表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
F・F 異世界の神になった少年の話   作者: やませさん
アルタニア王国
20/153

第15話 アリシア、元気を取り戻す




───〈王宮会食室〉───



 出入口のドアが開き、入って来たのは宗平そうへいとアリシア。疲れた……自分は人から励まされた事は人生で無かったが、咄嗟に思いついた言葉だったが、人を励ましたのは初めてだ。


「その……」


 アリシアは恥ずかしい様子。自身の押し殺してきた気持ちを初めて対等な人に解放した為、形は違え、2人には初めての経験だった……。皆は2人に心配な様子で視線を向ける。


「その……皆には迷惑をかけた……今までの私は、人を頼まな過ぎた。これからは皆を頼りにし、相談する。よろしく頼む……」


 アリシアは照れ臭い様子、頬をポリポリ。


「陛下……」


「フフフ、よかった……」


 エイダとリア、そして使用人達は心配から解放され、アリシアの笑顔を見て、安堵な様子で涙を流していた。宗平そうへいには言って無かったが、皆はかなり心配していた。


「何で、皆が涙を流しておるッ!!こんな所を見たら、私まで……」


 アリシアは再び、今の状況に感極まりポロポロと涙を流す。自分はこれ程、皆に心配されていたのかと……それなのに、私は自分だけの責任にして……。アリシアを見て宗平そうへいは微笑みを浮かべ。


(よかったな、アリシア……)


 宗平そうへいはアリシアの為に涙を流している光景に感極まり、微笑む。正直に言えばアリシアが少し羨ましかった……宗平そうへい自身、現実世界には自分を心配してくれる人は、存在しなかったからだ。友達はいないし、気持ち裸にして許せる家族はいない……。


宗平そうへい……」


 アリシアはちょんちょんと、宗平そうへいの頬を突き、呼ぶ。


「何だ?」


 宗平そうへいは、隣のアリシアに視線を向ける。


───チュッ……。


 アリシアはグイッと背を伸ばし、宗平そうへいの頬に、キッスをする。


「なっ……」


「まぁっ……」


「陛下ッ!!」


 エイダとリア、そしてこの場にいる使用人達はカチコチと固まり、驚愕した……。


「アリシア……」


 宗平そうへいは、いきなりの事でビックリし、頬を赤くし、沈黙するしかない。この気持ちを表現したら、普通に歩いていたら突然後ろからキックされ、そして何事もなく謝罪する事もなく立ち去られた。と、言う気持ちだ。


 アリシアは宗平そうへいに向け、緊張した様子で口を開くのである。


「…………お主がこの世界に来て、とても感謝している。このキスは………ほほっ……ほんのお礼じゃ……」


 アリシアはムスッと照れ臭そうに頬を赤くし、宗平そうへいからスッと離れる。このキスはありがとうのキスだ……彼女はプライドが高い気質がある為、素直になれない。本来なら自分でしっかりして立ち直るのが理想である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ