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狂氣の果て〜クルーエル・デッドエンド〜  作者: クロス
最終章:狂依存。その果て、

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53/54

第53話 勝負の決着!!

 ────援軍が到着し、あれから数時間が経った。


「はぁ……はぁ……、見くびって……いたわ。ハァ……ハァッ。オーちゃん……やるじゃっ、ない……!」

 

 クルクスのボディを(まと)う、黒雷(くろいかづち)が刻まれた漆黒の(アーマー)が、激しく上下に揺れる。


「教官、こそ……はぁはぁ。能力の減退で失った機動力を……はぁはぁっ、バイクのタイヤで補うとは……やりますねぇっ」


 イヤーマフをオルカ自身も肩で息をしており、両者共に疲労困憊(ひろうこんぱい)

 顔色から余裕のなさが──(うかが)えた。


(リーダーの方は──きっと大丈夫。ここを片付けるまで……持ち堪えていてください)


「……で、どうしますかぁっ。 お互いボロボロですけど、やります……?」


 度重なる戦闘で酷使した装備は、損耗が激しく悲鳴を上げている。

 双方使えてあと1回といったところだ。


「言った、でしょう……? あの子が満足するまでって。やめるつもりは────ない」


 その言葉の後、クルクスは秘密(シークレット)兵器(ウェポン): No.(ナンバー)96(ナインティシックス)、並びに秘密(シークレット)兵器(ウェポン): No.(ナンバー)93(ナインティスリー)神の臨界稼働領域(オーバーロード)を重ね掛けで発動させ、大破したエネルギー拳銃(ハンドガン)二丁を構え直す。


「ゴホッ……! ゲホッ……!」


 次の瞬間──彼女は前のめりで腹から血反吐をばら撒いた。

 身体負荷の限界を超えた使用による反動。

 その計算を誤るという痛恨のミスをクルクスは犯してしまう。


 対してオルカは……


「頑固な油ヨゴレほど、困ったものはありませんねぇ」


 ドゥチャンッ


 腰に携帯するポーチからディスクを1枚取り、手を小刻みに震わせながらも、耳に装着するイヤーマフの挿入口へそれを差し込み、


「……終焉(エグゼキューション)──開始(スタート)


 と……そう呟くや否や大地に足を踏み締め、全身全霊の突進攻撃を敢行する。


 動きを鈍らせた教官へ、死力を尽くしたトドメの一撃を────叩き込むために。


「はあぁぁあああああああああああっ!」


 少女は迫りくる敵に反応しようとするも──


 ズブシュ──ッ


 ……防御は間に合わず、オルカの攻撃を許してしまった。


「…………ゴハッ」


 そして……クルクスの胸は彼女の右腕によって貫かれた。


「博士、アーサー……後は任せましたよぉ〜」


 彼女の言葉を合図にアーサーは飛び出すと、少女の四肢を赤い触手で固定する。


「イケェエエエエエッ! トーマス──ッ!」


 2人の期待に応えるべく、トーマスは全速力で娘との距離を詰めて彼の背中を台にしジャンプした。


「殴る資格なんざ──俺にはあるとは思っていない。……だがなぁ、親として……娘であるお前のお父さんとして……。我が子が間違いを犯したのなら──」


 空中で作った握り拳を彼はクルクスに向け、振り被る。


「それを正しいレールに戻すのがぁっ!! 父親としての、役目ってもんだろうがあぁぁああああああ────っ!!!!!」


 ドゴンッ!


 狙って放たれたトーマスの愛情が込められたグーパンチ──見事にそれは、娘の左頬に炸裂した。


「ぐふ──っ!!」


 その衝撃で漆黒の(アーマー)は剥がれ落ち、2つの銃器は少女の手元を離れる。

 クリーンヒットした彼女の身体は、勢いのまま地をバウンドし激しく転がって行く。


 そして────小さな瓦礫の山の上で、クルクスの動きは止まった……うつ伏せの体勢だった。


「……遅くなって、本当にすまない」


 ただそう一言……謝罪の言葉を呟きオルカとアーサーに見守られながら、トーマスはゆっくりと娘の元へと歩みを進めた。



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