓子食べすぎないでね」

そう言って息子のステータスを眺める。


神聖魔法じゃなくて直感と霊感だった。


地球で魔力感知なんかしないから気付かなかったけれど息子の魔力が増えている。というかレベル1なのに基礎ステータスが高すぎる。若いからなのか?運の初期値も28とかなり高い。私は確か初期は17で、レベルアップでかなり上がったけれど、殆ど上がらないままの人も居ると唯花から聞いた。

神様はこの子と間違えて私を異世界に送り込んだのかも知れないと本気で思ってしまう。

「ねぇ。和樹って霊が視える人なの?」

気になるのは霊感、お盆のあの時まで私はそんな話をこの子から全く聞いた事が無かった。

「だから怖すぎるって。朝言った事は気のせいっていうか、ネズミとかGかもだから霊とか言うの頼むからヤメロ」

「いや私はそっちの方が嫌だわ!」

やめて!霊の方がだいぶマシ!

「はあ?古い家なんだからそんぐらい居るだろうが」

「そんなわけないわ。めちゃくちゃ掃除頑張ってるんだから!いるとしたら和樹の部屋でしょ!ねえ!ほんとに部屋でお菓子食べないでよ?!散らかさないで!」

「何言ってんの。こういうのはな、いくら綺麗にしても外から入ってくんだよ。古い家には隙間があるもんだ」

まじか!!!全力で補修せねば!!家中の穴を塞がなくては!


私は念話で2階の作業部屋にいる唯花に声をかける。内鍵をかけられるし、ドールハウスで座っていれば人形にしか見えないから基本的には作業部屋でインターネットをしている唯花。

"唯花!この家にネズミが居るかも知れない!"

"居ませんよ。気配察知でわかりますし"

"穴があったら外から来るって!!"

"さては言いくるめられましたね……。念のために全部屋の補修はしましょうか。この際ですから和樹君の部屋と旦那様の書斎の押し入れも見ておきましょう"

だけど、夫の書斎には入ってはいけないルールだ。

"だめだよ。和樹はともかく、書斎はダメ。妻が夫の部屋を家探しするなんてダメ"

"……わかりました。目視せずに補修や浄化ができたらいいのですが"

全くできる気はしない。何をどうしたらよいのか分からない。見えなければゴミとそうじゃないものの区別もつかない。万が一大事な書類を紙屑と間違えて消したら大変じゃないか。


"それよりも、和樹さんはどうでした?"

"魔力があったの。魔力草ハーブティー止めた方が良いかな?"

"神聖魔法では無かったので、霊への抵抗力を高める為にはむしろ飲んだ方が良いと思われます。霊感で引き寄せてしまっても対抗する手段がないのです"

"わかった。あの子の勘が鋭いのは直感のせいなんだね"

"直感で何か感じても、認識阻害の効果で気のせいだと思うはずなんですが。和樹さんはもともと猜疑心や警戒心が高い方なのでしょうか。私の認識阻害よりも直感の熟練度が高いのかも知れません"

そうかも知れない。過剰なくらい慎重というか心配性で私の事を危機感が足りないとすぐ怒るのだ。

"ではマスター、早速今からキッチンのシンク下と、洗面所、風呂場、トイレの水回りの確認にいきましょう"

"は?"

このあとめちゃくちゃ補修した。


異世界。

私達は先日建てたガゼボの中でお茶を飲みながら、初ちゃんにどこまで話すかを唯花と話し合ってる。

「コココ……」

外なのでココもそばにいられる。

「少なくとも私の存在は話した方が良いです。今までの動画を撮った協力者の存在、マスターから話すのを多分待ってると思います」

私はココを撫でながら唸る。


「うーん……。そうすると必然的にほぼ全て話す事になる?」


「全てを私のせいにすればマスターが人外級なのは隠せるでしょうけど、撮影の趣旨からして隠す必要はあるのでしょうか」

人外って本当の事だけど傷つくよ。

息子のステータスを見て自分が化け物だと改めて思ったのだ。


話したくないのは、怖がられたく無いっていう個人的な理由でしかない。

「パートまで辞めてくれて、これで私が隠し事してるなんて卑怯だよね」

「というよりかは、普通は力を利用されないか心配するのですけどね。見ている限り、初さんなら、嫌ったりはしないと思いますよ」

唯花は何を見てそう思ったんだろうか。その謎の自信が全く分からないのだけれど。

「分かった。明日話すよ。それで友人を失っても、唯花はこれからも手伝ってよね?」

「当然です!私はマスターに一生ついていきます」


久我和樹:レベル1

レベル1

HP 54

MP 24

力 31

体力 27

素早さ 18

器用さ 24

魔力 12

運 28

常時発動スキル 直感 霊感

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