未知のアプリ
「そうしたら、今度は彩輝が倒してくれ。彩輝のLVも上げておきたいからな。〈タイムボム〉だと2発だな」
「やってみるよ」
1発目の爆弾を投げて眠っているバグをすっ飛ばす。
痙攣しているバグにもう1発爆弾をお見舞いする。
2度目の爆発と同時に、スマホに通知が来た。
バグを殺しました。
LVが1上がりました。
アプリを1個入手しました。
連続で投げたから安峰さんに眠らせてもらう必要もなかった。
「僕もLVが上がったよ。アプリも入手できたみたい」
ステータスを表示すると僕のLVが2になっていた。
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名前 時枝彩輝
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LV 2
属性 善
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分類 ユーザー
性別 男
年齢 17
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電池 100%
状態 正常
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アプリ 2 ›
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「何のアプリだ?」
入手できたアプリは――。
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タイムボム 10 / 15
? 3 / 3
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「〈?〉っていうアプリ。何なのこれ?」
ホーム画面に戻ってみると、アイコンもクエスチョンマークだった。
「お。それは未知のアプリだ。まだ同じアプリをインストールしたユーザーが1人もいないんだ」
「タップしても開けないんだけど、そういうもの?」
「〈?〉はただのプレースホルダーだからな。未知のアプリはセキュリティ上の問題で〈SOS〉にロックされちまうんだ。アプリを開くにはロックを解除する必要がある。ちなみにクォータはいくつだ?」
「3しかないみたい」
「マジで? それならレアアプリだ」
「レアリティがあるの?」
「ああ。固有アプリにはコモン、アンコモン、レア、神話レアの4段階のレアリティがある。希少なアプリほど割り当てられるクォータが小さくなっていて、それぞれ15、7、3、1に設定されているんだ。だから、クォータが3ならレアアプリということになる」
「なるほどね。どうすればロックを解除できるの?」
「吾輩の配下にロックを解除できるユーザーがいる。今度、そいつに引き合わせてやる」
3匹目のバグを倒したからか、ワームホールが閉じていく。
「キエロ――キエロ――」
「キエロ――キエロ――」
「キエロ――キエロ――」
ワームホールの周囲にいたマイナーワームが、中に次々に飛び込んでいく。
マイナーワームはもう1匹もいない。
校庭にはまだワームが残っているけれど、そいつらはアンチワームのようだった。
「それより、貴様ら、時間は大丈夫なのか?」
「何の時間?」
安峰さんが聞き返す。
「あ、言ってなかったっけ? 次の時刻同期までの時間だよ。そのタイミングに同期ポイントに戻っておかないと、基底世界から2度と帰れなくなる可能性がある。ちなみに、あと5分くらい」
「はあ!? なんで先に言わないわけ!?」
安峰さんがもっともな不平を言う。
「言ったつもりだったんだよ。もしかしたら、あれって夢の中だったのかもな。誰だよ、吾輩を眠らせたのは――」
「あたしのせいだっての!?」
ケット・Dの言い訳を聞いている場合じゃない。
基底世界に取り残されてしまったら、残りの試験を受けられないってことじゃないか!
「同期ポイントってどこ!?」
「基底世界に転移して最初に目が覚めた座標だ。その座標から外れると転移に失敗するぞ」
「保健室だ! 急ごう!」
安峰さんの腕を引いて僕は走り出した。
「じゃあな! あと3分もないぞ!」
肉球のある手を振るケット・Dに手を振り返しながら、僕たちは校舎に駆け込んだ。
保健室に滑り込んだ僕たちはベッドの上で横になる。
突然の眠気に襲われて、僕はすぐに眠りに落ちていた。




