マナカナ
往年のアイドルではありません。
魔素・霊素の事です。
承章4 学術都市ディービアの陰謀⑤下
白い円盤が回る。円盤には様々な記号が並んでいるように見えた。まるで魔法陣だ。
白い円盤の影に隠れるように黒い円盤が回る。白い円盤の回転と逆方向に黒い円盤が回る。
円盤の中心から白い粒、黒い粒が放射線状に放出されている。白い粒は霊素だ。黒い粒は魔素だ。
霊素は全身を巡り、魔素は意識に絡む。
魔素は全身を巡り、霊素は意思に絡む。
魔素の円盤は小さくなって行き、回転が止まり、魔素の放出が止まる。
霊素が広がり、人の形となり、やがてセラとなった。
目が覚めた。
どうやらベッドに寝かされていたらしい。
にしても、暗示的な夢だった。
身動きした僕に気付き、うつ伏せていたセラが目を覚ましてこちらを見ている。
寝ぼけているらしい。
可愛い。
大事なことなのでもう一度言おう、可愛い。
「おはよう」
セラが反射的に「おはようございます」と言う。
「心配掛けたね。付き添ってくれてありがとう。」
僕の言葉にセラが泣き出した。
セラが泣き止むまでセラの頭をゆっくり撫でてやる。
少しして泣き止んだセラは
「3ヶ間も眠り続けたのよ、ナオヤさん」と言った。
「そうか、お陰で以前以上に回復出来た。
魔法霊法のヒントも得た。そうだ、セラ
質問がある。」
僕は起き上がり、座禅を組む。
「霊素は何処から生まれてくる?」
急な質問にセラは少し考えてから言う。
「バフォメで学んだ話ではチャクラから生まれてくると聞きました。」
「セラはチャクラを見た事があるのか?」
上半身を起こして僕は半眼にして、手印を組む。
そんな僕に戸惑いながらセラは僕を真っ直ぐ見て言う。
「チャクラは見た事はありませんが霊素が生まれてくるのを感じた事はあります。
チャクラは頭と腹にあって霊素を生み出す元なのだと聞きました。頭のチャクラによって霊力が生まれ、腹の霊素によって力となると言うことでした。」
「なるほど。バフォメでは魔力についてどう教えている?」
「魔力について教えてはいません。ただ霊素の真逆のものとしか。」
「なるほど、なるほど。
うん、感じる。これがチャクラか。」
セラの言葉が僕の身体に響く度に僕の中の霊素が共鳴し、活性化する。
活性化した霊素に依って隠されていた魔素のチャクラが浮かび上がる。
霊素、魔素が反転し、意志に従い魔力、霊力を生み出す。
強き意志が強き魔力を生み、挫けぬ意志が肉体を癒やす霊力となる。
手を伸ばしセラに触れようとする。僕の霊素を感じてセラの霊素が共鳴する。
少し驚いたセラが不思議そうな顔をする。セラの中に魔素を感じる。
「これはなに?」
手を戻して
「それは魔素と言って魔力の元だよ。」
と言うとセラは驚いて
「私、魔法は使えないのよ。つ、使えない筈なのよ?」
はははと笑うとセラまでふふふと笑う。
「そう言えば僕を助けてくれたのは誰なんだ?」
目を開けてセラに訊いた。
セラが口を開く前にドアを開けて人が入って来た。
入って来たのは思った通り、剣豪ドワド・ユゲトとおおいあおいである。
「セラ様といちゃつける位元気なら大丈夫そうだな、ガハハハ」ドワドが言うと
「やっと目を覚ましたのでござるから、強く叩いたらまた怪我するでごさる。師匠も加減するでござるであるよ。」とあおいが制する。
2人のど突き漫才も面白いがあれからどうなったのかを訊く。
僕が倒れた時僕に向かって来たアクアボールを2人が切り捨てたと言う。ドワドは切り捨てたのでなく魔闘気を纏った拳で殴ったらしい。
殆ど一緒にラミヤも爆散したのでギルドに連絡して後始末をして貰ったと言う事だ。
それよりもなぜあのタイミングで2人が駆けつけられたのか不思議である。
何でもバパルカに戻ったノストーリアからフウトで僕と会った事を聞いて、僕と再戦したいと思った2人がディービアの都市長ディビアス・ジャロンに会い。
イオタラ魔術研究所のデッシャのところに行く途中で僕とラミアの戦闘音を聞きつけたらしい。
まあ、派手に戦っていたからね。
その時、僕の天走を見て少し見とれていたらしい。
助けてくれた礼をしたいと言ったら2人とも天走を教えてくれと言う。
鑑定で2人のHPとスキル構成を見たところ、2人とも縮地が使えていたのでHPで天走を追加しておいた。
身体強化も使える2人には足の裏から魔素を出して魔法を使うイメージを伝えたらすんなり天走をマスターした。
2人とも感動してくれていたので良かった。
それから、セラも後で鑑定で自分のステータスを確認して、初級魔法が使えるようになっていて、僕の話を聞き入れてくれた。
僕も初級だけどヒールが使えるようになった。
これからは瞑想するときは2枚のチャクラを回さないとね。
やっと魔法陣を学ぶ環境になったかな?
明日からデッシャのところの講義に出て魔法陣を作るんだ。
それからパペットの事も何か訊けると良いな。
魔法陣とは何か
知られざる謎に迫ります。




