第21章-神はやはり神である-
翌日、現在の時刻は朝8時。
矛人はアテナと共に聖騎士本部に来ていた。
「まったく、なんでこういう時だけ早起きなんですか!朝5時に私の部屋に突入した時はびっくりしましたよ・・・」
そう、これは朝5時の話なのだが・・・
「おーい、アテナ入るぞー」
バタンという扉を開ける音と共に、矛人はアテナの部屋に入ってきた。
矛人が扉を開けるまで、ぐっすりと熟睡していたアテナはわけもわからず
「ひゃっ!?へっ!?」
と叫び混乱していた。
朝5時に男子が女子の部屋に堂々と侵入してくれば、そりゃ誰でも混乱するであろう。
だが、アテナの頭は知恵の神でもありながら残念な頭をしていたため
「え!?ちょっと待ってください!こ、子供の名前まだ決めてませんよ・・・!」
などとベッドの上で頬を赤らめながら期待した目線を矛人に合わせる。
それに呆れた矛人は・・・まあ、朝5時に女子の部屋に侵入するのも呆れる話なのだが、アテナに近づき口を開く
「お前の頭の中で俺は何しようとしてんだ」
「ナニって・・・勿論よば」
「時計見ろ」
「朝5時!?」
「さてもう朝だ、いくぞ」
矛人はそう言い、アテナのパジャマの首襟を掴み部屋から引き摺り出す。
「あ、ちょ待ってください!待ってくださーい矛人さーん!!!せめて、せめて着替えさせてくださぁぁぁぁあい!!!!!」
などという事があった。
「本当、めちゃくちゃにされるかと思いビックリしましたよ・・・」
「何言ってんだ、変な期待してたくせに」
あの後結局矛人も支度してなかったらしく、アテナに言われるまでパジャマでいたのだが・・・。パジャマ姿で一緒に居たのを召使いに確認され、アテナと矛人は2人きりで夜楽しんでいたと噂が広まったのは内緒である。
「悪かったって」
矛人苦笑しながら謝るが「ふんっ」とアテナに拗ねられる。
「んじゃまー、今度なんか言う事聞いてやるから・・・」
矛人は頭を掻きながらためた息を吐く。
それに対しアテナは言う事を聞くという言葉に過剰に反応した。
「本当ですか!?ならそうですね・・・ふふっ♪」
「一気に上機嫌になったなおい、ここまで機嫌取り戻されると怖いんだが」
「そ、れ、な、らっ!今度また撫でてくださいよ!この前のように、この前のように!!」
「お、おう。それでいいなら任せろ、うん」
内心またあの気まずい雰囲気を味わらなくちゃいけないのかと思いつつ、言う事と聞くと自分から告げたため仕方が無いと決心する。
「よし、そんじゃ始めようぜ」
「はいっ!」
アテナの気合の篭った声が周囲に響き渡る。
鎧が軋む音、剣が弾き合う音、能力がぶつかり合う音。
様々な戦闘音が響く中矛人とアテナは主に、その金属音を発していた。
アテナが言うには
「矛人さんに足りないものは、まず近戦力です」
との事。
接近戦を鍛えると戦いに有利になるらしい。
どうやら、戦いの動きがわかるとか?
「まだまだですねぇ・・・矛人さん!これじゃか擦り傷一つつきませんよ?」
「なんで手に取るようにわかんだよっ・・・!」
「ふふふっ♪」
右上段、左下段、右中段取り敢えずこの順番から刀を動かすが、それもきちんとアテナに剣を受け流される。
剣を振りに振って約40分、か擦り傷を一つも与えられず、逆に剣の持ち手の方で反撃される。
「はぁ、ちょ・・・ちょっとまった・・・。もう、むり・・・」
「矛人さん、能力を使わないと案外弱いんですね」
「悪かったよ」
日常的に、剣を振るうなどという事も今まで無かったこともあり、ぐたりと両手を支えにして足を伸ばし座り込む矛人。
それを上からのぞき込むようにアテナは微笑みながら話しかけているが・・・俺とは違い、どうやら汗の一つもかいていない。
しかも弱いと言われる始末、女子に弱いと言われるなんて今まで生きてきて一回も思ってなかったぞ、おい。
まぁ、それはいいとしてだ。どうして攻撃が当たらない。
当ててはいけないのだが、まるですべて見通されているように攻撃が受け流される。
「あぁ、もう負けだ負け!」
「んー、案外早かったですね」
「そりゃ40分も無意味な攻撃繰り返してたら嫌気は刺すさ」
「それもそうですね」
ぽんと拳を叩く。
そしてアテナはニコニコしながらゆっくり口を開く。
「そうですね、ネタばらしってわけじゃないんですが・・・ズバリ目です」
「・・・目?」
「はい、目です」
アテナは能力を使ってないらしく、それ以外の回答と言えば想像がつかないのだが・・・
どうやら答えは目にあるらしい。
「ふむ・・・」
矛人は約2分と40秒を考えに費やすが、答えは全く見えない。・・・目だけに。
それは置いといてと、答えが目とはこれいかに
「目ってなんだ?」
「そうですね、目は口ほどに物を言う。なんてよく言いますよね?」
「確かにな」
「実は人というのは無意識と言うのが働きます。特に攻撃する際は、その無意識が働いているんですよ。例えば右側がガラ空きだ、だから攻撃しよう!普通はこう考えて攻撃しますよね?その時視線は一瞬ですが、その所に移ります。それを見て、行動を移すと攻撃は防げます。そして何も考えず攻撃してると思ってる人でも、その攻撃するところに視線が一瞬移るので攻撃はほぼ防げますね。」
「・・・人間離れしすぎだろ」
「私、神ですから」




