40 気候変動 *
「現役の気象学者の97%が
気候変動の主要原因は人間にあると考えているそうだよ」
「考えていないのが3%ってことだね」
「考えていないというより、わかっていて違う主張をする」
「3%って、あれの4%と似たような数字だね」
「現役って? どんな人かな」
「ちゃんと査読付きの研究論文を出している人かな」
「査読で間違いをチェックされるとか、
研究発表会で批判にさらされるとかは避けるのに、
なぜか表には学者を名乗って出てくる」
「真実の追求ではなく、
どこかの会社のために、
好き勝手なことを言っている人は含まないのかな」
「人数的にはたいしたことはないからパーセントには関係ないでしょう」
「でも影響力は3%どころではない」
「97%もの人が賛成しているんなら、事実として進めたらいいのに」
「国連公認の団体でも認めている事実なのにね」
「この3%がやっかいで、
気候変動対策で損をする富裕層がこれを根拠に温暖化対策を妨害している」
「一番被害を受けるのは貧困層だよね」
「国で言えば、発展途上国が多い。
これまで温暖化ガスの排出なんてほとんどしていないのにね」
「地球全体で気候変動が起こったら、富裕層にだって影響はあるだろうに」
「地球全体が住めなくなるまでには時間があるから、
金の力で、環境のいいところに移住しようというのでしょう」
「全世界の環境が悪化するわけではなく、
今まで住めなかったところが住めるようになるところもあるかもしれない」
「もともと安全性の高いところに住んでいたりするしね」
「わずかの富裕層のために地球が危険な目に合わされてはかなわない」
「富裕層っていっても悪いやつばかりとは限らないけれどね」
「逆に自分は貧困層に近いのに、
お金をもらって富裕層のための発言を続けているのがいる」
「その金で貧困から抜け出そうとしているのかな」
「他の貧困者を蹴落としてね」
「国際的な取り決めもあるし、毎年会議も開いていて、
いろいろな取り組みをしているようだけど」
「でも、地球温暖化物質の排出は増え続けている」
「最新のデータが、過去最大だったよね」
「いろいろ成果を出したアピールが出ているけれど、どうなっているのだろう」
「カーボンオフセットとかいって、森林を買い取ったり、
二酸化炭素を減らす取り組みに値段をつけて買い取ったのを数字に入れている」
「実際の排出量は減っていないのに、数字だけ減らしているんだね」
「排出を減らす取り組みを買い取って、排出量は増えているから、
差し引き増えていることになる」
「異常気象が相次いでいるけれど、どのくらい余裕があるのかな」
「このままだと、2030年には、1,5度の気温上昇で危険領域だとか」
「もうあと何年もないよ」
「どうすればいいのだろう」
「排出自体を減らすしかないね」
「移動を減らすとか」
「食糧は、作ったところで食べる」
「無駄なものは作らない」
「エネルギーとか水とかのインフラが株式会社所有で
金もうけの材料というのが良くない」
「公営か、協同組合だろうね」
「情報の偏りが問題だろうね」
「金持ちが、情報企業を一人の考えで動かしているってのはだめだろうね」
「ネット関係など情報産業も公営化がいいだろうね」
「ただ、権力者に握られたらそれもよくない」
「どこかの国のように、権力者の関連企業がマスコミを買い上げたり」
「ファクトチェックが自由にできないとだめだろうね」
「お金のある人だけが、情報を握りすぎている」
「こういう危機を、金儲けにしようとする人たちがいるんだね」
「ショック・ドクトリンというのだね」
「どんなのがあるのかな」
「気候変動で、これまでにないようなハリケーンが出て大きな被害があった」
「それで、アメリカの下町が大きな被害を受けたね」
「そう、金儲けの対象にはならないような人たち」
「そういう地域は、住民も借家だったり、
ほとんど放置されているような空き家に住み込んだりしていたりする」
「それでも住んでいる人を追い出すのは簡単にはいかないね」
「家主にとっては、ハリケーンが、
住民追い出しと取り壊しを同時にやってくれたようなものだね」
「地主も、上物があると土地が売れないけれど、きれいになったら高く売れる」
「これをチャンスと、再開発で、家賃の高い家に建て替える」
「元の住民は戻るところがなくなる」
「金持ちにとっては知ったことではない」
「政治家は?」
「政治献金が期待できないから、あまり力を入れたくはない」
「再開発を公約にすれば、中間層の受けはいい」
「で、下層民は切りすてられるわけだね」
「金持ちばかり儲ける。気候変動はありがたい、ということになる」
「中間層も、得にはならない」
ナオミ・クライン
「これがすべてを変える 資本主義VS気候変動」(上・下)
「ショック・ドクトリン (上・下)」
岩波書店
丸山啓史
「気候変動と子どもち 懐かしい未来を作る大人の役割」
かもがわ出版 2022.8.10
斎藤幸平
『人新世の「資本論」』
集英社新書 2020.9.22




