27 ネクロマンサー
次の瞬間、背後から強烈な衝撃が十式丸を襲う。地面に転がりながらそこを見ると驚愕する。村長がわき腹を蹴ったようだ。
「がっ……バカな!!」
慌てて後ろに下がろうとするも、ダメージで立ち上がれず、再びバランスを崩しガクンと膝をつく。そして、村長はもう一度接近し、拳で彼を吹き飛ばした。
「がはっ」
地面に激しく転がる十式丸。膝を付いて起き上がろうとするが、それ以上力が入らず立てない。
「たった数回、攻撃をもらっただけで体の力が入らないだと。なにが……それに貴様。確かに切ったはず。まさか吸血鬼か!!」
「はっ。あのような下等生物と一緒にされては困ります。再生ではない。それとは異なり、魔力や体力を失っていない新品の体と交代したまでのこと」
「……なんだと?」
よく見ると地面に倒れた村長がいた。そしてもう一人、村長がしゃべりかけてくる。瓜二つではなく、良く見ると二人にはしっかりと違いがあった。
「分かりませんか? 今は1000体ある予備の肉体を持っている。しかしッ、まったく足りないッ。私はもっと欲しいのですよ!!」
村長は自身の力に酔い、嬉々として語る。
「数百年……恐ろしく長かった。だがッ、近い未来っ。誰も私を倒す事は誰もできなくなる!!」
「それで島の外から呼び寄せて……」
「ええ、血は薄い方がいいですからぁねェ!!」
「待て……数百年、と言ったか? ゲートが存在する前にお前は能力を手に入れたと?」
「ゲートの発生が一度だけだと? なぜ自分たちだけが特別だと? 思い上がりも肌肌しい……さあ、大人しくしなさい。そうすれば、特別に楽しく海水浴でもさせてあげますよ!! 遺体の状態でねェ」
十式丸がそこから一旦離れようとするももう遅い。脚にワームが絡まる。その時、捕まった一人がワームから抜け出し、彼を助けるため、村長の背後から襲い掛ろうと走った。
「そうだった。貴方は27でしたね」
振り返ると同時に村長は女性の腹部を手刀で貫く。
「霞!!」
「あ……が……ぐ……そんなっ……」
彼女は吐血する。村長はその辺に女性を転がすと十式丸を方を見た。
「さて、今度こそ終わりにしましょうか」
「う、うわああああ!!!」
複数の野鳥と蝙蝠が飛び去った。静かになった森で村長が違和感に気が付いた。
「さっきのは……この島の生物じゃ。イレギュラー……ですか……」
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