第19章 ①
第19章① 泥
大雪が降った朝。
外は白かった。
私は朝食を作る。
兄も起きてくる。
妹はまだ毛布だった。
暖かそうだった。
犬だけが外へ走る。
元気だった。
しばらくして帰って来る。
私は止まる。
泥だらけ。
ん?
私は外を見る。
雪だった。
かなり積もっている。
私は犬を見る。
泥だった。
何故だろう。
兄も止まる。
妹も止まる。
みんな犬を見る。
犬は何も気にしていなかった。
嬉しそうだった。
私は近付く。
足を見る。
腹を見る。
泥。
かなり。
私は聞く。
「どこ?」
犬は答えない。
当然だった。
私は少し考える。
そして言う。
「行く?」
犬が尻尾を振る。
分かったらしい。
多分。
私は上着を着る。
兄も着る。
妹も着る。
犬は先へ走る。
私は付いて行く。
雪道だった。
白かった。
足跡だけが続いている。
犬は迷わない。
時々こちらを見る。
待っているらしい。
しばらく歩く。
その時だった。
私は止まる。
そこだけだった。
雪が無い。
丸く。
地面が見えている。
白い湯気が立っていた。
私は少し考える。
もしかして。
そう思った。
私は近付く。
暖かかった。
雪が無い理由だった。
私はしゃがむ。
地面を見る。
確かに土だ。
私は指で掘る。
少しだけ。
柔らかかった。
さらに掘る。
土。
んー?
兄もしゃがむ。
妹もしゃがむ。
犬だけは土を掘る。
嬉しそうだった。
何かあるのか?
私はもう一度掘る。
少し深く。
でも。
土。
水は無い。
お湯も無い。
私は空を見る。
白い湯気だった。
地面を見る。
土。
不思議だった。
兄が聞く。
「何?」
私は少し考える。
そして答える。
「分からない」
本当だった。
私は立ち上がる。
もう一度周りを見る。
雪だった。
ここだけ違った。
私は思う。
帰ろう。
一人では無理だった。
多分。
誰かに聞こう。
そう思った。




