61 邂逅
いつもの喫茶店にきた。二日酔いの美雨がダルそうにお茶を飲んでいた。リリンが呆れた様子で彼女に説教をしていた。夜空を見て話題を変える。
「お帰りなさい山井さん。釣れた?」
誰かが言った。
「獣人をか。やるなお前」
「釣りってそういう意味だったの!!」
「なわけねーだろ。道案内だよ。ちなみに魚は大量にリリースした。マジでチョロかったわー」
一匹も釣れなかった事を悟ったノックスの者たちはそれ以上触れなかった。夜空たちに気が付いた獣人の店員が言う。
「エダークスの?」
「そうっす。その感じ。そっちはルティスっすか?」
「ええ、そうですそうです」
「いやー、近所の仲間がいて少し気持ちが楽になったっす」
そこで子猫がニャーと鳴いた。
「可愛い猫さんですね。この街で飼うんですか?」
猫宮が経緯を説明すると店員は言う。
「それなら本州の地に送った方が良いかもですね」
「っというとたしか……ここから北にある?」
「そうです。この地はなにかと物騒で。帰ったら家がボロボロに、なんてことがざらにあって」
「ええ!! ど、どうすれば。ここにきたばっかで、ウチよく分からないっすよ」
「良ければ私が手続きしましょうか。預かりますよ。その子猫ちゃん」
「いいんすか!! よろしくっす!!」
猫宮は席に座り飲み物を頼む。テーブル席のトシノバがツンとした態度をとる。
「デカイ獣人だな!! ハッハー!! 素早いって長所を完全に潰してるな!!」
「なんすかこのチビエルフ……初対面で失礼っすね」
「チビじゃねーよ。素早く立ち回るためにあえて身長を調整したんだよぉ!!」
「ウチだってスピードとパワーを両立した次世代サイズなんすよ!!」
美雨がこそっと獣人の店員に聞いた。
「仲悪いんですか?」
「……種族間のいざこざで……ちょっとよろしくないかなー。一部の人たちですけどね。私たちもエルフさんの注文時は別の人に任せてますよ」
もう一人の獣人店員が言う。
「まあ、昔よりはだいぶマシになってますけどね」
二人がワーワーと言い合っているとトシノバが美雨を見た。
「このデカ猫が悪いよな!!」
「あー……ええっと……」
美雨は困った顔をした。猫宮がクリームソーダを飲む夜空に言う。
「このチビルフが悪いっすよね!!」
「両方悪いかな」
夜空の言葉に二人は驚く。
「ええ!! 正気すか!!」「嘘だろっ?」
ズズズっと夜空がソーダを飲み干した。美雨も二人をなだめようとする。
「まあまあ、ハンター同士なんだから仲良く。ね?」
トシノバが立ち上がる。
「勝負だ!!」
「望むところっすよ!!」
「……」
それを聞いた夜空が素早く短剣を二本取り出した。
「これを」
美雨が彼を取り押さえる。リリンが言う。
「素手で殴り合ったらどうだ。っと、外でやれよ。店が散らかるから」
「いいだろう」「いいっすよ」
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