第68話 ごめん、みんな……
───時刻は昼。昨晩の台風は過ぎ去り、今日は蒼天日和である。
───〈宗平の部屋〉───
「ううっ……」
宗平は、苦しい表情を浮かべ、目を開ける。また、あの嫌な夢か……この世界に来て、たまには良い夢を見させろって言いたい気持ちだ。するとそこに。
「宗平ッ!!」
───アリシアは駆け寄る。そしてエイダ、リア、エヴァン、ニィーも駆け付けた。
「みんな……あの子はッ!!痛っ……」
宗平は声を張り上げて尋ねる。しかし同時に全身に激痛がピキッとイナズマのように行き渡り、思わず表情を歪ませる。額には包帯、上半身は裸で包帯が巻いてある。身体中には重い疲労感、思わず小さい声を吐き出し、横に伏せてしまう。
宗平の状態を眺めるように。
「まったく貴様は……今は自分の事をな……」
エイダはタメ息を吐き、呆れた様子を浮かべている。
「そうですよ、アップルパイとオッパイが食べられなくなったら……けど、宗平さんなら、私のアップルパイを……」
エヴァンは恥ずかしい様子でモゾモゾさせる。
「お前は黙ってろ……」
エイダはエヴァンの頭をコツンと突っ込む。
すると、リアは宗平の前に歩み寄り、安心するような様子で口を開く。
「あの娘は、無事よ……。宗平さんに、ありがとうって……」
リアは笑顔を浮かべ、告げる。女の子の安否の確認に安心し、まるで拘束が解放されるように。
「ははは……そうか……」
あの娘は無事だった……宗平は安心した。あの娘はどうなっていたか……と、気になって仕方がなかったのだ。自身が命を張った甲斐がった……人の役に立てた。と、涙がぽろぽろと流れてくる。しかし………怒りに震えるアリシア。
「そうか。じゃないわッ!!」
アリシアは激昂する。
「アリシア……」
宗平はビクッとした様子でアリシアに視線を向ける。さらにアリシアは声を張り上げる。
「お主は、いつもいつも無茶しよって、私がどれだけ心配したと思っておるッ!!なかなか起きないから私はな……」
アリシアはプルプルと感情的に震え、涙を流す。皆に引き上げられた時、宗平は意識が無い状態であり、叩いても、叫んでも、返事がなかった為、死んだと思ったのだ。アリシアの言葉に、宗平はしんみりとした表情を浮かべる。
「ごめん……みんな……」
宗平は、ぽつりと一言。今回ばかりは、自分が悪い……。一歩、間違えたら死んでいたから、それにより皆には心配を掛けたから。アリシアだけでなく、皆は大変怒っている。けど、自身の行動に後悔はない。言えないけど、これだけは譲れない。




