63話 かまどで肉焼いてみた
木曜日です。
「こんにちは主婦ユメカです。初めて動画で喋ります。慣れていませんがよろしくお願いします。今日はダッチオーブンを使ってかまどでお肉を焼こうと思います!」
私は今、変装メイク状態でカメラの前にいて、右手に斧、左手に薪を持っている。
「いつもはホームセンターで買った炭と七輪を使ってそこのテーブルで座ってやるのですが、今日は薪を割って、あのかまどを使いますよ。見てあれ!あのかまど!あれも手作りです!」
今日は動画を撮っている。以前は職人という感じで良い感じに編集してくれていたのだけれど、今回は変声スキルで喋りながらである。
「まずは薪割りです!私は力持ちなので余裕でパッカーンと割れます!」
異世界から持ってきた良い感じの小さめ切り株に薪を置き、高いところからまっすぐ斧を振り下ろしパッカーンと割る。インパクトの為のパフォーマンスだ。
「でもこれ、道具によって割り方が違います。ナイフでもこうやって割くように少しずつ割れます。」
斧とナタ、ナイフとそれぞれやり方を簡単に説明したら手際良く薪を組み、バーナーで火をつける。
「続いてはダッチオーブン!ここにオイルを敷いていきます。そしてかまどの上に置いて、熱して、ハーブソルトで味付けしてあったお肉の表面全部を焼き付けますよー」
いつも黙々とやるので、今日は慣れない感じだ。
「焼けたらお肉を取り出してロストルを敷いて、その上に肉を置き、蓋を閉めます。本当はこの上に熱い炭を置くんだけど、今日は薪だから、燃えてる薪を置くよ。炭しかやったことないのでうまくできるかは分かりません。このまま30分放置。この間にソース用の玉ねぎ切っていこうか」
玉ねぎをみじん切りにしたり合わせ調味料を作る。
「でもあれだねー。今気付いたけどこれ、隣のピザ窯でやれば楽勝だったねー。ていうか、実はこっちでもう焼けてまーす」と言ってピザ窯からは野菜と一緒にダッチオーブンに入れた肉を取り出して、木のまな板の上でホイルに包んだ。先に焼ける様に仕込んであったのだ。合わせ調味料をあいたダッチオーブンに入れて仕上げた。そして時間差でかまどの方も焼けたのでホイルに包む。
ピザ窯で焼いた方はよく火が通ってしまったけれどまあ成功。切り分けてソースをかける。そして竈門で焼いた方も切り分け断面を見せる。動画で味見のために一切れずつ食べて感想を言って終了だ。
残りは夕食にした。
何の肉とは言わなかったのに公開したらコメント欄で鹿だとバレた。まあオチがついて良かったのかなと思う事にする。
主婦が鹿焼く動画とか言われてるらしい。
異世界。
「いつもやってる事だからいまいち新鮮さが無いね。でもあれだ、やっぱ鹿は危ない。買ってない事バレたら言い訳できない。」
私は異世界でバスケットゴールを作りながら言った。
「ゴールもなあ、作るとしたらこのネットと輪っかが難しいか。ここだけ買った体にする?ダッチオーブンもメーカー分からないとか言われてたし、手作りのものは危ないのかな。」
本当に日本は管理されすぎで簡単に面白いことはできない。出来る事なら目の前でワニ皮の財布とか作れば面白いと思うんだけどね。魔法使ってマジックだというのも面白いかもだけど。
できたゴールでダンクの練習しようと思ったら一発で成功した。
錬金で作ったバスケットボールは、革の型押しが思わぬところで役に立ったと思う。
「やっぱり公園でやるより、家にゴールがある方がインパクト強いよなあ。売れる動画作るのは難しいなあ」




