#24 TS美少女は冒険者たちを家に招く。
「さぁ、入って」
私は冒険者達を家に招き入れると、彼らは家に興味津々のようだった。
……まぁそこら中に現代チートが転がってるしね。面倒だから魔道具って言ってある。私が魔法で創ったのだと告げると、物凄く驚かれた。
やっぱ私って凄いんだね。さすわた!
……そんなことより、私は冒険者達に色々聞かなければならないのだ。
私は彼らをソファに座らせる。
話を切り出そうとして、私がまだ名乗ってなかったことを思い出した。
「私は、ユナ。ユナ・ナンシィ・オーエン。ここに住んでるただの魔女だよ。君たちは?」
私がそう言うと、彼らも自己紹介をする。
「俺は、アランだ」
最初に名乗ったのは、さっき私に話しかけてきた赤髪の男。どうやら彼がパーティーリーダーらしい。
「私は、マリン」
次に名乗ったのが、青髪ロングの女の子。
私よりちょい年上ぐらいかな?杖を持っているから魔職なのだろう。
「ボクは、ノスティ」
次に、弓を持っていた女の子が名乗る。
ちなみに今は弓は玄関のところに置いてもらってる。
黒髪のショートボブで中性的な容姿。だからどっちにもモテそう。
最後に名乗ったのは、私が助けた男。
「俺は、ハンスだ。さっきは助けてくれて、ありがとう。」
そう言うと彼は深々と頭を下げる。
私がそれを固辞すると、彼はゆっくりと頭を上げる。
……この世界でも感謝の時に頭を下げるんだ。
「じゃあお互いも知れた事だし、質問に答えてもらおうかな」
私がそれを告げると、彼らもそれをわかっていたようで、身を引きしめる。
どうやら主にアランが話すようなので、私もアランに向かって話す。
「じゃぁまず、なんで私の家にいたの?」
「あぁ、俺たちは調査に来たんだ。「東の森の魔女」の。」
東の森の魔女と言われて、最初はピンと来なかったものの、マーシャちゃんの村でそんなことを言ったなぁ……と思い出す。えっ、あれ広まってんの……?やだはず……
それはともかく置いておくとして。
「調査?なんのために?」
私は少し語気を強めて問う。あの村では治療をしただけだ。別に変なことした覚えはないんだけどなぁ……
「あ、あぁ。半月ほど前に、東北部辺境の村で前日の夜から行方不明となっていた女の子を箒に乗って送り届けると、その女の子の母親を未知の魔法で治療してまた飛び去って行った少女がいてだな……。その話が俺たちの街まで伝わって、その少女を調査するよう依頼が出たんだ。
住民登録もされてないみたいだし、未知の魔法を使うとなると、脅威にならないか心配だったんだろう。……ってどうした?」
私は顔を赤くしてプルプルと震える。
……前言撤回。私十分変なことしてた。
よく考えてみれば箒然り、コールドメディスン然りかなり色々やったっけ。
それでよく別に変なことした覚えはないんだけどなぁ……って考えたな私!?
「ん、んん。なるほどね。それで私を調査するためにこの森に来たと。」
「あぁ。まぁ調査的には問題ないだろう。さっきも含め治癒魔法を他人に使ったり、こうして常識的に話せるんだし。」
なるほど。まぁ大丈夫と言ってくれてるのなら大丈夫なのだろう。
魔女狩りとかあって、「魔女だー!殺せー!」ってならないだけマシである。
「あ、そうだ。ユナ……ユナさんは住民登録してないだろ?
俺たちの街に来て登録してくれると助かるんだが……」
「ユナでいいよ。ところで住民登録ってなに?」
「あぁ、住民登録ってのはなぁ……ーーー」
そこから少しの間説明が続いたが、どうやら日本で言う住民票と似たようなものらしい。異世界だからと舐めていたが、意外とその辺はちゃんとやってるようだ。
「ふーん。それって、どうやったらいいの?」
「ええと、街の役場に行けばできるぞ?
まぁ、普通は生まれた時に登録するんだけどな」
「名前だけでいいの?印鑑とか要らないの?」
「インカン……?なんだそれは……?
必要なのは名前と住所ぐらいで、字が書けなくても代筆してくれるしな」
「なるほどね」
システムはあるものの、結構ザルのようであった。
まぁ私にとっては都合がいいけど。
「わかった。街に行くよ。」
「あぁ、ありがたい。
……あと出来れば冒険者ギルドにも来て欲しいんだ……。俺達が報告してもいいんだけど、街まで来てくれるなら実際にあってもらった方が話が早いと思うんだ」
普段の私なら面倒だから断るだろうけど、ファンタジーの定番である冒険者ギルドに惹かれた私は思わず了承する。
「じゃぁ早速行こっか」
意気揚々と私は立ち上がる。
そしてアランもつられたように続く。
私は扉を開けると外へ―――
出なかった。
家の外はもうかなり日が落ちて、星が見え始めていた。家の中の時計を見ると、17時を回ったところ。
「出発は明日になりそうだね……」
「あぁ……そうみたいだな……」
私たちはドアの前で立ち尽くす。
それを見た私達以外の視線が痛かった。
……ちくせう。
◇
家の増築をしよう。
なぜそんな唐突なのか。それには勿論理由がある。
さっき冒険者達にどこで泊まるのか聞いたところ、決まってなかったと言う。
どうやら私の家にたどり着けばなんとかなると考えていたらしい。……んなことある?
「どうやって寝るつもりだったの……?」
「……あー、村に戻るか、最悪野宿……」
私はアランに聞くと、彼はいかにもバツが悪そうに答える。
しょうがないから泊めてあげようにも、私の家は私一人が生活するのに適した空間で創ってある。マーシャちゃん1人ぐらいならどうにでもなるんだけど、大人が4人も増えると流石に寝る場所がない。
だけど「外で寝てくれ」と言うのもなんだか気が引ける。
だから家を増築して冒険者たちが寝られるスペースを作ってしまおうという訳だ。
我ながら頭おかしい考えである。
今の平屋から二階建てにして、二階部分に部屋を創ろうというわけだ。
「創造魔法!詠唱書くのめんどい省略!えいっっ!」
私が創造魔法を使うと、ゴゴゴゴゴといった音を立てて家が変形する。
しばらくすると音は収まり、見てみるとちゃんと二階部分が出来ていた。
玄関のそばに階段が出来ていて、そこを登ると2回へと続く。二階に上がると廊下になっていて、その先に二部屋できていた。
私はそれぞれに2台ずつベットを配置する。
作業を終えて1階に戻ると、冒険者達は驚いたのか固まっていた。
特に青髪の女の子……えぇと、名前なんだっけ……?
あっ、そうそうマリンが1番驚いていた。
ふふふ……私凄かろう?褒めてくれてもいいんだよ?
……またやらかしたって?
それを言うならもう最初でアウトだと思うから、いっその事やらかしまくった方がいいかなーと思って。
私が冒険者達を二階に案内すると、冒険者たちは22に別れて部屋へと入る。
……へーwふーん。あっそぉw
私は男女で別れると思ったけど、ハンスマリンとアランノスティで別れる。へーなるほどねww
私がそんなことを思ってると、「何ニヤニヤしてるの?」と突っ込まれる。
危ない危ない……私の美少女キャラが崩れるところだった。
カップルで別れるのは勿論全然いいんだけど、部屋はなるべく汚さないで欲しいかな。明日の朝「昨夜はお楽しみでしたね」と言うのはちょっとアレだし。
まぁ中に入れたベットは私の部屋と同じやつだし、私ならクリーンで綺麗にできるけど。
冒険者達はそれぞれ部屋の綺麗さや、ベットのふかふか具合に驚いているようだ。
しばらくすると、各部屋を代表してかアランとマリンが私に話しかけてくる。
「部屋ありがとう。
……正直野宿はきついと思ってたんだ。」
「ユナちゃん部屋ありがとー!
ベットふかふかね!」
私は褒められて気を良くした私は、上機嫌のまま夜ご飯の支度をする。
シチューを作ってお皿によそうと、部屋にいた冒険者たちが匂いにつられて降りてくる。
私の渾身の夜ご飯は、冒険者達から大絶賛を受けたのだった。
冒険者の特に男たちの食べっぷりがすごく、「余ったらアイテムボックス入れとけばいいや」と10人前ぐらい作ったはずが、もうほとんど残っていない。
でも美味しい美味しいと沢山食べてくれるのを見ると、なんだか悪い気はしなかった。これが母性本能と言うやつだろうか?
普段は1人でご飯を食べているので、大人数でわいわいとご飯を食べるのはほんとに久しぶりだった。
楽しく食べたご飯は、いつにも増して美味しかった。
◇
ご飯を食べ、冒険者たちにお風呂を勧める。
そして事件は、温泉で起こった。
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