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34話 ピザパーティー

火曜日

 今日も川田さんに会った。

気配察知で気付いたのだけれど、どうも待ち伏せされている気がする…。少し待っても帰る気配が無い。だが居ることが事前に分かっていれば対応はできる。気配察知、最初は慣れなかったけれどとても優秀なスキルだと思う。私には必要なものだ。

「おはようございます。良い天気ですね。」

そう言ってゴミを出し、普通に世間話をした。

憧れの普通の主婦を目指し、井戸端会議に挑戦である。難易度は高め。

少しだけ私の主婦力が上がった。日々勉強だ。


 一応夫にアドバイスをもらって、ニュースを見る様にして、時事ネタを仕入れたら少しは話題ができた感じだ。私は情報番組よりもニュースの方が簡潔で好みだ。話を引き伸ばされると結論から言え!と言いたくなってしまう。だがそれでは一瞬でチャンネルを変えられてしまう。エンタメとはそういうものなのだ。とにかくこの情緒の無い性格は良くない。私はお笑いは好きなので、バラエティを録画して夫と見る様になってからは、かなり慣れて改善されてきたのだがまだまだ私は未熟だ。


 川田さんはその他にも美容やお料理に関心が高い。何度も顔を合わせているから、会話の流れが分かってきて、川田さんと喋るのに少しは慣れてきた。今まで避けていたのが申し訳ない。この人は多分、私の事を嫌いではない様なのだ。

 

 今日は息子の友達が家に来る事になっている。友達と買い出しに行ってから連れて来るらしい。息子が出かけてから全部屋を張り切って浄化した。庭のテーブルも窯の中も全部浄化だ。


 ピザヘラとピザカッター、トングをステンレスと木から錬成した。ウインナーやチーズ、ゆで卵をバットに並べ表面を風乾燥する。オシャレっぽい底の丸い二重グラスとアイスペール、トングと木のまな板、大皿と取り皿を錬成し、透明のロックアイスを作って冷凍庫へ。ピザ台とピザソースを出して準備完了だ。


インターホンが鳴って出迎えると息子の他には女の子2人と男の子1人。勝手に家に上げずに気を遣ってインターホンを鳴らしてくれるとは、大人になったな息子よ。

「いらっしゃい。息子がお世話になっております。」

私は実は歳下と話す時は平気だ。

「こんにちは、こちらこそお世話になります。山根拓司やまねたくじです」

増村未央ますむらみおです。お邪魔します」

香原柚月こうはらゆづきです。今日はよろしくお願いします」

男の子が代表で挨拶をして、女の子も続いて自己紹介をする。

「こっち、裏庭に回って。」

 と裏庭に息子が案内する。

これは違ったな。多分この子達が挨拶をしたいと言ってくれたやつだ。


山根君はピザ窯と燻製器の近くに走って行って大はしゃぎしている。私がは木のまな板の上にピザ台を置いて、ダマスカスもどき包丁と共に庭に持って行くと、増村さんが山根くんの隣に居て、息子は香原さんと談笑しながら、買ってきた具材をテーブルに取り出している所だった。

昔から息子はよくモテる。誤解を避ける為同世代の女性に対して意識して距離を取る様心掛けているのだが、香原さんは割と距離感が近い。息子は警戒する様子も無く柔らかい笑顔で自然体だ。

 

ほほう。香原さんの方が彼女だな。


 これは邪魔しない方がいいなと、まな板を使う様に促し、トマトソースと食器類や氷をテーブルに置いてから、ピザ窯の炭に火をつけ、使い方をサラッと説明して、燻製もセットしてから家に入る。

 

あとは適当にやるだろう。


 庭から楽しそうな声が聞こえて来る。

息子の人間関係のお役に立てて母ちゃん嬉しいよ。


 それから昼ごろピザのお裾分けを持ってきてくれたので、お返しに燻製をご馳走した。3時過ぎまでわいわいしてから、片付けを始めたらしい。


 女の子達がキッチンで洗い物をしたいとの事で、手伝おうとしたら、

「ありがとうございます。でも自分達で散らかしたので最後まで片付けたいです。忙しい時にキッチン使わせてもらってすみません」

「お庭使わせてもらってありがとうございました!ピザ窯でピザ焼くなんて初めてで凄く楽しかったです!」

 と笑顔で言われた。


 2人とも礼儀正しくて凄く良い子だ!

 

 山根君は息子とテーブルを拭いたりゴミ掃除をしているみたいで、しっかりしたいい友達を持ったなあと嬉しくなった。


 夫が帰ってきて息子の成長を熱く語ったら羨ましがっていた。

「今度2人で庭バーベキューをしないか。」

と言われた。同僚や上司を呼んでホームパーティーしたら夫の株が上がるのだろうか。

私は頑張った方が良いのかな?

「上司とか呼ぶ?」

「いや上司をここへ連れては来たくないかな。会社の事は、あまり家に持ち込みたくはないんだ。」

 そうか。良かった。ホッとした。

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