55話 見られた
川田さんは今日も元気。
グイグイ来るから最初は警戒していたけれど、悪い人では無い様だ。最近DIYをしていると話すと是非見たいというので、ウッドデッキができたらお茶に招待する約束をした。
自信作だという水茄子のお漬物をいただいた。私も後で何か持っていかなくては!
今日のウッドデッキ作り、唯花が動画を撮りたがった。手作業でやる様子を撮ってガゼボ作りの参考にしたいと言うので、錬金術を使わずに枠組みというか骨組み?を組んだ。
動画を保存していけば、電波が無くても向こうで見られる事に全く気付かなかった。唯花は天才か!
今日はあくまで人間が1人でできる範囲をこえないように中断した。まどろっこしい。一気にやりたい。
その後は、お盆の間休んでいた発送作業の続きと、昨日作った小物類の出品をした。石鹸も最初に作った分はもう少ないけれど出品する。一度に出す数が少ないからかよく売り切れる。同じ人が何度も買ってくれているのもある。
ちょっと商品が足りないので、唯花が織ってくれた布を錬金術で染めて服を作った。
やっぱり手作業が良いと唯花が言うので、リビングにミシンを出してきて使った。
オフホワイトのブラウスに、茶色の縦ストライプのジャンパースカート。ウエストの部分は編み上げて、裾はがっつりフリルと黒のレースをあしらいロリータ風に。髪には茶色のリボン。木製の大小様々な歯車のチャームを配置していく。男の子用はベストとハーフパンツ。裾を絞ってちょっとだけバルーンぽくなってる。頭にはゴーグル付きのハット。
それをマネキンに着せようとして、以前マネキンにお化粧したままだった事に気付く。まあでも本物のドールには見えないからいいかと思い直した。ウィッグは男女ともミルクティーブラウンで。
撮影セットの機械工房を設置して、地球儀とオイルランプを飾り、懐中時計を手に持たせ、双眼鏡を首から下げて唯花からスマホを返してもらって写真を撮った。
全部を手作業でやると割と時間がかかる。それでも1日でデザインから2着は早い。
「ふーーー」
ため息吐いて振り返ったら目を輝かせた息子が居た。
は?!没頭しすぎて気配察知の反応に全く気付かなかった。
「凄いなそれ……。超細かい。機械?エンジン的な。え、これ何?買ったの?いくらぐらいするの?」
エンジン的なのは部屋の内装の事だ。
「いや、殆ど作った……。」
いつの間にか唯花が居なくなっている。うまく隠れた様で胸を撫で下ろす。
「まじかすげぇ!かっけぇ!」
顔を近づけてドールが手に持った懐中時計をガン見する息子。
「いや、買ってきたパーツ貼り合わせるだけだから」
息子は機械系好きらしい。初耳である。
「良いなー……懐中時計……。」
そうかー、懐中時計刺さっちゃったかー。
「あげるよ……キーホルダーだから実際には動かないけど」
懐中時計のキーホルダーをはずしてテーブルに置いたが息子は受け取らない。
「サイズ……もう少し大きいの作れる?動くやつとか。」
「え、まあ、できると思うけど。」
「作って!お金払う!」
「いや、普通にあげるけど…。」
「っし!やった!ありがとう!」
ちなみに今私は絶賛パニック中である。実はとんでもない安請け合いをしているのだが正常な判断ができていない。見られたのはミスだった。魔法を使っていなかったのは不幸中の幸いというところか。
「気配察知に反応があったのですぐに隠れたのですが、マスターが気付いていないとは思わず。申し訳ありませんでした。念話で伝えるべきでした。」
「いや唯花は悪く無いよ。私の不注意だよ。作業に没頭してて全く気付かなかった。対策いるよね。」
まじで。魔法が見つかったら詰みだ。
「でしたら空き部屋を作業場に改装してはいかがでしょう」
そうだ。部屋はあるのだからむしろ最初からそうすべきだったのだ。まだまだ夏休みは終わらない。大学の夏休みは長いんだ。バレない様に気を引き締めていかないと!
「律樹さん、私自分の部屋が欲しいの!」
というと夫は相当驚いた顔をした。
「え、空いてる部屋ならどこでも使って良いんだよ?もしかして遠慮していたのかい?」
というか、そういう発想が無かったのだ。
私は2階の一室を手に入れた。
異世界。
私が聖域でどんどん増えていってる精霊さん、ドライアドさんやノームさんをぼーっと見ていた。
「はええ。凄い速さで炭焼き窯の横に鍛冶場が建ってってるよ……。」
昨日まではそこには何も無かったのだが。
ココと2人で川から帰った唯花が嬉しそうに言った。
「マスター!うなぎを捕獲しました!」
「え!鰻が居たの?!」
聞けば川に聖域の木で作った罠を設置していたらしい。どんどん発展する拠点に勝手に増える獲物……。ちょっと気持ちはついていかないし、色々と複雑な気持ちなのだけれど、それはそれとして鰻は嬉しい。唯花は罠設置や罠解除といったスキルも得た様だ。
リトルイール 非常に美味しい
リトルと書いているのに普通に中国産より大きく見えるのは気のせいだろうか。大きいからといって大味ではないと信じたい。
その後、作業部屋用のシンプルな座卓と座椅子と、ドール撮影用のテーブルを作った。
唯花の踏み台や脚立も作った。多分ジャンプ力凄いのだろうけれど一応ね。
新たに小麦を育て始めてるドライアドさんに、今日インターネットで購入した綿の種を渡したら「区画 増やして」とふんわり念話されたので南に増やした。
唯花 レベルなし
ゴーレム 製作者唯芽
特殊スキルNEW!
アイテムボックス 鑑定 浄化 念話 擬態 擬装
MP自動回復 並列思考 思考加速 並列処理
認識阻害
探索系スキル
遠見 索敵 隠密 罠設置 罠解除
戦闘系スキル
身体強化 暗殺 体術
生産系スキル
解体 農業 裁縫 織布 木工 養蜂 養蚕
地図制作 文書作成
芸術系スキル
動画編集
魔法スキル
火魔法 風魔法 水魔法 土魔法
植物魔法 精霊魔法 治癒魔法
雷魔法 複合魔法 隠蔽魔法
炭焼き窯 資材置き場 白詰草蜂 かいこ桑 空き地
鍛冶場 空き地 空き地 空き地 芋
キャベツ 薬草 小屋、窯、 りんごの木 大根
にんじん ブロッコリー とうもろこし 綿 綿
白菜 レタス 麦 麦 麦
空き地 空き地 空き地 空き地 空き地
空き地 空き地 空き地 空き地 空き地




