Case:9 王族の試験
主要人物
・リアリナ ・・・ 公爵令嬢。18歳?。
・カリオ ・・・ 第三王子。25歳。
・アイリーニ ・・・ 男爵令嬢。17歳。
第三王子のカリオは今日も女性と共に過ごしていた。
「あら、またカリオ殿下は女性と居るのね。それも毎回違う女性でなくて?」
「確かにこの間はマリナ子爵令嬢と一緒だったわ」
「今は・・・クローシュ伯爵令嬢ね」
「マリナ子爵令嬢の前はサーリア男爵令嬢だったわ」
カリオ第三王子の相手は次々に変わる。
それは移り気し易いというのもあるが、女性の方から去る場合も多々ある。その場合はとある公爵令嬢から話し合いを設けられてから、令嬢方は第三王子の元を去っていく。
「リアリナ公爵令嬢も大変ね。あのナルシストな女好き王子殿下のお世話を焼かなければいけないなんて・・・」
「シッ、本人に聞かれたら問題よ。そもそも25歳にもなって、フラフラと遊び放題って言うのはどうかと思うけれど・・・」
「そういえば、カリオ王子殿下はアレを受けてないとか本当かしら? 王族の義務でしょう?」
「本当らしいわ。リアリナ公爵令嬢が再三考え直すように言っても聞く耳を持たないみたいだし、例の話は事実でしょうね」
とあるお茶会での一角でそんな会話が交わされていた。
第三王子は今年25歳。学園も(ギリギリ)卒業し、それからも女遊びに忙しそうにしていた。良くも悪くも社交界に話題を提供し続ける男カリオ第三王子。
そんな彼に纏わり着く女性を排除してきたのはリアリナ公爵令嬢だ。
彼女は第三王子と懇意にしている女性を呼びつけ、話し合い、その結果女性達は王子の元を去っていく。
ある日、リアリナは珍しく一人でいたカリオを呼び止めた。
「カリオ殿下、王領での試験の件ですが・・・」
「ああ、お前か。王領?試験?そんなのどうでもいいね。俺は王子なんだから、そんなもの関係ない」
「・・・・・・本当によろしいのでしょうか? これが最後ですよ」
「何度も煩いんだよ! お前は顔を見せれば試験だなんだと! 今後一切俺に関わるな!」
「・・・承知いたしました。それが貴方の意志ならば、そのように致しましょう。それでは、これで失礼致します」
「ふん、つまらない奴め。もう少し可愛げというものを覚えると良い」
リアリナは一度頭を下げると、そのまま何も言わずに去っていった。カリオの最後の言葉は聞こえていたがスルー。その態度に再度カリオは苛立った。
クローシュ伯爵令嬢もカリオから距離を取るようになっていた。あれだけ愛を囁いておきながら、今では顔を合わせるとサッとどこかへ行ってしまう。避けられている。先日、クローシュ伯爵令嬢はリアリナに呼び出されたと聞いたカリオはまたかと思った。
以前もリアリナに呼び出された令嬢が自分から離れていった。急に距離を取られて困惑したが、嫉妬に狂ったリアリナが何かしたのだろうと推察している。
「あの女め。何度も俺の邪魔をしやがって」
カリオは苛立つ気持ちのまま、目の前の花壇の花を踏みにじった。
「いけません! お花が可哀想です!」
そう言ってかけてくるストレートの金髪に空色の眼をした少女。
「なんだ、お前は。俺に指図するつもりか?」
「いいえ、私なんぞが殿下に指図などできません。ですが、花壇の花たちが可哀想です。その子達は愛でられる為に大切に育てられているのですから!」
キッと睨みつける様に見つめてくる少女に少し興味を抱いた。花ごときに可哀想と言う。その感性はカリオには持ち得ないモノだったから。そして、何よりもよく見れば可愛い系の美少女だったのが大きい。
「あ、申し遅れました。第三王子殿下にご挨拶いたします。私はフォルト男爵家が娘、アイリーニと申します。ご無礼をお許し下さい」
「男爵家の娘か・・・。仕方ない、先程の無礼は許してやる」
「ありがとうございます、殿下」
パッと花が綻ぶような笑顔を浮かべるアイリーニ。
その笑顔に惹き付けられるカリオは、今までに無い感情を覚えた。
(この感情はなんだ? あの笑顔を見ると胸がドキドキする・・・)
カリオが恋に落ちた瞬間だった。
それからアイリーニは何度もカリオと逢瀬を重ね、仲を深めていった。カリオもアイリーニ以外を寄せ付けなくなった。
勿論、リアリナはアイリーニに接触したが、それでも彼女はカリオの傍を離れなかった。
周りはやっと第三王子が落ち着いたと安心した。これで公務をしっかり熟してくれれば問題ないのだが・・・。
そんなこんなで年末。今年最後のパーティーが王家主催で行われていた。
「リアリナ! お前との婚約を破棄する! お前の小言や俺への嫌がらせの数々! アイリーニに対しても小言を言ったそうだな、許せる筈がない!」
「カリオ様・・・私恐かったです」
「こんなにも怯えて・・・哀れだと思わないのか! この人の心を持たない悪魔め!」
何やら突然断罪劇が始まった。
「カリオ第三王子殿下、お呼びでしょうか?」
何食わぬ顔で前へと歩み出たリアリナはコテンと小首を傾げる。
「なんだその顔は! アイリーニに謝れ!」
「何故、謝らなければならないのでしょう? 私、彼女とは一度お話したことがあるだけの関係ですが?」
「我が愛するアイリーニを怖がらせたからだ!」
「恐がらせた・・・ですか? 事実をお話して彼女の判断をお任せしただけですが?」
本当にリアリナは分からなかった。恐がらせる内容の話ではない。カリオに関わる事実を述べただけの事。
「それと婚約破棄につきましては、こちらは出来兼ねます」
「何?」
「だって、婚約していないのですから、婚約破棄も何も前提条件が間違ってます」
ポカンと口を開けて意味が分からないと言わんばかりの顔を浮かべている。なんとも間抜け面である。
「私が婚約者だと何を持ってそう思ったのか教えてくださる?」
「お前はいつも小言を言いに来ていただろう」
「それは、殿下に王族としての義務を果たして頂きたかったから、そして今後王族として在るために試験を受けるか確認の為に声をかけさせて頂いておりました」
「・・・お前は俺に他の女が寄ると文句をつけに呼び出していただろう。そのお陰で、彼女達は俺から去っていった」
「それに関しては、アイリーニ男爵令嬢と同じ様に事実を述べただけの事。その後の身の振り方はそれぞれの判断におまかせしております。去っていったのなら、それだけ貴方の魅力がなかっただけの話では?」
リアリナのなかなか強火な口撃。
「私はただ仕事をしていただけです」
「仕事だと? 小言を言って、俺から恋人を排除する事がか?」
「正確には、王子殿下並びに王女殿下方の王族としての資質を見極める事が私の仕事になります。私は選帝侯の一人なので」
さらりと選帝侯だと表明した。
「他の王子殿下や王女殿下は王領で代官らについて学び、中には若くも領地をより発展させた方もいらっしゃいます。試験を拒否されたのはカリオ第三王子殿下とフィリップ第九王子殿下、カメリア第六王女殿下になります。フィリップ殿下とカメリア殿下はそれぞれ医療研究員や芸術家として国に貢献したいと、実際に師の元で絶賛研鑽中です。つまり、幼い王子王女殿下以外は大体試験を受けております」
「そもそも試験ってなんだよ! もう俺は学園を卒業したんだぞ! そんなもの関係ないだろうが」
「試験とは王位継承権の有無についての試験です。試験に合格しないまたは受けない場合は王位継承権は与えられません。この国の常識でしょう?」
「王位継承権は産まれた時から持っているものだろう!?」
「それは他国の・・・・・・ああ、そうでしたね。カリオ殿下の母君は他国出身でした。申し訳ありません、そもそも勘違いされていたとは思いもしませんでした」
他国では、王位継承権は産まれた順、または産まれた男児にのみ与えられるもの。しかし我が国では男女関係なく実力主義になる。その為、まず王領にて領地の経営を学び、どう発展させていくのかを考える場を儲けている。簡単な話、現状維持または発展させれれば合格。落ちぶれさせれば不合格。
勿論、発展させた方が継承権は高くなる。
「更に言うのであれば、殿下は最後の忠告を拒否されました。故に王位継承権及び王族としての権利を放棄されたと見なし、サリア王国へと婿入りする予定になっております。あちらも外見さえ良ければ、性格に難があろうと頭の出来が悪かろうと気にしないと仰ってくれています」
サリア王国は現在42歳の女王陛下が国を担っている。後宮には見目麗しい男性だけでなく、女性もいるとの事。故に、アイリーニ男爵令嬢も連れて行ってもOKと許可も頂いている。
「フォルト男爵家はご長男が家を継ぐため、アイリーニ様はどこかへ嫁入りしなければならない身。カリオ殿下と共にサリア王国へ行くことで話はついております」
「な、なんで私がサリア王国へ行かないといけないのよ! そもそもカリオ殿下に王位継承権が無いとか聞いてないわ!」
「その件はお話致しましたでしょう? カリオ殿下は試験を拒否なさいましたので、王族としての権限はございません。そう確かにお伝えしましたが?」
「あの話って本当だったの? 私に彼を奪われたか、そんなことを言ったのだとばかり・・・」
「ですから、ずっと事実をお伝えしております。カリオ殿下には王位継承権が無いことも、王族の資格なしとして今後一切王族と名乗れない事もちゃんとお伝え致しました。他の方々はすぐに理解し、殿下の傍から離れていったのですが、貴女様は違ったので、身分など関係なく愛し合っているものと思っておりましたが・・・その様子だと違ったようですね」
残念ですと言わんばかりの表情でリアリナは言う。
「王族じゃなくなる・・・だと?」
カリオはその点に注目したようだ。
「はい、資質なき者な上、努力もせず遊びたい放題。義務を果たさずして権利なしと言うものでしょう? 我が国においては不要の存在。他の選帝侯達も同意見で、現在第三王子は人質としての価値もないが、同盟強化のための駒としてくらいは使えるだろうとの判断です。愛するアイリーニ様も連れて行って良いとの事ですので、離れずとも良いのはお二人にとっても良い事でしょう?」
リアリナは微笑みを浮かべている。さながら聖母のごとく慈愛に満ちた表情だった。
「なによ! サリア王国になんて行きたくないわ。あそこの後宮に入ったら一生出られないじゃない!」
「アイリーニ?」
「あーあ、こんな事になるんだったら、他の王子に粉かけるんだった。一番チョロそうだから近づいたのにハズレじゃない!」
「アイリーニ?! なんて事を言うんだ! ハズレとは何だ!」
「ハズレじゃない。王族だから第三王子だし気楽に贅沢できると思ってたのにアテが外れたわ」
何らやら喧嘩が始まった。
「そもそも本当に選帝侯なのかも怪しい。偽っているのではないか?」
「あ、そうですよ! 私と歳変わらないじゃないですか、そんな人が選帝侯なんで立場なハズないわ!」
なるほど確かに見た目は18歳の少女なリアリナ。
世間では公爵令嬢と思われている。
「選帝侯ですよ? 300年くらい前からですけど」
「「は?」」
「300年程前の王に任命されまして、そうそう、アルトルージュ公爵家の当主は私ですよ? コレも300年前から、ね」
「人間がそんなに長く生きられるか!? どう見てもお前は俺より歳下だろう!」
「何言ってるんですか? 貴方の幼少期から面倒を見てあげてたじゃないですか。それに外見年齢は18歳頃で止まってます。魔力が多すぎて全盛期で(外見年齢が)ストップしちゃったんですよね」
魔力量が多すぎるとごく稀に不老になる事がある。その上、人より時間の流れが遅くなるのか寿命が伸びる傾向がある。リアリナはその稀なケースだ。
「他の王族の方々は知っている事ですよ?」
カリオは知らなかった。言われたかもしれないが、覚えていなかった。また、言われてみれば幼い頃から年齢が変わってない気がしてきた。面倒を見てきたと言われたが、よく王族としての心構えがどうとか、人としてどうとかそんな小言ばかり言われるものだから嫌煙していたのが大きい。苦手と言うより嫌いのレベルだったので、存在をほぼ無視していたところが大きいのかもしれない。
「私からしたら、貴方は可愛い教え子のようなものでありました。ですが、王族としての在り方も人としての在り方も落第点。私はそんな風に育てた覚えは無いのですが・・・貴方は思い通りにならない私を嫌い、邪険に扱った。それはまぁ、良いでしょう。それも貴方の選択です」
真剣な目でカリオを見つめる。彼はやや顔色が悪い。
選択という言葉が重い。
「けれど、身分に胡座をかき、義務を放棄し権利ばかり主張するのは違うでしょう? 王侯貴族は民の血税によって生かされているのだから」
リアリナはこの国が好きだった。
かつて愛した人の守ろうとした国でもあるからかもしれない。同じ時を歩むことが出来なくなった時に絶望した。けれど彼が望む事をより良い国になるようにする事を生き甲斐にしてきた。だから余計にカリオの幼稚な言動が許せなかったのもある。
仕事に私情をはさまない。これを心掛けてきたが、今回カリオに関してはそれが出来そうもなかった。
「お二人のサリア王国行きを決めたのは国王陛下です。これは決定事項になります」と、老侯爵。
「現在、王位継承権第一位は第五王子殿下です。かの方は領地を発展させ、収入も赤字から黒字へと変えた。第一王子殿下は可もなく不可もなく控えめな性格が王に向いてないと順位を下げましたね」とは、壮健な公爵。
「第三王子殿下は今まで何を成したのですか? 学園での成績も下の下だったらしいではないですか」刺々しいのは厳格な伯爵。
追撃する選帝侯達。
「我々四人の選帝侯は第三王子を王族としての権限の凍結を陛下に進言し、受理されております」
「故に王族としての財産の凍結もされております。個人財産が有りますので問題ないですよね?」
「お前ら! そんな事をして母上が黙っていないぞ!」
ここに来て母頼み。なんとも幼稚。
「殿下の母君は既に殿下を見切ったようですよ?」
リアリナは事実を述べた。
「な、何だと? 何を言っている?」
「マリアーヌ第二王妃殿下はカリオ殿下を切って、妹君のカトリーナ第七王女と弟君の第十一王子の教育に注力しておいでです。よく第三王子の様になるなと仰っているとか・・・」
「母上が・・・そんな・・・」
項垂れるカリオ。誰も慰める者もいない。それが彼の人望のなさを物語っているように思えた。
「嘘だ! 母上が俺を見捨てる筈がない。お前の言う事なんて信じないからな!」
「信じようが信じなかろうが事実です。先程も申し上げましましたが、私はただ選帝侯として、また、教育係としてカリオ殿下に忠告させて頂いておりました。それを全て無視拒絶されたのは貴方様です。それにちゃんと私は最後だとこの間申し上げましたよね?」
「それは・・・」
覚えがあった。呼び止められ『何度も煩いんだよ! お前は顔を見せれば試験だなんだと! 今後一切俺に関わるな!』カリオはそう言った。その時にこれが最後だとも言われたのを思い出した。
「それともう一つ申し上げます。私、既婚者ですので、殿下に恋情を向けることなど有り得ません!」
爆・弾・発・言。
リアリナは既婚者だった。100年ほど前に結婚している。恋愛結婚だった。
「私は旦那様一筋ですので、他の方は大根やじゃがいもと大差なく見えます。あ、カリオ殿下を除いた他の殿下方は可愛い教え子と言った感じですね」
馬鹿な子ほど可愛いなんて私は思いません。とさり気なくカリオを馬鹿扱いするリアリナ。
「ちなみに私の夫は黒騎士又は黒狼公と呼ばれていた方です」
「黒騎士だと?!」
黒騎士は魔物狩りや戦争で多大な功績を挙げている人物で、漆黒の甲冑にその戦いぶりから黒狼公とも呼ばれている。更に言えば、国王にも従わないと有名な人物だった。
野蛮人だと罵る声もあるが、リアリナからしたら可愛らしい人だ。戦闘狂として恐れられる人物でもリアリナには激甘なのである。
「夫は独占欲強めなので、カリオ殿下の妄想を知ったらどうなるか・・・・・・ねぇ?」
カリオは青ざめた。
黒騎士に睨まれたらと思うと恐くて堪らない。
「さて、これで粗方殿下の勘違いを訂正できたかと思いますが、如何でしょう? まだ、何か分からないことあります?」
「・・・・・・」
「でも良かったではありませんか、これからも愛しのアイリーニ嬢と一緒に居られるのですから。サリア王国では楽しくお過ごしくださいませ」
「ぐっ・・・!」
「私は嫌よ! 絶対にカリオ殿下とサリア王国になんて行かないわ!」
「王命ですので。衛兵、彼らを拘束なさい。出荷・・・もとい、送り届けるまで厳重に管理するように」
「「ハッ! 承知いたしました!」」
「は、離せ!」「ちょっと、話しなさいよ」そう言いながら連行されて行った。
「さて、皆様にはとんだ茶番劇をお見せいたしまして騒がしたこと、お詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」
リアリナは深く頭を下げる。
「あの様な後では複雑な気持ちも有りましょうが、どうかこの後も楽しんでいただければと存じます」
そして、
「余からも詫びを入れよう。我が愚息が場を乱した事、すまないと思っている。アレらの事は愚かであったが余興として忘れてくれ」
国王陛下にそう言われては誰も何も言えない。
止まっていた楽団が演奏を始める。
徐々にではあるが、雰囲気が良い方向に戻って行った。
「さて旦那様、一曲踊りましょう?」
「普通、男から誘うものじゃないのか?」
呆れた声が返ってくるが、拒否感はない。
「我が愛しのリアリナ、この野蛮人と踊ってくれるか?」
「喜んで!」
冗談交じりの誘い文句に、差し出された手を取る。
「何で、私が婚約者だと思ったのかしら? 他の王子殿下や王女殿下とも同じぐらい交流があって、茶会やパーティーでの同行もしたこと無かったのに・・・」
「アイツがお前に惚れてたんだろ?」
「それはないと思うけれど・・・」
「本人にも自覚がなかっただけで、見てれば分かる」
「そういうモノかしら?」
「でも、リアは俺のモノだから。誰にも渡さない」
握られた手に少し力が入る。絶対に逃さないと言わんばかりの視線。
(やっぱり可愛いわ)
嫉妬も独占欲も可愛らしいと思う。それほど、自分も彼を想っている。お互いに一目惚れだった。一目見てこの人だと感じた。
今日身に纏うのは深紅の生地に黒糸の刺繍が刺されたドレス。彼の髪と眼の色。刺繍は絡みつくような蔦のよう。これだけ独占欲の塊のドレスも珍しいのでは?とリアリナは考える。
黒髪に深紅の眼、精悍で端正な顔立ち。白地に青色を所々にあしらった礼服。リアリナの色を纏った夫。お互いに魔力が強く寿命は長い。夫は王族の武術指南もしている。リアリナからの頼みだったからだ。カリオは知らなかった様だけど・・・。
「ねぇ、クロ。私、あなたに会えて幸せよ」
「そりゃ光栄だ。俺もリアに会えて良かったと思う」
二人は踊りながら微笑み合う。
どこからどう見ても想い合う夫婦だった。
‡ ‡ ‡
その後、サリア王国へ二人は出荷された。
サリア王国の後宮へ入れられた彼らがどうなったのかは知らない。誰も興味を持たなかった。ただ、サリア王国との関係は良くなった事から、あんなんでも役に立っているという事は幸いだった。
リアリナ達は、今日も変わらず教育係としての仕事を熟している。夫のクローヴィスも武術指南として王族や騎士達を扱いている。訓練場は悲鳴が轟くが・・・それもいつもの事。
つまりは今日も平和だということだ!
━ 終 ━
読んでいだだき、ありがとうごさまいます。
ネタ切れですね。
[蛇足]
カリオは顔だけ王子。金髪碧眼。
アイリーニはミルクティー色の髪に栗色の眼。
リアリナは白銀の髪に青い眼。
二人は結局破局。サリア王国の後宮でアイリーニは他の男に粉かけるのに必死。カリオは頑張って女王のご機嫌取りをしていたりしていなかったりしているかもしれない。
彼女の夫、クローヴィスは黒髪に深紅の眼。
クローヴィスはリアリナの色を纏うことは嬉しい反面落ち着かないと言った感じです。いつも真っ黒な服着てるので。戦場でもそうでなくても黒一色です。汚れ(返り血)が目立たないからと言うのもある。




