#09 TS美少女は幼女を拾う。
魔法の実験をはじめてから数週間。
私は相変わらず魔法で遊んでいた。
最近ではだいぶ上手いやり方がわかってきて、色々なことができるようになった。
例えば、風魔法の応用「フライ」で空を飛んだり、火魔法の応用で料理をしたりと様々だ。
ちなみに私はご飯を創造魔法で創れるけど、たまに自炊をしている。
やっぱり、料理を作るのは楽しいし、なにより出来上がった時に達成感がある。
それに、なんか創造魔法で創ったものより自分で作ったものの方が何となく美味しい気がする。
その他にも、色々な魔法を思いついては使ってみたので、結構バリエーションが増えてきた。魔法楽しい!
そんなこんなで、今日も今日とて魔法で遊んで料理をして、お風呂に入って寝るのであった。
◇
ある日の事だった。
私は森の中で最近の日課になりつつある魔法の練習をしていたのだけど、日が落ちたので家に帰ろうとした。
そうしたら、家の前に見知らぬ女の子が倒れていたのである。
「えっ……!?どういうこと……??」
当然ながら、私は困惑する。
然しながら、弱ってはいるものの死んでいるようではないことはわかった。
女の子は日本で言う小学校低学年ぐらいで、少女というより幼女に近い。ロリコン達が喜びそうな風貌である。
女の子の方をよく見てみると、全身にあざやかすり傷があった。まだ新しいのを見ると、今日の怪我であろう。
そして周りを見渡してみても、保護者らしき大人の姿はない。
つまり、この子は保護者とはぐれたor一人で来たということなのだろう。
何故私の家の前で倒れているのか。
……いや、迷ってさ迷ってようやく見つけた人工的な建造物の前で力尽きのかもしれない。
「……とりあえず家の中に……」
私は女の子を抱き抱えると、そのまま家に入りベッドに寝かせる。
ちなみに手が塞がっていたからドアの開け閉めは横着だけど魔法でやった。便利。
◇
私は改めて女の子を見てみる。
ちなみに服は脱がせてある。
……女の子同士だからいいの!!
薄汚れた服に傷だらけの身体。
こんな森の奥深くに何をしに来たのか。
考えたら疑問は尽きないけど、とりあえず身体のキズと服の汚れをどうにかしてしまおう。
女の子のキズは残ると響くからね!
「ヒール!」「クリーン!」
私がヒールをかけると、女の子は幾分か楽そうな顔になった。
……うん。とりあえずこれで大丈夫かな。
私は女の子に綺麗になった服を着せると、静かに寝室を後にするのだった。
知っているとは思うが、ヒールは定番の回復魔法だ。数日前に魔法で遊んでいたら結構ヤバめのケガをしてしまったので創った。
大体のキズ、軽傷程度なら「ヒール」を使えば治る。もっとひどい重症なら「ハイヒール」と使い分ける。
何回か自分に使ってみたけど、あったキズが一瞬にして治るのは凄いが何となく違和感を感じた。
まだ使ったことは無いけど「ヒール」の上位互換版である「セイクリッドハイネスヒール」なども覚えた。
どうやらこれは傷だけでなく、体に悪影響を及ぼしている事象まで回復できるらしい。
例えば、身体に悪影響を及ぼしている原因が怪我ではなく呪いとかの場合、「ヒール」「ハイヒール」では効かないが、この魔法なら効くという訳だ。あの水の女神様意外とすごい。
◇
キッチンでお茶を入れて、飲みながらリビングのソファへに腰掛ける。
「……あの女の子は一体どこから来たんだろう……?」
そう。そこが不思議なのだ。
私がここ最近魔法で遊んでいても村どころか人間のいる痕跡は見つからなかったし、視認した限り少なくとも半径10キロメートルは森が続いていた。
つまり、さっきの女の子は
1.それらの外から来た
2.転移系の魔法を使った
3.神隠し的ななにか
4.その他
のどれかであろう。
そして、この中で1番可能性の高いのは1だ。さっきの女の子が魔法を使えるとは思えなかったし、外部的要因だとしても、わざわざ私の家の前に送る必要は無いだろう。
もちろん0とは言いきれないのだけれど。
そして4については考えるのすら無理だ。
まあ、女の子が起きてきたら本人に直接聞けばいい話である。
……これがもし倒れてたところが100メートルでもずれていたら、私は気づかなかった可能性が高い。そういう意味であの子はかなり幸運だった。
もしそうだったら、もしかしたら死んでしまったかもしれない。死ぬのは私だけにして欲しいし、私ももう絶対に死にたくない。
そんなことを考えてると、さっきの女の子が目を覚ましたようで私に話しかけて来たのだった。
「かわいい……」
かわいいって私のことだよね?いゃぁ嬉しいなぁ!
だから私は優しく声をかける。
「おはよう。ここは私の家だよ。傷は治したから安心してね」
と。
◆
「しらないてんじょうだ……」
わたしはきがついたら、ふかふかのベッドのうえでねていた。
あれ……?なんでわたしこんなところにいるの……?
あっそうだ…おもいだした。
わたしはもりでまよって、ひがくれるまであるいて、ようやくみつけたおうちのまえでちからがつきてたおれちゃったんだっけ。よくいきてたなぁ……わたし。
それにしても、ここはどこなんだろう。
なんだかみたこともないものばっかりだけど、なんだかおちつく。
わたしはベッドからたちあがってみて、きずがないことにきがつく。
あれだけいたかったふかいきずが、きれいさっぱりなおってる……?それにふくまできれいになってる……。
わたしはへやをみわたしてみる。
ベッドのほかには、つくえやちっちゃなたながあるだけでほかのものはなんにもない。でもつかってるけいせきはあった。
……もしかして、あのおうちのもちぬしがたすけてくれた……?
そのとき、わたしはとびらのすきまから、ひかりがもれているのにきがつく。
きっととびらのさきにはいるのだろう。わたしをたすけてくれただれかが。
たとえどんなひとでも、ひとじゃなかったとしても、わたしはかんしゃしなくてはいけない。ありがとうございますっていわなきゃいけないって、おかあさんがいってた。
そうおもってドアをあける。
そこにいたのは、とってもかわいいおねえちゃんだった。
なにやらむずかしいかおをしてかんがえごとをしているみたいだけど、そのかおもとってもかわいい。
わたしはおねえちゃんにきをとられて、よういしていたことばがでてこずに、おもったことをそのままくちにだしてしまった。
かわいいおねえちゃんはすごくうれしそうなかおをして、わたしにやさしいことばをかけてくれた。
「おはよう。ここは私の家だよ。傷は治したから安心してね」
と。
そのことばがとてもやさしくて、なんだかあんしんしたからか、いままでのつかれとかで、わたしはそのばにへたりこんでしまった。
◆
「とりあえず、そこすわっ……ぁえっ!?ちょっ大丈夫!?ムリしなくていいんだよ!?」
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