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第19章 ➂

第19章➂ 穴掘り


しばらく待つ。


奥から男が出て来た。


冒険者だ。


受付嬢が言う。


「穴掘りの依頼です」


男は私を見る。


兄を見る。


妹を見る。


犬を見る。


少し止まる。


そして聞いた。


「穴を掘るのか?」


私は頷く。


「うん」


「どこを?」


「こっち」


男は少し笑った。


「まず見よう」


私は頷く。


歩き出す。


カートに兄と妹。


犬は先頭だった。


雪道を進む。


犬は迷わない。


時々止まる。


こちらを見る。


待っているらしい。


やがて着いた。


私は指を差す。


「ここ」


男は止まる。


地面を見る。


周りを見る。


雪だった。


そこだけだった。


雪が無い。


白い湯気が立っていた。


男がしゃがむ。


地面へ触れる。


少し驚いた顔をする。


「暖かいな」


私は頷く。


「掘った」


男は地面を見る。


しばらく黙る。


やがて立ち上がる。


「これは掘ってみる価値があるな」


男は笑った。


「やるか」


良かった。


話が早そうだ。

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