伍話
翌日、俺はいつもとなんら変わりなく教室に入ると周りの席の人らが急に集まり昨日のことについてしつこく聞かれ、俺も答えるのには一苦労した。そして、質問攻めにあっていると扉をドーンと勢いよく開け入ってきた人がいた。リーベルト・ライブだった。リーベルトは周りにいた人の間を無理やり入ってき。俺に話しかけてきた。
「おい、てめぇ 昨日はよくもやってくれたよなぁ」
「それはただ君があっさり倒れたからだろ」
「なにをぉ!」
周りも止めようとはしたが、なかなか止めに入れそうな感じではなくほとんどが止めなかった。その時、ルージュがある提案をしてきた。
「そんなに、言うんだったら模擬試合をしたら?」
「模擬試合って、授業だけじゃないのか?」
そう俺が聞くと、ルージュはうなずき話を続けた。ルージュ曰く放課後、もしくは休みの日なら闘技会館を使用して模擬試合をすることができるそうだ。しかも、その闘技会館では真剣や実弾の使用は許可されている。聞いた時には、おかしいだろとは思ったもののしっかりとそこで治療もしてくれ一日もすれば完全に治るらしい。
「いいだろう、なら今度の土曜日 模擬試合を申し込む! これは俺からの果たし状だ」
「分かった、今度の土曜日、受けて立つよ」
「ウォー‼」
そう俺が返すと、周りはざわつきや歓声が上がった。そうこうしてると、ホームルームのチャイムが鳴り皆が自分の席や教室に帰っていった。
ホームルームも終わり、周りにはさっきの話でもちきりだった。俺自身、勝てるかどうかすらわからない状況で挑むほどではない。それなりの勝賛あっての返答だ、それにあの状況で受けるわけにもいかないし。
一限目の授業が始まり、今回は異能力の原理などについての授業だ。内容としては、十分ありがたい。
「まず、能力を使用できる者には魔素というものが流れています。その魔素を体のどこに集中して流すかによって用途が変わります。手に集中させれば、炎や氷といったものの生成ができ、足に集中させれば移動速度などが上がります。」
「次に、固有の異能力について解説します。それぞれが、固有の異能力を所持しており、他者とはそれぞれ違うものを持っています。何故そうなるのか、はっきりとしたことはいまだ解明はされていませんが遺伝子や血筋などによるものだといわれています。」
異能力やその使い方などを説明され、一限目が終わった。正直意外と分かりやすかったとは思ったがまだ一年、先は長い……
そんなこんなで、四時限目まで終わり三人で食堂に向かった。すでにほとんどの学年で噂は広まっており食堂でも、やたらそのことについて聞かれた。さすがにしつこかったのでここで一言俺は言った。
「何があろうとも、俺は逃げるつもりはない それに負けるつもりもない それを土曜日に証明してやる!」