52 理解者
瑠琉はひと気のない道を選びフラフラと彷徨う。
(……血を流し過ぎた。まずい……さすがに死ぬかも……ッ嫌だ……まだ……まだ死にたくないッ)
そんな時、公園のベンチの傍に誰かを発見した。
(……敵? 待ち伏せ……?)
今の状況を把握するためにその人間を注意深く観察する。しかし、その者はなにかを警戒している様子も、なにかを探している様子もない。ただ茫然とそこに立っていた。
その時、彼女はその衝動が抑えきれなくなった。生きようとする意志が湧き起こる。力を振り絞り、氷の針を四本生成する。
それを獲物の両腕や太腿に放って動きを奪うと、迷うことなく接近し、背後から肩に噛みついた。そして引き千切って距離を取る。
「ふふふ♪ 運が良い……嗚呼、これよこれぇ♡ 体が癒えていく。それにいつもより力が……こんなの初めてっ……すっごい快感……っ!!!」
「分かるぜ。衝動が抑えられないんだろ?」
瑠琉はその声に驚いた。思わず数歩後退りをしてしまう。普通は叫び声を上げる状況で冷静だったからではない。その声に聞き覚えがあったからだ。
やがて肩と両腕両足を負傷した男が振り向いた。まるでなにごともなかったかのように。不気味で、それでいて不敵な笑顔であった。
「お、お兄ぃ……ちゃ……んっ? どうしてっ……どうしてここにぃッ!!?」
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