表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/66

46 悪意

【ある学園】



本州にとある男がいた。名前はゲスマル。彼はどこか退屈した様子で学園に通っていた。廊下で集まって会話している女子たちに言う。


「この前、輪流(わる)さんが君たちの事顔も性格も不細工って言ってたよ」


「はぁ? あの子がそんなこというはずないでしょ。バッカじゃないの!!」


「信じないならどうぞご勝手に。陰口をたたかれながら友達ごっこでも続けてろよ」


「は? なにこいつキモっ。いこっ」


「うん」


 男は自分の教室に向かう。その途中で他クラスに絡まれた。


「お前デマを流してるらしいな?」


「火のない所に煙は立たないんだよ。怪しい行動をしてるお前等が悪いんじゃ?」


「てめっ」


「おい止めろって!!」


 殴りかかろうとする男を友達が止めた。


「とにかくこれ以上なにかしたら許さんからな」


「へいへい」


 男は苛つきながら去って行く。


「存在しない。ただの嘘に踊らされるなんて馬鹿な奴等だ」


 こんなことを繰り返すうちに彼は次第に避けられ、虐められることになった。無視や嘲笑をされることとなった。


 ある日、教室の席に座っていると、数人の男が入ってきた。


「もう我慢できん!!」


 男は嘘を言うゲスマルに殴りかかった。床に倒れたゲスマルは泣きべそをかきながら言う。


「ひぃ。ごめんなさい!! もう二度と逆らいません!!」


「ふざけんな!!」


「そうじゃねぇだろ!!」


「もう止めてください!! 許してください!! どうして!! 僕はなにもやってないのに!! 僕は家が貧乏で。弱い人間なんです!! 仕方なくやっただけで!!」


「ああ? なにいってんだこいつ!!」


「なにもって!! こいつ反省してねぇぞ!!」


「まあいいや!! サンドバッグにしてやるぜ!!」


 教室の人間は誰も彼の事を庇わない。それどころかデマを流す奴を笑っていた。彼はどこか脈絡のない被害者の言葉を大声で叫び続ける。


 クラスメイトはこれまでの怒りを全てぶつけるのであった。



 放課後、誰もいなくなった教室でゲスマルはカメラを回収していた。そして、家に帰る。


「ハハハ。良い感じで編集できたな!!」


 クラスメイトにはモザイクをかけるも、一瞬外したりしていた。特定したがる人に餌をまいていた。



 前から作っていた裏アカウントで、都合の良い動画を加害者のフリをして煽り文とともに流す。後日、この問題は騒ぎになる。


 ゲスマルを殴った男たちは心を病み、転校した。クラスメイトのSNSも荒らされている。


「フヒハハハ、正義の味方が沢山いるぞぉ。そうだッもっと叩け!! アハハハハ!! 被害者(クラスメイト)を叩き潰せェ!!」


 騒動が大きくなるのをゲスマルは楽しんでいた。


「クヒヒ。真実を求めず、自分を正義だと言い聞かせる奴は総じて空っぽの人間なんだよ」


 パソコンの窓を切り替えるとゲスマルは喜びの声をあげる。今月の儲けが出ていた。


「うはぁっ。適当言ってりゃ金が貯まる。良い時代になったもんだッ。駄目だよ~。ちゃんと法律作んなきゃ~」


 その時、ダイレクトメッセージが送られてきた。この騒動を疑う者たちがいた。


「おっと。編集がバレてら。ようやく本物が動き出したか。さて、小さい箱庭(学園)に興味はねぇ。逃げるとするか」



 ゲスマルはその日のうちに迷わずに家を出た。そして、その途中でフードの男に会う。道のど真ん中で怪しく立っていた。


(なんだァ邪魔だな……)


「すみません、通してくれませんか?」


「面白い男だな。俺と一緒にこないか?」




(面白い? 真相を知っている? 集めた金目的の詐欺か? いや、このタイミングでこられるものなのか?)


「……」


「その警戒は正しい。俺はお前を利用する。お前は俺を利用する。そういう関係を築きたい」


「俺のデメリットは?」


「運が悪ければ死ぬ。メリットは世界をもっと滅茶苦茶にできる」


「フフ。ハハハッ。人間いつ死ぬかわかんねェんだ。面白いっ、協力しよう!!」


「それでは一時的にヨモツクニに身を隠すとしようか」


「ヒヒ。俺と同じ。ゲスの匂いがするぜ」


 この日、ゲスマルは行方不明となった。




ご一読いただき、感謝いたします。投稿は21時になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ