32.第9話ネームチェック&解説
まずは第9話。体調不良にもかかわらず、これほどの完成度で原稿を仕上げて下さり、ありがとうございます。
すばらしいですね!
ひとコマひとコマの、キャラクターたちのそれぞれの表情、グレンが過ごした師団長室や資料庫の情景、本当に何もない所から描き起こされたものとは思えないほど、登場人物たちやその世界が迫ってきます。
この部分を書いた時は本当に素人で、本や漫画になる未来など想像もできず、ここに来るまでの6年という歳月は、私にとって長いようで、実は爆速の展開だったかもしれません。えらいトコきちゃった…みたいな。
それだけ、ひつじロボ先生の漫画が凄いです。
カーター副団長もバッチリ!自分の見せ場には食らいつく男!
ふてぶてしさが、ホントにイイ!
背景モブ的なレオポルドやソラに「ふふっ」と思いました。
レオポルド、描き加えて下さり、ありがとうございます。
何の話かというと、9ページからレオポルドが登場するのですが、場所は研究棟師団長室。
「いつ来たの?って感じなので、前半の錬金術師たちと話しているところで、背景モブ的に彼を描いて頂くことはできますか?」とお願いしたのです。
ひいいぃ!プロの漫画家さんに!
実際、人物ひとり描き加えるってバランスとかも考えると大変なのでは⁉️
いいの?ワガママじゃない⁉️
「コイツ、めんどくせぇ原作者だな」とか思われたらどうしようぅ⁉️
とかビクビクしながら書いて送ってみたら、快く描いて下さって「いい雰囲気になった」とフォローも頂き……ホッ。
そんなわけなので、背景モブなレオポルドも探してみて下さい!
資料庫の窓、きれいですね!
アルフォンス・ミュシャの絵に出てくる柔らかい曲線を描く枠のようで、苦労したグレンの晩年は、それなりに満たされていたと感じさせます。
画面を通してネリアやレオポルド、錬金術師団の皆に会えるのが毎回楽しみですね!
ここからは読者さん向けの解説。
皆さんがふつうに手にする薬などは、言わば研究の成果物です。
その一方で成果がでない研究も無数にあります。
『スベリヒユ』という薬草は、畑などでもよく見られるものですが、その汁は虫刺されによく効きます。
蚊に刺されたらスベリヒユを摘んで、汁を塗りつけるとスッと痒みが消えるのです。
あまりにもよく効くので、薬効成分を抽出しようとした研究者がいましたが……結局、一生を棒に振りました。
後からわかったことですが、その成分はコロイド状のもので、アルコールで抽出すると壊れてしまうのです。
研究が進んだ現在ではスベリヒユも、ミネラルや有効成分を豊富に含むことがわかり、栄養価の高いスーパーフードとして世界で注目されていますよ。
畑に生える目立たない雑草にも、一生を賭けて研究した人間がいるというお話でした。
また、ある研究者は『その研究はもう止める』という経営陣の決定で、研究室閉鎖そして解雇へ。
10年以上を費やした研究は泡と消え、研究者の肩書も失いました。
一生懸命にやったからといって、必ずしも結果が出せるとは限らないのです。評価されるのはほんのひと握りの幸運な者だけ。
そんな話がザラにあるため、この部分は熱がこもりました。
結果的にそうなっただけで、画期的な発明や発見の影には、無数の誰かの存在がある……そんなことを意識して書きました。
グレンが本当に魔導列車を敷設したかったのは彼の故郷です。けれど、そこでは研究自体が許されず、彼は故郷を出るしかありませんでした。
彼の過去は小説でもまだ触れていない部分のため、このへんにしときます。
皆様も夏バテに気をつけてお過ごしください。
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