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楊氏伝  作者: りん
妃子
2/5

納妃

豪族の娘が後宮にやって来た。年に一度、豪族は朝廷に忠誠の証として娘や姉妹を納める決まりになっている。これを納妃といった。娘や姉妹の寵愛に応じて豪族は官職を与えられた。

穆宗(ぼくそう)には寵妃、婉妃(えんひ)を初めとして数多の側室がいる。その側室のいづれも美しかった。

後宮はいくつかの階級に分かれている。皇后、貴妃、妃、嬪、婕妤、美人に分かれられ、その下には女官たちがいた。

寵妃、婉妃は側室であったが皇后劉氏(りゅう)に男子がいなかった為か権勢の具合は明らかであった。

しかし、婉妃の他にも男子を産んだ側室がいた為か産まれて直ぐに立太子という訳にはいかなかった。

婉妃と同じ妃子である宜妃(ぎひ)にも男子がいたのである。宜妃は天官侍郎(てんかんじろう)の父を持つ閨秀であった。皇后に次ぐ身分を保証されて後宮に入るも寵愛は長くは続かなかった。

一方の婉妃は東宮舎人(とうぐうしゃじん)の兄と奉膳大夫(ほうぜんたいふ)の父を持つ。身分は高くは

ない。

穆宗が太子だったころに母后の女官をしていた婉妃を見初めて側室にしたのである。その寵愛ぶりは凄まじく、太子妃の正殿と同格の殿閣を新築させ、また父と兄を重宝した。男子を産んだ婉妃を穆宗は第一妃子と呼んで宜妃よりも上としたのである。

宜妃は屈辱であった。

閨秀である自分よりも、格下の娘が上に立って澄ました顔をしている度に屈辱を味わなければならなかった。

寵愛で築き上げられた権勢に太刀打ちしようとしても婉妃には敵わない。何故なら、穆宗は彼女を愛していたからである。

この世でもっとも儚い愛を穆宗は彼女に注いでいたのだ。婉妃はそれを繋ぎとめる術を持っていた。

婉妃は愛を奪う者を許さなかった。嫉妬心を燻る全てを排除しなければいけなかった。

納妃された女の中に際立つ美貌の女がいた。姓を(よう)、名を(しん)という。眞は婕妤(せつよ)に封じられて楊婕妤と呼ばれるようになった。

涼し気な目元に柳眉、珊瑚色の唇は作られたかのようにとびきりに美しかった。

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